発達障害の障害者雇用に取り組む企業事例

発達障害の障害者雇用と企業・団体の声

就労支援事業所エンカレッジでは、発達障害のある方の就労支援をする中で、これまでにたくさんの企業・団体から、採用・職場実習・インターン・企業見学などの機会をいただきました。
そんな企業・団体のみなさまの、障害者雇用に関する取り組みの声を紹介します。

発達障害の障害者雇用に取り組む企業・団体


個人の持ち味を活かし、組織とともに成長を

積水化学工業株式会社
 
【企業・団体名】積水化学工業株式会社
【事業概要】
1947年創業の「プラスチック製品のパイオニア」。主に「住宅」「環境・ライフライン」「高機能プラスチックス」の3つの事業を展開している。際立つ技術と品質を強みに幅広い事業を手がけ、世界のひとびとのくらしと地球環境の向上に貢献。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れをする中でよかったことや、周囲の変化などありますか?

【A】
今の人事グループは個人で業務を担当していることが多く、他の社員と関わって進める業務はあまりありません。ですが、今はAさんがいて、一緒に仕事を進めることがあります。
そして、Aさんに業務を依頼するときは、今Aさんが何の仕事をどれくらい任されているのか考える。全員が自分のペースで「Aさん、これもやって」と仕事を頼んだらAさんが困ってしまいますからね(笑)。
結果的に、社員が他の人の仕事を意識するきっかけになりました。

Aさんが来る前は「どんな方が来るのだろう」と不安を感じる社員もいたと思います。
ですが、Aさんが前向きで真面目な方で、社内にも違和感なく溶け込んだ。
実習後も、部内から「後回しにしていた仕事が片付いて助かった」「発達障害に対する考えが変わり、理解が深められた」という声がありました。
Aさんを受入れてから、多様性を認められる、風通しがよい職場になったと感じますね。

働きやすさと安心感が戦力化の鍵

株式会社チャーム・ケア・コーポレーション
 
【企業・団体名】株式会社チャーム・ケア・コーポレーション
【事業概要】
「チャーム・ケア・コーポレーションは、高齢者生活サービスを中心として、お客様お一人おひとりの価値観を大切にし、お客様にあった魅力的な生活を提案します。」という理念のもと、各都府県で有料老人ホームを展開。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
Aさんの採用までの流れを教えてください。

【A】
Aさんは、会社の見学に1回来てもらったあと、実習に1週間取り組んでもらいました。
その後、面接を経て2017年12月に採用となりました。
採用の決め手は、思った以上にPCスキルが高かったこと。
それと、最後までやり遂げようとする真面目さですね。
タスクが早く終わりそうな場合、最後にペースを落とし、帳尻合わせをする人も時々見かけますが、Aさんは違いました。
ひとつひとつ真面目に取り組み、自分のできるところまでやってしまおうとする。
この仕事に対する真摯さは選考する上で大きなポイントでしたね。

障害のある方もいて当然 世の中の縮図に近いほど自然な会社

株式会社エムツープレスト
 
【企業・団体名】株式会社エムツープレスト
【事業概要】
トムソン型(木型)による打ち抜き加工・裁断加工を得意とする部品製造会社。「私たちは、打ち抜くモノづくりにより社会に貢献し、人を尊重する信頼される企業を創り上げます」を経営理念とする。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れをする中でよかったことや、周囲の変化などありますか?

【A】
「戦力になっている」ということが大前提にあります。
当社も競争相手を持つ民間企業。戦力にならなければ、雇用を続けていくことはできません。
現場の視点から言うと、真剣に仕事に向き合う心構えや、素直さは彼らから学ぶべきポイントだと感じます。
大きな声であいさつするので現場も明るくなる。
時間もきっちり守り、ときには「自分は作業が遅いから、早めに準備する」と指定した1時間前に到着することもある。
仕事も「面白い、楽しい」と声に出して言ってくれて、一緒に働く者として単純に嬉しいですよね。

技術より可能性 興味が拓くSEへの道

インフォニック株式会社
 
【企業・団体名】インフォニック株式会社
【事業概要】
「みたす」「あゆむ」「つなぐ」を経営理念に、受託システム開発、インフラ基盤構築・運用などを手掛ける。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
<企業担当からのメッセージ>
就職活動に取り組む皆さんへ

就労移行支援事業所など支援機関に足を運んでいる方は、その時点でもう、就職への第一歩を踏み出せていると思います。
そこからいろんな可能性を広げていってほしいので、ぜひさまざまな会社を見て回ってください。
障害のあるなしに関わらず、私は就職活動中の学生に「就職活動は恋人選びみたいなものだ」と言っています。
たとえ採用されなくても、それはただ自分と会社の相性が悪かったから。
何度もチャレンジして、自分にぴったりくる運命の会社を見つけてほしいなと思います。

その熱意が未来へ繋がる

株式会社IES
 
【企業・団体名】株式会社IES
【事業概要】
「結果で応える 心で応える」を経営理念に、省エネ事業・FA事業(FA:ファクトリーオートメーション。工場の生産工程を機械・ネットワーク等を用いて自動化すること)・設備メンテナンス業務等を手掛ける。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れをする中でよかったことや、周囲の変化・本人の成長などありますか?

【A】
直属の上司は、指示が伝わりにくい等で苦戦しているようですが、同時に成長もしています。
というのも、的確に指示を伝達するためには、相手より自分を変えるほうが合理的です。
1言ったら10わかる人もいるかもしれませんが、臨機応変な対応が苦手な人には順序立てて説明しないと伝わらない。
でも、本来はどんな人にも丁寧に説明するべきなんです。指示が明確で詳細だと人も動きやすくなる。
発達障害のある方と共に働くことで、人を活かすスキルが上がったり、周囲に気を配れるようになったりしていくと思います。

絶対に欠かせない、大事な戦力

株式会社ベルエポック
 
【企業・団体名】株式会社ベルエポック
【事業概要】
1992年設立。大阪北摂地域を中心にマクドナルド23店舗のフランチャイズ事業を行う。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れの際に工夫・配慮・大切にしていることはなんですか?

【A】
障害のあるクルーに対して特別に行ったこととしては交流の機会をつくりました。店舗が違うとクルー同士が交流する機会がありません。
そこで2010年、2011年に障害のあるクルー、ご家族、店長が一堂に会するセミナーを開催しました。
他店舗で「こういうことを頑張っているクルーがいる」と情報発信したんです。
参加した方々の刺激になり、明らかにモチベーションが高くなって、自分の仕事や役割に対する責任感が強くなりましたね。
また、できる限り、支援機関・ご家族と連携してご本人の現状を共有しながら、育成することを心がけています。大事な戦力ですからね。
何か様子が違うことがあれば「最近ご家庭ではどうですか」とご家族にお電話しますし、ご家族からも「落ち込んでいるようです」とお電話いただくこともあります。
状況を把握できていれば、そのタイミングでご本人に必要な対応が見つけやすくなります。

“人”を大事に、社会で輝く人材へ

株式会社ベル
 
【企業・団体名】株式会社ベル
【事業概要】
「愛と感動のビルメンテナンス」をコーポレートスローガンに掲げ、清掃管理・受付管理・商品レンタルなどの総合ビルメンテナンスと、鳩被害対策工事などの鳥害対策事業を大阪・東京で展開する。「ありがとう!」「そこまでするか!」「さすがプロ!」と感動していただける仕事をすることがモットー。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れをして難しいと感じたことはなんですか?

【A】
社員にもクリーンキーパーのみなさんにも、ミスなどで生じた細かい変化は報告してもらうように頼んでいます。
「言ったら怒られる」ということでは誰も報告しないと思うので、報告したことを褒めるように心がけています。
そういった雰囲気を作れば、Aさんたちにも伝わるかなと思っていたのですが、まだ隠そうとするんですよね。
不自然なところにぽんと紙が置いてあって、「水こぼしたの隠したやろ」みたいな(笑)。
隠していると自覚していないのかなと思います。
なんと言えば伝わるのだろうか、と考えさせてくれます。それもまた勉強ですね。

ひとりひとりが、その人の人生の主人公

特定非営利活動法人HEROES
 
【企業・団体名】特定非営利活動法人HEROES
【事業概要】
「ひとりひとりが、その人の人生の主人公」をコンセプトに京都で知的障害、自閉症、発達障害のある方を対象にしたデイセンターHEROES(生活介護)を運営。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れをして難しいと感じたことはなんですか?

【A】
Cさんや実習生との関わりというよりは、受入れに向けて業務を切り出すことが難しかったです。
小さな事業所ですので、何でも自分たちでこなすのが基本になっています。
もちろん実習生にお願いできれば助かるという業務はありましたが、どの部分を担ってもらったらいいのか。
普段接している利用者さんの場合、これが得意・苦手と想像しながら仕事をつくることができますが、まだ見ぬ方の仕事を切り出すのは思いのほか苦労しました。
なので、エンカレッジの方に来てもらって半年かけて指導を受けながら切り出していきました。
切り出してみると案外いっぱい仕事があったんです。
現在Cさんにも、そのときに切り出した仕事をそのまま担ってもらっています。

業務切り出しの難しさは、障害者福祉業界で障害者雇用が進まない要因の一つなんじゃないかと感じました。
でもその反面、慢性的に時間外労働が発生しているんです。うまくワークシェアリングできればいいなと思います。

いてくれるだけで社内が明るくなる

西尾レントオール株式会社
 
【企業・団体名】西尾レントオール株式会社
【事業概要】
1965年に道路機械のレンタルを開始。現在では「総合レンタル業のパイオニアとして経済社会に貢献する」を事業方針とし、建設機械、イベント用品等のレンタルや商品の開発を手掛ける。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
発達障害のある方の採用に至るまでの道のり

【A】
障害者雇用には20年以上前から取り組んできました。
全国の営業所では約30名がレンタル機材の清掃を、ここ本社ビルでは2名が事務の仕事をしています。その2名の内1名が発達障害のあるBさんです。
当社で発達障害のある方を採用したのはBさんが初めてです。
Bさんとの出会いは当社役員の紹介がきっかけでした。
Bさんは就労移行支援事業所エンカレッジを利用しており、まずはそちらの支援員と打合せをし、その後本人も交えて話す機会を設けました。
エンカレッジから「実習をして、お互いに合うかどうか見極める機会がほしい」という話があり、実習を2週間行いました。
実は今まで当社の採用活動は面接中心だったので、実習の受入れもBさんが初めてだったんです。
Bさんにとっても初めての働く機会でしたが、挨拶やマナーなど毎日テーマをもって臨んでくれて、無事2016年2月に採用となりました。
事務での採用事例もほとんどなく不安もあったので、このようなプロセスがなければ書類選考時点で不採用だったかもしれません。

大切なのは「やりたい」を探し続けること

ブルーフォグ・ソリューション株式会社
 
【企業・団体名】ブルーフォグ・ソリューション株式会社
【事業概要】
「全てに戦略を」をコンセプトに、ビジネスコンサルティングや戦略構築をベースとした「ソリューション事業」、IT技術を一般や企業の方にも気軽に学習できる「IT教育事業」を展開。2014年度には、関西初の取り組みとなる発達障害のある方向けのIT訓練(知識・技能習得訓練)を京都府立京都高等技術専門校、株式会社エンカレッジと協働で実施。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
インターン受入れに取り組むきっかけや目的はなんですか?

【A】
インターン受入れを始めたのは「社内に新しい風を入れたい」という想いからです。
最初は、発達障害のない大学生を2名受入れ、2014年より発達障害のある方を受入れ始めました。
新しい人が入れば、その人を気遣おうとしたり、一緒に昼食を取ろうとしたり、社員にもいつもと違う動きが現れます。
和やかな空気も、緊張感も生まれる。それは、その人がくれた特別な空間だと思うんです。
「発達障害」という漢字四文字は一見難解で、最初は「どんな人が来るのだろうか」という不安もありました。
しかし、就労移行支援事業所エンカレッジ京都で単発のIT講座を開いた際、発達障害のある方々は物事に熱意を持って取り組む誠実な方たちとわかりました。
たとえ一見難解な言葉でも先入観に引きずられず、まずその本質を確かめるべきだという考えを持ちました。
難しい漢字にだまされないようにしないといけませんね。

「成長したい」その意欲が背中を押す

日本新薬株式会社
 
【企業・団体名】日本新薬株式会社
【事業概要】
経営理念である「人々の健康と豊かな生活創りに貢献する」ことを信条とし、医薬品、機能食品事業の持続的な発展に取り組み、「ヘルスケア分野で存在意義のある会社」を目指す。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
採用された方の仕事内容はなんですか?
【A】
現在、29名の障害者を雇用しており、内訳は精神障害2名、知的障害10名、身体障害17名となっています。
精神障害のある方の内1名を、就労移行支援事業所エンカレッジから実習を経て採用しました。
知的障害のある方の多くは支援学校で植物の栽培やパソコンスキルを身に付けた方々で、植物園での植物の栽培・管理作業や本社内の各部署で事務作業などを行っています。
特に事務職の場合は、入社後、即現場に配属されるのではなく、まずは人事部に所属しビジネスマナーや仕事への姿勢など勉強しながら、適職を見極めます。
その後、社内インターンシップのように、人事部に籍を置きながらいろんな部署で仕事をします。

誰もが地域で働き、あたりまえに暮らす社会へ

株式会社クリエ
 
【企業・団体名】株式会社クリエ
【事業概要】
2007年創業。大阪府北摂地域に根ざした清掃会社として、【人と建物をきれいに】の理念のもと、ビルメンテナンス、ハウスクリーニング等の事業を展開。
また、本業である清掃業務を通じて、性別・年齢・立場・障害の有無にとらわれず「ともにはたらく」をキーワードに、地域企業による障害者雇用を進める【クリエモデル】の展開を図る。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入の際に工夫・配慮・大切にしていることはなんですか?

【A】
人によりますが、集中しすぎてしまうという方へは、適度な休憩がとれるようにこちらから声をかけています。
その他は特に普段と変わらないですね。
発達障害があるからといって、特別難しいということもありません。
教えること、人に何か伝えることは、誰が対象であっても難しいことです。
それでも、あえて言うなら「丁寧に伝える」ことは意識しています。
また、実習受入れとは別ですが、取引先の事業所で障害のある方の仕事をサポートしたことがあります。
その際はスムーズに仕事ができるように清掃作業の手順書を準備しました。

頑張る人の夢を応援したい

株式会社I.S.コンサルティング
 
【企業・団体名】株式会社I.S.コンサルティング
【事業概要】
「心に響くサービスの追求による『感動創出』と『就労困難者の雇用創出』で地域を活性化し、日本を世界を元気にしていく」をミッションとする株式会社I.S.コンサルティング。運転免許取得希望者に、合宿免許・通学免許の紹介や資格取得を支援するライセンス事業。海外留学希望者にプロの留学カウンセラーが留学プラン作成や留学中の現地サポートを行う留学支援事業。また、2015年4月より奈良県でPCでの高卒資格取得をサポートするフリースクール「アイエス学園」を運営している。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れをしている中で、難しかったことはありますか?

【A】
実習生や社員の中には、全然悩まずに楽しく働いている方もいれば、「みんなの中で自分は浮いているのではないか」「この仕事は会社の役に立っているのか」と悩んでいる方もいます。
定期的に面談をしていますが、そのとき初めて「私はみんなの足を引っ張っているので、やめようかと考えています」と深刻そうに言われて驚くこともありました。
「そんなことないよ」と僕らがちゃんと伝えれば、解決に向かう悩みをずっと抱え続けていたのかと。
心配をかけないかと不安で言い出せなかったり、「そんなこと言わないで頑張りなさい」と無下に返されるのではと、不安が先行して相談ができなかったり、悩みを抱え込んでしまう方もいます。
常にコミュニケーションをしっかりとる必要があると実感しました。

「食づくりは人づくり」その理念の舞台裏

株式会社ミレニアムダイニング
 
【企業・団体名】株式会社ミレニアムダイニング
【事業概要】
平成12年創業。兵庫と大阪に「ファミリーレストラン」「お弁当屋さん」「和食レストラン」の3業態で8店舗、FC加盟店8店舗を出店(2013年1月現在)。「食づくりは人づくり」を経営理念する。平成25年からは、農業にも本格的に力をいれ、店舗展開の横展開だけでなく、食材の流れの川上(生産地、生産者)に近づき、縦と横の面となるビジネス展開を目指す。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
インターン受入れをする中でよかったことや、周囲の変化などありますか?

【A】
伝え方の工夫を私達の方が教わりました。
彼らと接するとき、言葉遣いや話し方に気を付けます。
注意をするときも、「なぜだめなのか」の説明を柔らかく伝えています。
飲食店はアルバイトの入れ替わりが激しい。
同じことを伝えたつもりでも、人によって捉え方が違うことがあります。
誰が聞いても同じ捉え方になるように伝える工夫は勉強になりましたね。

はじめの一歩から広がる可能性

株式会社ホットランド大阪
 
【企業・団体名】株式会社ホットランド大阪
【事業概要】
「日本一うまい食を通じて、ほっとした安らぎと笑顔いっぱいのだんらんを提供できることを最上の喜びとする」を企業理念とし、日本の食文化に特化した様々な事業を実施。たこ焼チェーン「築地銀だこ」(国内外で400店舗以上)、たい焼きチェーン「薄皮たい焼 銀のあん」など展開。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
支援機関のサポートについて

【A】
初めての取り組みのため、サポートしてくれる方がいるということが安心につながりました。
ご本人の特性や課題について相談できる、できないでは大きく違います。
また、ご本人から苦手なことを伝えてくれるんです。
就労移行支援事業所でトレーニングしてきたから、自身の苦手なこともわかって伝えてくれるのだと思います。 本人と会社の間に入って、橋渡しをしてくださるのもありがたいです。
「もっとこうしてほしい」と本人から直接会社に伝えるのが難しいこともありますよね。
何かあったときに、自分たちだけではなく相談できる人がいるのは、本人・会社どちらにとってもいいですね。

働きやすさは「よく知ること」から

NPO法人SKIPひらかた
 
【企業・団体名】NPO法人SKIPひらかた
【事業概要】
「発達障がいを抱えた子どもたちがスキップしたくなるような毎日を過ごせるように」自閉症・発達障害の診断受けている3歳~18歳の方を対象にした児童ディサービス「スキップ」を運営。発達障害の専門家と保護者の立場から、地域や社会の中で必要な支援を考え、子どもたちやその家族をサポートしている。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
インターン・実習の受入れをする中でよかったことや、周囲の変化などありますか?

【A】
インターン・実習の受け入れは、受入れる側の私たちにとっても、学びの機会です。
普段は、ディサービスに来られる子どもさんと当たり前に接しています。
でも、インターン生とは一緒に仕事をするので、接し方や、要求度が自然と変わります。
その中でも、きちんとコミュニケーションをとれるかどうか、私たちに問われてきます。
ディサービスに来られる子どもさんに対してだけでなく、一緒に働く人に対しても、お互いに必要なサポートをしあう。そんなことを考える機会になります。
また、インターン生に限らず、私たち支援員に必要なのは、どんな方が来られても、うまくコミュニケーションがとれることです。
「こんな人には、どう接すればいいんだろう」と変に構えず、その方にとって心地よいコミュニケーションを探っていけばいい。
インターン生を受入れることが、その心地よいコミュニケーションを考えるトレーニングになっています。
障害のあるなしに関わらず、一人として同じ人はいない。インターン生はそんな原点を教えてくれるんです。

5年後も、10年後も一緒に成長できる関係を

株式会社グリーティングワークス
 
【企業・団体名】株式会社グリーティングワークス
【事業概要】
「100%message」をコンセプトに、インターネットを通じて人と人をつなげるサービスを展開。インターネットで簡単に挨拶状・はがきが作成できる「挨拶状ドットコム」の運営。写真にスマートフォンをかざすと動画が楽しめる「ピモリー事業」(http://www.pimory.com/)が主な事業。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
実習・インターン生・雇用されている方の仕事内容はなんですか?

【A】
名刺や社内のアンケート、手書きの住所録などのデータ化が基本業務です。
他にも、先日は商品画像をサイトにアップする作業をお願いしました。
アルバイトのAさんはパソコン操作に長けているので、テキパキこなしていました。
私がするよりずっと早く、すごく助かっています。
インターン生を受入れた際は、検品、梱包、年賀状用の箱作りにも取り組んでいただきました。
発達障害のある方は手順や作業内容が明確な業務で力を発揮できるケースが多いので、基本的に複雑な判断が必要でない作業をお願いしています。

「足りなさ」「難しさ」が成長の鍵。

株式会社Dreams
 
【企業・団体名】株式会社Dreams
【事業概要】
「ポップコーンを通して、たくさんの人にHAPPYをお届けしたい!」そんな想いで、ポップコーン専門店「ポップコーンパパ」を3店舗(大阪)とオンラインショップで展開。日本人好みに味付けした32種類のポップコーンを一つ一つ丁寧に手作り。子どもがポップコーン屋さんになれるイベントなども実施し、笑顔溢れる美味しさと、ワクワクする楽しさを届けている。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れをしている中で、難しかったことや不安だったことはありますか?

【A】
「どのように受入れ、一緒に働いていけばよいのか?」初めて受入れる際は、私も含めた当社のスタッフ一同に漠然とした不安がありました。
まだ正規で障害者雇用はしていませんが、この不安はこの先もずっと残っていくのだと思います。
でもそれは、障害のある方を受入れるからという理由ではありません。
どのスタッフも一緒です。どんな方が入ってきても、不安はつきものです。完璧な人なんていません。みんな何か足りないんです。
でも、僕はその「足りなさ」があるからいいと思っています。
「足りなさ」があるがゆえに経験してきたことがある。
だからこそ、人の気持ちになって考え、優しい気持ちにもなれると思います。
いろんな人がいた方がいい。違うからこそ価値があるんです。

どなたでもウェルカム。「できる」を増やして、自信につなげる。

学校法人山口学園 ECC社会貢献・国際交流センター
 
【企業・団体名】学校法人山口学園 ECC社会貢献・国際交流センター
【事業概要】
ECC国際外語専門学校・ECCコンピュータ専門学校・ECCアーティスト専門学校3校の学生一人ひとりの心身の健康と自己実現を応援するため、2001年4月に設立(設立当時は「ECC国際外語専門学校ボランティアセンター」)。学生のボランティア活動など、社会の課題解決に繋がる行動を促進する教育環境づくりに取り組んでいる。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入をしてよかったこと、周囲での変化はありましたか?

【A】
発達障害の特性や一緒に仕事をする上で必要な配慮など、私も含めたスタッフの認識が深まりました。
そしてその必要な配慮は、誰もが働きやすい環境づくりにも役立ちます。
今では、学生と一緒にボランティア活動をする際にも、手順を視覚的に伝えるなど応用しています。
また、他の部署のスタッフから「発達障害について知りたい」と声がかかるようになりました。
インターン生を受入れることで、関心のある人とつながることができました。今後一緒に何かできればと思っています。
実は先日、最初のインターン生と再会したんです。当時より、柔らかい表情でよく話されるようになっていて、ビックリしました。
僕らが関われるのはインターンの5日間だけですが、また再会したときに、変化が見られるのはおもしろいですね。
インターン生の成長が、単純にうれしいです。

強みと仕事をマッチング。互いの得意を活かして成長する。

株式会ジオリゾーム
 
【企業・団体名】株式会ジオリゾーム
【事業概要】
『大地と街と、そこに暮らす人々がいきいきできる環境を創る』環境活性化事業を中心に1993年設立。空が大きく見える美しい街並み、子どもたちが触れても安心安全な土や水。そんな環境を創ることをミッションに、電線類地中化を通じた安全・安心で美しい街づくり、土壌汚染調査・浄化対策・コンサルティングを通じた安心できる土壌環境づくり、水質分析を通じた安全な水環境づくりなど実施。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れへの不安とはどのようなものでしたか?

【A】
事前に、発達障害の特性や配慮について説明を受けましたが、実際どういう障害で、どういう人なのか分からないということが不安でした。
たとえば、できるだけ肯定的に伝えた方がいいと教えていただきましたが、「もし否定的なことを言ったら、どうなるんだろう?」「急に泣き出したり、怒ったりしたらどうしよう?」と私も社員も思っていました。
でも実際に受入れてみると、泣き出すことも、怒り出すこともなく。不安はどこかへ消えました。
知らないということが不安を生んでいただけなんだと気づきました。

一人一人の「やってみたい」をナチュラルにサポート

NPO法人JAE
 
【企業・団体名】NPO法人JAE
【事業概要】
100年後も青少年が希望と誇りを持てる日本を創るため「志とアントレプレナーシップ(起業家精神)を持った若者」の輩出を理念として、大学生向け長期実践型インターンシップ「アントレターン」事業、若手社員が小学・中学・高校で出張授業を行う「ドリカムスクール」事業等実施
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
実習・インターン生の仕事内容はなんですか?

【A】
データ入力、アンケート入力に取り組んでいただいています。
発達障害のある方は、定型業務で強みが活かせるケースが多いから、というのが理由です。
スムーズに仕事をしていただくため、まずマニュアルをつくりました。
手順を明確にすることで、仕事に安心して取り組めると事前に聞いていたのが役立ちました。
具体的には「ホッチキスをとって、分類して、スキャンをして、スキャンに名前入力して、ファイリングして…」といった内容です。
ミスもありましたが、作業自体はスムーズに行えました。

バリア(障害)をバリュー(価値)に変えるという理念

株式会社ミライロ
 
【企業・団体名】株式会社ミライロ
【事業概要】
障害を価値と捉える「バリアバリュー」の視点から、誰もが安心して快適に過ごすことができるユニバーサルデザインのモノやサービスを企画・提案。ハード、ソフト、情報発信のあり方など、多用な観点から企業、教育機関、行政における課題の解決やサポートを多数実施。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
受入れの際に、工夫・配慮・大切にしていることはなんですか?

【A】
ひとつは時間です。他の社員と完全に同じように働くことは強制しないようにしています。
たとえば、午前は通院のため定期的に休み、午後から働くといったこともできます。
また、チャットツールを用いることで在宅での仕事を可能にしています。
講演や研修など、現地に行かないといけない仕事以外はほとんど家でできるようになっています。

求めるのは、マニアックな職人気質

有限会社オフィスミックス
 
【企業・団体名】有限会社オフィスミックス
【HP】http://www.officemiks.com/
【事業概要】
WEBベースのシステム開発を主な事業として2000年設立。その後、ケータイ関連のシステムを手がけ、現在ではスマートフォンアプリも作成。東京支社では各分野のアーティストやクリエイターを中心として構成され、多種多様なデザインニーズにも対応。徹底した合理化とグローバルな体制でシステムの開発を行っている。
- 企業・団体インタビューより抜粋 -
【Q】
職場実習の受入れをする中でよかったことや、周囲の変化などありますか?

【A】
発達障害のある方は、問題の本質を捉えるのが苦手なところがあるので、あいまいに指示していては、伝わらないこともあると気付きましたね。
誰にでもきちんと伝達できるように、丁寧に話すようになりました。と言っても、言葉尻が丁寧になっただけですが。(笑)

企業向け障害者雇用支援サービス

エンカレッジでは障害種別に関わらず、企業の個別課題に応じて、障害者雇用に関する必要な各種サポートを行っております。
お気軽に、お問い合わせ・ご相談下さい。