発達障害とは?特性と向き合い、自分らしく生きるコツ

この記事では、発達障害の定義から主な種類、そしてそれぞれの特性が人生でどう活かせるかについて、分かりやすく解説していきます。

発達障害とは?

発達障害とは?
発達障害とは、生まれつきの脳の機能の違いによってもたらされる特性です。
育った環境の影響があるのではと誤解されることがありますが、実は違うというのが最新の医学的な考えになります。
もし、親の育て方や本人の努力不足だと思っている方がいたなら、まず認識を変えてみましょう。
発達障害は決して性格や努力の問題ではなく、脳の特性なのです。
もちろん、この特性によって行動や物の感じ方などに特徴があらわれ、日常生活や社会生活が難しくなる場面があるのも事実です。

🔵 その特性は、あなたの個性です

これらの特性は、マイナスに注目されますが、裏を返せばユニークな才能や個性でもあります。
一人ひとりの特性を理解し、得意なことや強みを活かせる環境を整えることで、その人らしい能力を発揮することができるのです。

発達障害の主な種類と特徴

発達障害の主な種類と特徴
発達障害にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。ここでは、代表的な発達障害についてご紹介します。
一人ひとりの特性を理解し、得意なことや強みを活かせる環境を整えることで、その人らしい能力を発揮することができるのです。
ASD(自閉スペクトラム症)
対人関係でのコミュニケーションや、言葉ではないやり取りが苦手だと感じることがあります。また、特定の物事へ強いこだわりを持ったり、感覚が過敏になったりすることがあります。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
集中力の維持が難しく、うっかりミスが多い「不注意」や、じっとしているのが苦手な「多動性・衝動性」といった特徴があります。
SLD(限局性学習症)
知的発達には遅れがないものの、「読む」「書く」「計算する」といった特定の学習能力に困難がある状態です。
これらの特徴は一つだけでなく、重複して見られることもあります。

🔵 ASD(自閉スペクトラム)は広い意味をもつ

ASD(自閉スペクトラム)は広い意味をもつ
発達障害に振り分けられる状態のうち、自閉スペクトラム症というのは実は自閉症~アスペルガー症候群までの段階的な特徴をもつ総称になります。
症状の強さによって診断名に分類されますが、本質的には1つの障害単位だと考えられています。
そして、以下に特徴があるとされています。
  • 人とのかかわり(対人社会性)
  • コミュニケーションの質
  • こだわりとイマジネーション(想像力)
以上の大きく3つの共通点があるとされます。

発達障害の強みと弱み

発達障害の強みと弱み
特徴や困りごと別に分けられている発達障害について、強みと弱みの一覧表になります。
症状 強み 弱み
ADHD
実行力・行動力
好奇心旺盛
ひらめきがある
困難な状況でも落ち込みにくい
衝動的な行動
注意の偏り
集中力の持続困難
計画性のなさ
ASD
強いこだわり・探究心
論理的思考力
記憶力がいい
規則性を見抜く力
ルーティンワークの正確さ
予期せぬ変化への対応が苦手
暗黙のルールや場の空気が読めない
コミュニケーションが苦手
感覚過敏
SLD
特定の能力の高さ
学習方法の工夫力
得意感覚の優れた認知力
想像力・創造性
努力家で粘り強い
読み・書き・計算のいずれかが苦手
文章の要約や理解に時間がかかる、数字の計算順序
知的障害
素直
指示されたことは正確に実行
記憶力が良い
作業の継続性
抽象的な思考が苦手
応用が難しい
学習に時間がかかる
境界知能
周囲のサポートで社会生活が可能
特定の分野で能力を発揮
感情表現が豊か
コミュニケーション能力が高い
知的障害と健常者の間に位置
学習や仕事の理解に時間がかかる
抽象的な事柄の理解が苦手
人生をより豊かなものにするためには、これらの特徴からご自身の強みの面を活かしていくということが大切になります。

🔵 ADHDの特性と仕事上の強み

ADHDの特性も、捉え方を変えればあなたの大きな魅力になります。
フットワークの軽さ
多動性や衝動性は、新しいことや変化への対応が早いことにつながります。多様な経験を通じて、自分の可能性を広げることができます。
創造性やアイデア
不注意な反面、多角的な視点を持っているため、ユニークな発想やアイデアを生み出すことが得意です。クリエイティブな分野で才能を発揮します。
高い行動力
じっとしているのが苦手なため、思いついたらすぐに行動に移すことができます。誰も思いつかないようなことを、次々と実現させる原動力になります。

🔵 ASDの特性と仕事上の強み

ASDの特性は、仕事だけでなく、あなたの人生を豊かにする強みになります。
特長1.論理的な思考力
空気を読むのが苦手な反面、物事を客観的・論理的に考えることが得意です。問題解決能力が求められる場面で大きな力を発揮します。
特長2.高い集中力と正確性
特定の物事への強いこだわりは、一つのことに深く集中する力につながります。趣味や専門分野で驚くべき才能を開花させることがあります。
特長3.優れた記憶力
マニュアルやルールを正確に覚えることが得意なため、手順が決まっている作業や、ルーティンワークを正確にこなすことで信頼を得られます。

🔵 SLDの特性と仕事上の強み

特長1.優れた視覚的思考と空間認識
文字や数字よりも、図やイメージで情報を捉えることが得意。
この強みは、デザイン、建築など、視覚的・空間的イメージ力が求められる分野で活かせます。
特長2.高い口頭での表現力と創造性
書くことは苦手という場合でも、対話を通じてアイデアを広げることが可能です。
営業、広報、カウンセリングなど、人とのコミュニケーションが中心となる仕事で大きな武器となる場合があります。
特長3.行動力と解決能力
机上の学習よりも、実際に体を動かしたり、体験から学ぶのが得意です。
独自の工夫や粘り強さで課題を乗り越える力があります。この強みは、技術職、製造業、芸術など、実践的なスキルが求められる分野で活かせるでしょう。
以上の情報はあくまで一般的な傾向から記載しています。
実際には個人の特性や現れ方には、もちろん違いがあると考えます。
エンカレッジにて支援させていただく際には、これらの画一的な情報以外ではなく、コミュニケーションからしっかりと特性を把握して一緒に就職活動のサポートをさせていただいております。ご安心ください。

発達障害を抱える方の進路の例

発達障害を抱える方の進路の例
発達障害や働きづらさを抱えた方の就職へ向けた準備トレーニングから、自分に合った職場や環境とのマッチング・アフターフォローまで一貫した支援を行っております。
以下のページでは、エンカレッジのプログラムでのトレーニングを経て就職、仕事に就かれている、OBの事例を紹介しております。

🔵 発達障害の方の仕事・就職事例

就労支援事業所エンカレッジでは、発達障害のある方の就労支援をする中で、これまでにたくさんの企業・団体から、採用・職場実習・インターン・企業見学などの機会をいただきました。
発達障害のある人に適した職場
発達障害のある人の能力が発揮し、安定した雇用継続につながっている職場の特徴を事例から一部お伝えします。
【適した職場環境】
  • 静かな環境
  • 予測可能な定型業務があること
  • 個別の事情に合わせられる柔軟性
  • 職場に理解者、キーパーソンがいること
  • 適度に休憩ができること
【適した業務例】
  • パソコン関係
  • 事務、オフィス周辺業務
  • 機械操作
  • 組み立て/修復、分解
  • 倉庫での仕分け、陳列等
  • 研究職
  • 製造業のライン業務
  • 調理関連業務
  • 清掃作業
発達障害別に経験談をまとめているページも合わせてご覧ください。
発達障害の障害者雇用に取り組む企業事例
以下のページでは、障害者雇用に関する企業や団体の取り組みの声を紹介しております。

まとめ

発達障害は、あなたの個性の一つです。その特性を理解し、強みとして活かせる仕事や環境、そして生き方を見つけることで、きっと輝ける場所は見つかります。
「どうやって一歩を踏み出せばいいの?」
そう思ったときは、決してひとりで悩まず、専門機関に相談してみましょう
私たちエンカレッジでは、発達障害のある方の就職を専門にサポートしています。あなたの特性と希望に合わせた働き方を一緒に見つけ、就職後も長く活躍できるよう伴走します。
ぜひ一度、お気軽にご相談ください。
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