14校200名の障害学生/グレーゾーン学生が参加したオンライン仕事体験の効果とは?

6-9月まで実施して来た「オンラインしごと体験」。
オンラインしごと体験
 
京都大学、静岡大学、神戸大学、富山大学、滋賀県立大学、筑波技術大学、佛教大学、明治大学、立命館大学、筑波大学、若者サポートステーションさいたま、中央大学、神奈川大学、徳島大学の14校の学内で実施し、約200名の障害のある学生や、就活に不安がある学生さんに参加頂きました。そして下半期もさらに実施予定があります。
(それ以外の一般学生向けのものを合わせると20校以上(学生参加1,000名以上)でご利用を頂いています。)
これらの実践を踏まえて、9月28日に教職員向けのセミナーを実施したのですが、50名以上の大学教職員の皆様にご参加を頂き、大変好評を頂きました。 その際に、
💬 本当は参加したかったんだけど参加できなかった。
💬 大学の教職員ではないのだけど興味がある。
というお声を頂きましたので、大学関係者以外にも対象者を拡げ、再度セミナーを実施することにしました。もし興味がございましたら、ご参加下さい。

オンラインしごと体験への興味関心の私見

さて、そもそもですが、なぜ短期間にこれだけの大学さんが興味を示し、ご利用を頂いたのか考えてみました。
まず、障害学生や就活に不安さを抱える学生のキャリア支援においては、早期に社会経験を積み、強み・弱みの把握や興味関心を持つことが重要ということは学生支援にかかわる多くの方にとって共通認識だと思います。
しかし実際には、
📍 学業が忙しくて、就活やキャリアのことを考えられない
📍 不安が強くインターンやアルバイトなどに応募できない
📍 自分の興味関心が分からず、志望動機が書けない
📍 インターンの選考に落選してしまう
📍 コロナ禍の影響により、体験の機会自体が減少
という学生が多く、なかなか第一歩を踏み出すのが難しい現状があります。
そういった学生にとっては、社会とのハードルが高くなってしまい、就職活動や社会移行が難しくなっています。
この課題を解決するコンテンツとしてオンラインしごと体験を活用頂いたのだと考えています。
多くの大学様が取り組んで頂いた一方で、ご提案したけれど前に進まなかった大学さんの場合、『対象者の選定と告知方法に難しさがある』と感じたケースが複数あった印象を持ちました。
障害学生向けなのか、就活が不安な学生も含めるのか、一般の学生まで広げるのか、といったところで悩んでいたり、告知しても参加学生が集まらなかったらどうしようというご不安もあったのかな、と思います。
実際のケースでは、就活に不安がある学生を念頭に告知したところ、想定以上(100名以上)に集まった大学もいくつかありましたし、反対にあまり拡げず、個別に学生にお声がけを行って数名から実施した大学まで、色んな形に対応できるのかなと思います。
オンラインしごと体験による学生の課題解決
 

オンラインしごと体験のコンテンツ

オンラインしごと体験は「しごとインタビュー」と「しごとサンプル」で成り立っており、特徴としては以下の通りです。
🟧 しごとインタビュー
✅ 世の中にどんな仕事があるか、動画を通して知ることができる
📍 企業で勤務する従業員が具体的な仕事内容や1日の流れを説明
📍 文字だけでは伝わらない職場の雰囲気や仕事の中身を知る
📍 業種や職種だけではなく、興味関心から検索することが出来る
🟧 しごとサンプル
✅ 会社でおこなわれる実際の仕事を、30分から模擬的に体験することができる
📍 10種類以上の仕事を自身の興味関心に応じて手軽に疑似体験できる
📍 自分の実力を試したり、適した仕事を知る機会になる
大学での活用メリットとしては、
1)学生個々のステップやニーズに合わせて、オンデマンド型で体験内容を選択できる
2)時間がなくても、手軽に参加できる
3)対象者を限定しない(手帳や診断の有無、居住地域)
4)企業での選考がないので、準備の必要がない
5)関係者との調整が不要なので、支援者の手間がかからず、多くの対象者に機会を提供できる
というもので、学生や大学にとっても負担なく、気軽に取り組んで頂けたのではないかと思います。
しごとインタビュー
 
しごとサンプル
 
しごとサンプルの例
 
学生への効果としては、
・仕事への興味関心の高まり
・仕事内容や進め方の理解
・得意や苦手の理解
・就活や仕事をすることへの前向きさ
などの面で効果があったと思われます。
(学生アンケート)しごと体験参加前後の学生の変化
 
学生さんのアンケートからいくつか抜粋してみると・・・、一歩を踏み出せない学生さんにとっての効果を実感することが出来たように思います。
【学生アンケート(一部抜粋)】
💬 コミュニケーションに不安があったので、今回のような評価されない形での仕事体験は非常にありがたかったです。インターンに応募することがなかなかできずにいましたが、少し勇気をいただけました。
またこのようなプログラムを開催していただけましたら嬉しいです。
💬 夏にインターンに参加したかったのですが、選考で落ちてしまいこれからの就活において自信がなかったです。
この時間を通して仕事に触れることが出来て満足です。秋冬インターンがこの時期からあるためあまり気負わずに、自分がその企業にあっているか・仕事が楽しいと思えるかなどのポイントから準備をしていきたいです。
💬 より具体的な業務の比重が多くなると得意苦手がより鮮明になるためありがたいです。具体的には書類作成、電話対応などです。
💬 自分の性格に合った仕事はとても楽しく達成感もあり、行っている時は時間さえも忘れてしまっていました。それほど自分は誰かの悩みを解決する仕事が向いているのだと気づきました。
コミュニケーションが苦手だからと他者と話す業種をできる限り避けてきましたが、案外自分は誰かの気持ちに寄り添い、助けたいという気持ちが大きかったことが分かりました。
しかし相手の気持ちを考えすぎてしまうのも自分にとっては負荷が重いというのも気づくことが出来ました。
一方で、実施してみての課題としては、
・オンラインなので学生の作業の様子を実際に見ることが出来ず、作業面のフィードバックが出来なかった点
・学生の就活に向けた準備度合いが分からない状態なので、必要な課題が分からないまま、フィードバックを行った点
・イベント単体での取り組みになってしまい、学生のステップに応じて企画を用意できなかった点
などがあげられますが、各大学さんと今後に向けて話し合う中で、より学生の成長と気づきに貢献できるような形も検討しています。

まとめ

障害学生や就活に不安がある学生にとっては、従来の『インターン』では、企業が切り出す業務も限定的なものになっていたり、会社説明会的になっていることも多いのですが、『オンラインしごと体験』であれば30分単位で10種類以上の体験ができますから、自分の適性業務に出会う可能性が高くなります。
今後は、企業の人事担当者にとってもメリットを作っていきたいと思っています。学生の受入のための準備(選考、受入部署との調整、仕事の切り出し、本人へのフィードバックなど)に費やす時間や労力が大きく軽減されますので、参加ハードルがかなり低くなります。
また、こうした課題は障害学生領域だけではなく、就労移行支援のでも同じようなことが発生していますので、就労移行支援での職場体験の課題解決にもつなげていきたいと考えています。
ご興味を頂いた方は大学、支援機関にかかわらず、企業や個人など、どなたでもご参加いただけますので、ぜひこちらのイベントにご参加下さい!
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