36大学69名が参加!働くチカラPROJECT!実践報告会開催レポート

3月11日(月)に、2018年度働くチカラPROJECT実践報告会を開催しました。
当日は学生やご家族、大学の支援者や企業の方など、61名の方にご来場いただ
きました。

2018年度は、36大学(短大・専門学校含)から就活のススメ31名、
就活のハジメ38名の学生が参加した働くチカラPROJECT。
その報告会の様子をご紹介します。

2018年度働くチカラPROJECT実践報告会
 

定刻通り午後1時半からスタート。
開会の挨拶は、社会福祉法人北摂杉の子会ジョブジョイントおおさか所長星明聡志さん。
2012年より始まった働くチカラPROJECT(前身の発達障害学生を対象にしたインターンシッププログラム含)も7年目を迎え、のべ380名もの多くの学生にご参加いただき、感謝の意を述べました。

第1部:プログラム概要・学生のリアルレポート

ジョブジョイントおおさかの安田麻美さんより、プログラムの概要の紹介のあと、就活のススメ参加学生である3名の学生に、リアルレポートをしていただきました。
就活のススメ第1回目のオリエンテーションから最終回のキャリアプランニング、インターンシップに参加した学びや気づきについて学生たちの言葉で一生懸命話してくださいました。

学生の発表
 
学生からは
大学では卒業後すぐに就職をする人が多く、進路にとても悩みましたが、(1回目に)先輩の話を聞いて、焦らず自分のペースで仕事を探せばいいんだと思うようなった
障害のある人がこんなにいるんだ、自分だけじゃないんだという安心感が持てた
ビジネスマナーではメモを取ることをの必要性を実感した
企業研究は、「自分のやりたい仕事と会社の求める人物像が一致しているのか」が重要だと初めて知った
模擬面接で自分の面接の様子をビデオで撮って見てみると、正直ひどい有様だと知った。今まで気づかなかった貧乏ゆすりや、相手の目をみて話ができていないと気づき、良いきっかけになった
など、リアルな思いを発表してくれました。

第2部:大学と外部就労支援機関との連携事例報告

京都外国語大学障がい学生支援室の梅本直さんにご登壇いただき、今回就活のススメに参加し、その後就職が決まった学生について、大学ではどのような支援や関わり方をしてきたのかを事例報告して頂きました。

連携事例報告
 
京都外国語大学では、個々の学生の成長と社会的な自立を目指し、できるだけ早い段階から卒業後大学を離れることを意識して支援を見立てているとおっしゃっておられました。

外部の支援機関を利用することのメリットは、
支援の選択肢が広がること
1対1の相談の場では見えてこない本人の強み・課題に気づくことができること

また、大学と外部の支援機関とが連携をして本人を支援していくためには、
本人が就職のイメージを持つために、安心してチャレンジ・失敗経験がつめる環境が大切であること
大学・外部機関とが支援方針を共有しながら本人を支えること
(働くチカラPROJECTでは、Boosterキャリアを活用。支援方針の共有には便利であるが、ICTツールだけではなく、直接担当者とやりとりすることが不可欠であることもお話いただきました)
を挙げておられ、うんうん、とうなずきながら聞いておられる方がたくさんおられました。
続いてエンカレッジ山本から、今年度の新しい取組みの紹介としてBoosterキャリアの活用事例やみんなでサポート就活(※)の取組みをご紹介しました。

第3部:リレートーク

「発達障害学生の就職活動-インターンシップから見えてきたもの-」と題し、就活のススメ参加学生、学生のお父様、インターンシップ受入企業である株式会社ベルの大橋美都里さん、遠藤唯さん、支援機関としてエンカレッジ 橋本朱音、進行役としてジョブジョイントおおさかの山田優さんの6名が登壇しました。

リレートーク
 

リレートークのトップバッターは、学生の発表。インターンシップに参加しての学びや気づきを話してくださいました。
「丁寧な言葉遣いやメモ取りを徹底できたことを高く評価してもらったことが嬉しかったし、一つの作業に集中できる自分の特性に気づけたことは良かった。一方でわからないことを聞く(相談する)ことが難しかったし、仕事とプライベートのオン・オフの切替がスムーズにできないという課題点が見つかりました」
と緊張する中でもしっかりと自分の言葉で伝えてくださいました。

続いては、ベルの大橋さんからの発表。「みんなが幸せを実感できる会社づくり」を掲げているベルさん。
仕事は厳しく、職場は楽しくをモットーに、失敗をチャンスに変える、社員の「やりたい!」を実現するために会社が本気で応援する、社員の頑張りを評価する表彰式を行っているなどの報告があり、一人ひとりの社員をとても大事にされている企業であることが伝わってきました。
これまでも多くの実習生がベルさんにお世話になりましたが、実習にいかれた方の多くが「この企業で働きたいと思いました」と言われます。
それは、こういったスローガンが一人ひとりの社員に根づき、社内・社外を問わずに実践されているからであることがよくわかりました。

3番目は、学生のお父様からの発表。
診断を受けたときのご家族の気持ちやインターンシップ中のご家庭での様子、今後就職に向けての家族としての想いをストレートに発表してくださいました。
「障害という一括りのラベル付けをするのではなく、一人ひとりを見てほしい。また、本人も『障害だからコミュニケーションが苦手だ』と思うのではなく、自分の経験や気づきをもって自己理解を深め、自分の言葉で自分のことを話せるようになってほしい」
と仰っていたことがとても印象的でした。

最後は、支援機関としてエンカレッジ橋本からの発表。
経験が自信になる、経験に基づいたふりかえりで学生の自己理解が深まる、ふりかえりの場を持つことで、本人・家族・大学・外部支援機関全員が同じ方向性を確認でき、本人の成長を応援できることなどがインターンシップの意義である」
とお伝えし、質疑コーナーのあと、第3部は終了しました。

閉会のご挨拶はエンカレッジ取締役の高橋より御礼と来年度のご案内をさせていただき、実践報告会は盛会のうちに終えることができました。

■来場者アンケート
・(学生たちは)就職に対する漠然とした不安があったと思いますが、それぞれが活動を経て目標をハッキリ持てるようになられたのがわかりました。
・保護者の方の理解と大学とのコミュニケーションが重要だと再確認しました。
・お父様からのお話が大変良かった。実感がこもっていると同時に鋭い視点をお持ちで気づきがたくさんありました。

今年度の取組みがギュッと詰まった3時間半でした。ご来場いただいた皆様本当にありがとうございました。
さて、働くチカラPROJECTは、2019年度ももちろん実施します!
現在、説明会、参加学生を募集中です!一人でも多くの学生さんにお役に立てればと思います。ご参加・お申込みをお待ちしております。

2019年度働くチカラPROJECTの詳細はこちら

※みんなでサポート就活とは・・・
これまで就活に取り組んできたけれど上手くいかなかった人、卒論・修論などを提出してから就活しようと決めていた人など、年度内になるべく内定を取りたい、と願う卒業回生の学生向けに企画した、一般雇用、障害者雇用の両方に対応する就職活動支援イベント。
大学の支援者や、行政の支援関連機関、地域の就労移行支援事業所などが協力・連携して実施し、単にイベントを開催して終わりではなく、参加学生の皆さんが参加を決めてから内定を得られるまでの間、さまざまなサポートを受けながら安心して就職活動を進められる。
今年度は、2月19日(火)、20日(水)、28日(木)、計3回実施。詳細はこちら