オンライン化が加速するコロナ時代のインターンシップや職場体験のあり方とは?

社長ブログ
 
5月末に緊急事態宣言が解除されてから早一ヶ月。街中には人も増え、少しずつ日常を取り戻しているように思えます。
新型コロナウイルスの感染者数は再度増加に転じており、まだまだ油断できない状況ではありますが、障害者雇用の現場においても、企業の採用活動が復活してきていることに少し安堵しています。
当社では、5月末に、新型コロナウイルスが障害者雇用に与える影響について企業アンケートを取り、41社の企業の皆様にご回答頂きました。
ご協力を頂いた企業の皆様、お忙しい中誠にありがとうございました(アンケート結果は、別途取りまとめる予定です)。
そのアンケートの中で、
79%の企業から「採用計画の変更はない」
との回答を得ています。以下、
「採用人数を見直す可能性がある」が16%
「採用人数を減らす・中止する」が3%
となっています。
個人的には、もう少しネガティブな影響が大きいかなと予想していたので、その点についてはホッとしました。

職業体験やインターンシップの機会減による影響

一方で、障害のある方に関わる大学や就労支援の方から、障害のある方や学生の職業体験、インターンシップの場が減ってしまうことへの懸念を耳にする機会が増えました。実際に、私たちが普段関わりのある企業でも、様々な理由で今年度のインターンシップの受入は見送るというところも出てきています。
前回のブログ、「コロナ時代において採用の評価はどう変わる?」でも、採用のオンライン化による障害者雇用への影響について考えましたが、採用時の評価手法の一つである「ワークサンプル(インターンシップ、職場実習など)」については、現場での体験ができなくなることにより、障害のある方・企業双方にとってマイナスになるのではないか、と考えています(特に、知的・精神・発達障害者の採用を中心に多用されている手法です)。
とはいえ、一言で職業体験やインターンシップと言っても様々な種類があります。 大きく分けると、
▶ (1)企業の採用を目的にしたもの
▶ (2)キャリア形成や教育目的のもの
の2つに分類されると思います。
前者に関しては、採用に直結するだけに企業側も明確な目的を持って実施できますが、後者に関しては、社会貢献的な活動として捉えられることが多いため、不要不急の取組として位置づけられやすいのかな、と見ています。または、取り組みたいと思っても人事部門のスタッフが在宅勤務しているなどの理由により、物理的に受入が難しい、といったこともありそうです。これは、今の社会状況から考えると仕方のないことではないかと思います。
一方で、そのような中でも積極的に受入を検討頂いている企業も多くあり、そういった企業の皆様には、感謝!、感謝!しかありません。

コロナ時代の職業体験やインターンシップをどう構築するか

しかし、私たちとしては、企業の皆さんのご厚意に依存するだけでなく、企業にとっても、学生や求職者(障害の有無に関わらず)にとってもメリットのある職業体験やインターンシップをどう構築していくかを考えることも、大きな役割の一つだと考えています。
企業、学生・求職者双方のメリットを考える上で、まずは採用を考える企業目線で学生や求職者を見てみると、
▶ (1)採用直結層
▶ (2)採用予備軍
▶ (3)直接的な採用にはつながらない層
の3つに大きく分けられるのではないかと思います。
コロナ禍においては、より直接的なメリットを得られる可能性が高い「採用直結層」には継続して人やコストをかけられる一方、その可能性が低くなる「採用予備軍」に対しては施策を打ちにくくなり、さらに「直接的な採用にはつながらない層」に至っては、より不要不急の位置づけとなってしまい、機会が減少する可能性が高いのではないかでしょうか。
一方で、学生や求職者、そして彼らを支援する支援機関や大学などから見れば、直接的な採用につながらない、キャリア形成や教育目的の職場体験やインターンシップこそ、大事な価値として捉えていることも多く、そこにはニーズのギャップが生まれると考えています。
ニーズのギャップ
 
しかし、ギャップが生まれることは何も悪いことではありません。
むしろ、このニーズのギャップにこそ、新しい価値が生まれる可能性があります。
例えば、仮にこの領域をデジタルコンテンツ化し、学生や求職者に提供できれば、企業にとっては、手間をかけずに「採用母集団の形成」「教育的CSR」が実現され、学生や求職者にとっては、「数多くの職業体験を手軽に経験」できる可能性が出てきます。
では、具体的にはどうするのか、ということで、手間をかけずに経験できそうな例を記載してみます。
例1)
多種多様な職業の人が、仕事を選んだきっかけ・経緯、仕事紹介、失敗談・苦労したこと、工夫して成果を上げた取り組み、仕事をするうえで必要な考え方やスキルについて、動画で語る
→会社説明ではなく職業や仕事について語ってもらうことで、世の中にどんな職業や仕事があるかを知れる
例2)
オンライン上での標準化された仕事体験(基礎スキル:PCの正誤やスピードチェック、一般的な職種の疑似体験(企画/マーケ/経理等))を行い、ネット上で回答を得る
→オンライン上で完結できる形式にすることで、手軽に仕事を体験する機会を得られる
デジタルコンテンツ化の可能性
 
以上はあくまで一例ですが、このようなピンチな状況であっても、見方を変えることにより、何らかのチャンスにつながるヒントが見えるかもしれません。
このようなアイデアをもとに、当社では、学生がオンライン上で職場体験やインターンシップに取り組める仕掛けを、この夏よりスタートさせたいと考えています(仮称:オンラインしごと体験ドットコム)。
もちろん一朝一夕に答えを見出すことはできませんので、上記のような取り組みを通じて、試行錯誤を続けることが大切だと考えています。
✅ デジタルで提供できる職業体験とはどんなものか?
✅ 企業、学生・求職者双方にとっての価値とは?
といったことを考え続けながら、具体的な実践につなげていこうと思います。
社長の独り言