みんなでサポート就活イベントレポート

2019年2月19日(火)に、発達・精神障害や、就活に困難さのある学生のための就職活動イベント「みんなでサポート就活」(主催:高等教育アクセシビリティプラットフォーム[事務局:京都大学])を開催しました。

 

みんなでサポート就活とは?

このイベントは、これまで就活に取り組んできたけれど上手くいかなかった人、卒論・修論などを提出してから就活しようと決めていた人など、年度内になるべく内定を取りたい、と願う卒業回生の学生向けに企画したものです。
大学など高等教育機関の支援者や、行政の支援関連機関、地域の就労移行支援事業所などが協力・連携して実施しています。
単にイベントを開催して終わりではなく、参加学生の皆さんが参加を決めてから内定を得られるまでの間、さまざまなサポートを受けながら安心して就職活動を進められるよう企画しています。
一般雇用と障害者雇用の両方に対応しており、2月20日(水)、28日(木)を含めて、計3回実施します。

▼事務系職種(障害者雇用)イベントレポート▼

2月19日は、事務系職種での障害者雇用を行う企業5社(パナソニック、積水ハウス、サラヤ、日米クック、鶴見製作所)と学生21名が参加しました。今回のイベントは、大学の支援者も同行・見学できるようになっており、9大学の支援者の方もお越しになりました。

イベントは、午後1時からスタート。まずは全員でアイスブレイクということで、「こんにちはじゃんけん」から始まりました。1分間でできるだけたくさんの人とじゃんけんをして、負けた方が元気に挨拶をする、というものです。

アイスブレイク
 

学生だけでなく、企業や大学の方も一緒に行いました。最初は戸惑ってなかなか動けなかった学生も、企業の方が上手く盛り上げてくださったおかげで少しずつ動き始め、良い雰囲気でスタートすることができました。

アイスブレイクで会場が少し温まった後は、当イベントの主催である高等教育アクセシビリティプラットフォーム 特定准教授の舩越 高樹先生から、イベントの趣旨や本日の流れについて説明がありました。

イベントの趣旨と流れ
 

その後は、企業の方から会社紹介のプレゼンテーション。
1社3分間という短い時間でしたが、各社さまざまな形で自社の魅力をアピールされました。

会社紹介
 

そして、さっそく今回のメインイベントである企業と学生のブース交流会!
ブース交流会では、学生2〜3名がグループになって、順番に5社の企業ブースを回ります。
1ターム15分×8回で、各ブースに分かれて企業の方と学生が交流しました。

企業の方と学生の交流
 

ブースの様子を見ていると、学生の話にうんうんとうなずきながら真剣に耳を傾ける企業の方の姿や、企業様の話を聞いて熱心にメモを取る学生の姿が印象的でした。特に企業の方は、学生一人ひとりの興味のあることや個性を引き出そうと質問されているように見えました。初めは固い表情だった学生も、タームを重ねるごとに少しずつ表情も明るくなり、途中からは時間が足りなくなるくらい話し込んでいたブースもありました。
その間、学生が話している様子を遠目から少し心配そうな面持ちで見守る大学の方の姿もあり、休憩中には学生と一緒にブース交流会の振り返りをしたり、相談に乗ったりされている方もいらっしゃいました。

たくさんの学生・企業の方が交流し、全8タームのブース交流会が無事に終了しました!
最後は、事務局から今後の流れについて説明があり、学生は選考に進みたい企業を選んで、インターンシップ希望票を記入・提出しました。
長丁場のイベントだったため、最後の方は皆さん少し疲れの色も見えましたが、参加した学生のほぼ全員が選考を希望する企業を見つけることができたようでした。

 

イベント終了後は、企業の方、大学関係者の方と共に振り返り会を実施しました。ここでは、振り返り会でいただいたご意見を一部ご紹介します。

振り返り
 
■企業様の声
「これだけたくさんの学生さんと一度に面談ができる機会はなかなかないので、選択肢が増えるという意味でありがたかった」
「各タームが短い時間だったので、一人ひとりの学生について理解するには時間が足りないと感じた。この人ともっと話したいと思う学生とは、もう少しじっくり話をできる時間があればよかった」
「学生のみが参加する就職イベントはよくあるが、今回のように大学の支援者の方も来られるイベントはあまりない。学生だけでなく、大学関係者の方とのつながりを持てたことがよかった」
 
■大学関係者様の声
「障害のある学生の就職イベントでも、精神・発達障害に限定したイベントは他にはなかなかないため、それ自体が画期的な取り組みであると感じた」
「学生に一人で行ってきなさいと言うのではなく、支援者も付き添うことができるというこの形は、学生にとってもありがたかったのではないか。実際に支援者がいるからこそ参加できたと思われる学生もいた」
「この時期に内定が決まっていない学生をフォローできる機会があるのは非常にありがたい。大学としても、障害者雇用に積極的な企業様に出会う機会になった」

 

企業、大学に共通していたことは、今回はあくまで出会いの場、きっかけの場であり、ここからまた次のステップに進んでいくことが大事、という視点でした。
参加学生の皆さんがこのイベントをきっかけにして、何らかの形で次の進路が決まるよう、フォローしていきたいと思います。