発達障害のある方必見！就労移行支援で障害者雇用への転職をサポート

「今の仕事が自分に合わないかも」「もっと自分に合った職場で働きたい」と感じている発達障害のある方へ。
現在働いているものの、環境に適応しづらかったり、自分に合っていないかも…と悩み、行き詰まりを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
就労移行支援事業所「エンカレッジ」では、障害者雇用での転職活動のサポートも行っています。
この記事では、エンカレッジでのサポート内容や障害者雇用での転職のメリットについてお伝えします。

📗 目次

1⃣ 障害者雇用での転職とは？

▪職場での特性に合ったサポート
▪無理のないペースで働ける
▪企業の理解と協力が得られる

2⃣ 就労移行支援事業所でのサポートとは？

▪支援プランの作成
▪就職に向けたスキルトレーニング
▪企業とのマッチング
▪面接から入社までのサポート
▪職場でのフォローアップ
▪ストレス管理とメンタルヘルスのケア
▪キャリア相談とキャリアアップ
▪ご家族へのサポート
▪長期的なキャリア支援

3⃣ 発達障害のある方が障害者雇用を選ぶ理由

＜実例・解決策＞
▪サポート不足によるストレス
▪自分に合わない職場環境
▪キャリアチェンジの必要性

4⃣ 就労移行支援を利用することのメリット

＜実例・解決策・結果＞
▪安心感
▪スキル向上
▪自信の回復

5⃣ 説明会でさらに詳しく知る
6⃣ まとめ

1⃣ 障害者雇用での転職とは？

障害者雇用とは、発達障害などの障害のある方々が社会で働くことを推進するために設けられた制度です。
雇用主は、障害のある従業員の特性への理解と配慮をし、働きやすい環境づくりを行っています。
障害者雇用で働くことで、以下のようなメリットがあります。

▶ 職場での特性をふまえたサポート

障害者雇用では、それぞれの障害特性への配慮として業務内容や職場環境を個別に調整することがあります。
例えば、発達障害のある方にとって口頭指示が理解しにくい場合、マニュアルやチャットなどの文面での指示や、業務フローを「見える化」することがあります。
また、電話対応が苦手な場合はその業務は担当せずに、自分の得意分野・できる仕事にフォーカスして仕事を配分されることもあります。

さらに、就労移行支援事業所の支援者が定期的に職場に訪問し、職場環境や業務内容に対する助言をしたり、一緒に解決策を考えます。
そうすることで、特性による苦手さやストレスが軽減され、よりスムーズに仕事を進められることにつながります。

▶ 無理のないペースで働ける

発達障害のある方の中には、仕事に対して必要以上にプレッシャーを感じたり、速いペースでの業務がストレスとなり、パフォーマンスが下がってしまう方もいらっしゃいます。
障害者雇用では、無理のないペースで仕事が進められるよう、業務スケジュールや作業量が個々の特性に応じて調整されることがあります。

たとえば、適度に小休憩を挟む業務スケジュールが組まれたり、スケジュールを可視化して作業の見通しを持てるように工夫されることがあります。
そうすることで、長期的に職場で安定して働きやすくなります。

▶ 企業の理解と協力が得られる

障害者雇用において、企業側は従業員の特性を理解して働きやすい職場環境を可能な限り提供することを義務づけられています。これを合理的配慮と言います。
また、障害者雇用を行う企業では、障害者雇用に関する研修を実施し、担当者や同僚が障害に対する理解を深める機会を設けている会社も多くあります。

そうした取り組みが同僚からのサポートや協力も得やすく、より職場になじみやすくなることにつながっていきます。
また、合理的配慮として、会社と相談した上で便利なツールや機器（聴覚過敏のある方が使うイヤーマフや、体調管理アプリなど）を使う方もいらっしゃいます。

2⃣ 就労移行支援事業所でのサポートとは？

就労移行支援は、発達障害がある方が障害者雇用での転職を成功させるために受けられる支援サービスです。
エンカレッジでは、以下のようなサポートで皆さまの転職を支援しています。

▶ 支援プランの作成

就労移行支援事業所では、発達障害がある方の特性やニーズに基づき、「個別支援計画」という支援の計画書が作成されます。
個別支援計画には、就職と継続に必要な支援や、スキルの習得のために実施すること、企業とのマッチングまでに行う課題などが具体的に記載されます。

たとえば、コミュニケーション力を身につけたい方には、職場でのコミュニケーションスキル向上のためのトレーニングができるプログラムに参加したり、スタッフがその方に合わせてコミュニケーションに関するアドバイスやフィードバックをするという内容を含めており、そのプランに基づいて支援をしています。
他にも、適職を見つけるためにこれまでの経験を振り返って情報を整理したり、それらを面接で伝えるための練習をすることなども、支援計画に組み込まれます。
1人ひとりに合わせた支援計画に基づいて計画的にプログラムに取り組んでいただくことで、転職活動をよりスムーズに進められます。

▶ 就職に向けたスキルトレーニング

エンカレッジでは、実際の仕事に役立つビジネスマナーやPCスキルに関するプログラムもあります。
例えば、ビジネスマナー講座では、上司への報告・連絡・相談（ホウレンソウ）やメモの取り方、場面に応じた立ち居振る舞いなどの講座があります。
他にも、人との距離感について学んだり、雑談のポイントを知り、実践的に練習することもあります。

また、PCを使った業務が増えている昨今、基礎的なPCスキルの習得も重要です。
エンカレッジでは、エクセルやワードといったPCソフトの基本操作や、より実際の業務に近い形の入力作業をすることもあります。
そうすることで、実務で求められるスキルを高めたり経験を積むことができ、面接でアピールできることが増えたり、転職後も自信を持って業務に取り組むことができます。

▶ 企業とのマッチング

企業とのマッチングのサポートが受けられることは、就労移行支援の大きな強みの一つです。
エンカレッジでは、障害者雇用に理解のある企業との接点がたくさんあり、発達障害のある方一人ひとりに合った職場とのマッチングをサポートしています。
事業所のスタッフは、企業の担当者から職場のことをヒアリングしたり、実際の職場を見学したりすることで、職場環境や労働条件を確認します。

マッチングまでの過程では事前の職場見学から雇用前実習を行なう場合が多いので、求職者（ご利用者さん）、そして企業側のお互いが「働けそうか」を見極めることができます。
実際に働く予定の環境・業務内容を体験できるため、入社後のギャップを小さくできるメリットがあります。

また、スタッフと一緒にハローワークで求人探しを行ったり、障害者雇用に特化したエージェントを使って転職活動をすることもあります。
エンカレッジのスタッフは、ハローワークやエージェントの担当者とも密にやりとりをして、皆さまの転職活動をサポートしています。

▶ 面接から入社までのサポート

面接は発達障害のある方にとって特に苦手を感じやすい場面ですが、エンカレッジのスタッフが面接官役となって、面接練習を何度も実施しています。
1人ひとりのニーズに合わせて、入退室や望ましい立ち居振る舞いの練習したり、面接で聞かれる可能性が高い質問を想定し、どのように回答すればよいかアドバイスして練習を重ねていただきます。

また、実際の面接にスタッフが同行する場合は、少しでも緊張を緩和したり、スタッフから見たご利用者さんの強みを企業担当者に伝えることができます。
そして入社後も、環境に適応できるようエンカレッジのスタッフが定期的にフォローアップを行うため、長期的な職場定着が実現しやすくなります。

▶ 職場でのフォローアップ

エンカレッジでは、就職が決まった後も継続的にサポートをしています。
職場訪問や、定期的な面談、または電話やオンラインでの相談を通じて、職場での課題や悩み事に対処できるように支援を行っています。

特に新しい業務や環境に慣れるまでの期間は不安なことがあったり、ストレスがかかりやすいため、エンカレッジのスタッフがこまめに連絡を取り、順調にスタートできているかどうかを確認しています。
もし、職場でのトラブルや人間関係の問題が出てきた場合は、スタッフが企業担当者の方と連携しながら解決策を一緒に考えます。

▶ ストレス管理とメンタルヘルスのケア

エンカレッジでは、発達障害のある方のメンタルケアも行なっています。
環境の変化に適応する過程で、ストレスを感じることは珍しくありません。

スタッフが面談でじっくりとお話を聴いたり、ストレスの予防・対策方法の検討をするなど、感じているしんどさが和らぐようサポートをしています。
1人だと抱え込んでしまいがちな方もそうしたサポートを通じて、職場でのストレスをうまくコントロールし、心も身体も健康的に働きやすくなります。

▶ キャリア相談とキャリアアップ

エンカレッジでは、現在の仕事でのスキルアップだけでなく、将来的なキャリアに関する相談もお聞きしています。

例えば、勤務時間を伸ばすためのステップを一緒に考えたり、資格取得に向けた勉強の計画を一緒に立てることもあります。
今だけでなく、長期的な視点でのキャリアについて一緒に考えることで、仕事へのモチベーションを維持しながらステップアップの可能性を広げていくことができます。

▶ ご家族へのサポート

発達障害がある方の転職は、ご家族の方にとっても関心の高いテーマです。
エンカレッジでは、ご家族の方向けの「家族ミーティング」を定期的に開催し、ご家族同士で転職活動や働くご本人たちのサポートについて情報共有したり、意見交換をする場が設けられています。

ご家族の方のご理解・ご協力は、ご本人たちが働き続けるための大きな支えになるため、エンカレッジではご家族の方とのやりとりも非常に大切にしています。
ご本人の職場での様子や業務の状況、困っていることなどを可能な限りご家族の方へも共有させていただき、一緒になってご本人をサポートしています。
また、ご家族の方が抱える不安や疑問にもお答えしながら、就職・転職について、一緒に考えています。

▶ 長期的なキャリア支援

転職した後も長期的な視点でキャリアについて考えることは重要です。
エンカレッジでは、就職してから半年経過後からの3年間を「就労定着支援事業」という福祉サービスを実施することで、就職後の長期的な支援をしています。
就労定着支援事業での支援が終了した後も、困ったことや悩みごとがある時に相談ができる先として、たとえば5年以上前に就職した方々とも繋がりを持ち続けています。
働き続けるなかで、環境や状況が変わることは珍しくありません。就職から何年たっても相談できることは、エンカレッジの強みのひとつです。

3⃣ 発達障害のある方が障害者雇用を選ぶ理由

発達障害のあるの方が「障害者雇用」へ転職を検討する理由は人それぞれですが、本項ではその実例や解決策をご紹介します。

▶ サポート不足によるストレス：職場で特性に対する十分なサポートが得られず、ストレスや過度な負担を感じている。

【実例】

Aさんは、一般企業の障害者雇用枠で就職し、働いていました。
最初は業務を順調にこなしていましたが、職場のコミュニケーションが全体的に口頭指示中心であったため、口頭指示の苦手さがあるAさんは、業務内容の捉え違いが多く、うまく仕事に対応できなくなっていました。
また、忙しい業務スケジュールに追われ、上司になかなか相談するタイミングがつかめませんでした。
このような状況により、Aさんは職場でのストレスが大きくなり、体調を崩すことが多くなりました。

【解決策】

Aさんは、障害者雇用での転職を検討し、就労移行支援事業所に相談しました。
事業所のアドバイスを受けて障害者雇用での転職を実現。転職後はチャットでの業務指示をしてもらったり、上司も一緒に確認できるようなタスク管理のツールを使うことで、業務内容を正しく把握することができています。
また、業務の優先順位づけに悩むときは、上司に相談して一緒に整理してもらい、Aさんにとって分かりやすい形で仕事を進められるようになりました。
その結果、以前感じていたような職場でのストレスはなくなり、新しい環境では安定して働けるようになりました。

▶ 自分に合わない職場環境：自分の特性に合った職場環境が整っておらず、パフォーマンスを発揮できていない。

【実例】

Bさんは、一般企業のオフィスで働いていましたが、オープンスペースでのデスク作業にやりづらさを感じていました。
発達障害の特性により、周囲の雑音や人の動きが気になり、業務に集中できず、仕事のパフォーマンスが低下していきました。
会社側も「Bさんは仕事に集中できていない」という評価で、Bさんは今の職場環境は自分に合っていないと感じ始めました。

【解決策】

Bさんは、障害者雇用での転職を決意し、「集中しやすい作業環境」をポイントの一つとして、転職先を探しました。
新しい職場では、壁側に向いた作業スペースがあったり、パーティションで仕切りがあるデスクもあり、Bさんにとって集中しやすい環境でした。
また、周りの社員が電話対応をすることも少ない環境で、業務に集中しやすくなったBさんは、前職のときよりも業務効率が向上。自分に合った今の職場環境に満足しているようです。

▶ キャリアチェンジの必要性：長く働き続けるために、自分に適した職場でキャリアを積んでいきたい。

【実例】

Cさんは、一般企業のクローズ就労（障害について開示せずに働くこと）で就業していました。
入社当初は周囲に障害を開示せず、一般社員と同じように働いていましたが、次第に増えていく業務のプレッシャーや、急な対応が必要な状況で臨機応変に対処するのが難しく、何とか必死に仕事をこなしていく日々が続きました。
しかし、長期的な目標やキャリアアップしていくイメージは持てず、仕事に対するモチベーションが下がったり、徐々に心身の不調を感じるようになりました。

【解決策】

Cさんはキャリアチェンジを考え、発達障害の特性についてオープンにして働ける職場を探しました。
就労移行支援事業所を利用することにしたCさんは、プログラムやスタッフとの面談で改めて自己分析を行い、自分の強みや働きやすい業務を整理していった結果、障害者雇用で適職を見つけることができました。
新しい職場では、段階的・長期的なキャリアパスの仕組みがあり、スキルアップのための研修も受けられる環境が整っていました。
Cさんは安心してキャリアを積み重ねられる見通しがあることで、転職後は仕事に対するモチベーションをしっかり保てています。

3人の事例のように障害者雇用で自分に合った企業・環境に出会えると、安心して働き続けることができます。

4⃣ 就労移行支援を利用することのメリット

就労移行支援事業所を利用すると、発達障害のある方が転職をスムーズに進めやすくなるメリットが複数あります。本項ではその実例や解決策・結果をご紹介します。

▶ 安心感：発達障害や障害者雇用に詳しいスタッフの支援で、転職活動中の不安を解消できます。

【実例】

Dさんは発達障害があり、就職活動に強い不安を抱えていました。
特に面接での緊張が大きく、過去の応募ではそのせいで面接がうまくいかなかったことが何度もありました。
Dさんは自分一人での転職活動に限界を感じ、どうすれば良いのか分からない状態でした。

【解決策】

Dさんが就労移行支援を利用することに決めた後、担当のスタッフと面接練習を行ったり、障害特性やそれに対する工夫・対策を検討するなどの自己分析を一緒に行ないました。
特に面接でどのように自分の特性を説明し、自分の強みをどのようにアピールすれば良いかという点について練習を重ねました。
また、スタッフが面接に同行し、第三者から見たDさんの強みや日頃の様子を伝えることになっていたため、面接の不安がずいぶん和らぎ、安心して面接に臨むことができました。

【結果】

Dさんは、最終的に事業所のOBの方が働いている企業での就職が決まり、安心して新しい職場で働き始めることができました。
自分一人では見つけらなかった企業と出会うことができ、スタッフのサポートやOBの方がいる環境で、自分が一人ではないという安心感を得ることができました。

▶ スキル向上：ビジネスマナーや実務的なスキルを習得し、経験や可能性を広げられます。

【実例】

Eさんは支援学校の卒業と同時に就職した軽作業の仕事に7年ほど従事していましたが、転職を考える中で「今のスキルでは新しい職場で通用しないのではないか」という不安がありました。
特にPCスキルやビジネスマナーに自信がなく、履歴書を書くことにも苦手意識がありました。

【解決策】

Eさんは就労移行支援事業所のプログラムをを通じて、PCスキルのトレーニングや履歴書・職務経歴書の書き方を学びました。
また、ビジネスマナー講座で、敬語の使い方や電話対応の練習を行い、スキルアップに励みました。
そうしてEさんは職場で必要とされるスキルを今まで以上に身につけることができました。

【結果】

Eさんは、これまで不安だったPCを使う業務に対してある程度自信が持てるようになり、転職活動に積極的に取り組むことができました。
結果として、PC入力・軽作業が両方ある職場に転職し、新しい環境で経験の幅を広げていけるようになりました。

▶ 自信の回復：フィードバックや助言により、自己肯定感や仕事への自信を取り戻すことができます。

【実例】

Fさんは過去の職場での仕事や同僚との人間関係がうまくいかず、すっかり自信を無くしてしまっていました。
ミスが続いたり、上司からの指摘が多かったため、「自分には社会人としてダメのではないか」と感じるようになり、転職しようにも一歩がなかなか踏み出せない状況でした。

【解決策】

Fさんが就労移行支援事業所を利用した際、まずスタッフと共に過去の経験を振り返り、強みと課題を再発見するために面談で話したり、ワークシートの記入を進めました。
人間関係で自信を無くしていたFさんでしたが、スタッフから「Fさんには思いやりや優しさがあり、誰に対しても分け隔てなく接することができるという、コミュニケーション面での強みがある。」というポジティブなフィードバックを受けました。
また、職場体験実習や模擬面接を通じて、少しずつ「できる」を積み重ね、自信を取り戻すことができました。

【結果】

Fさんは、以前の職場での失敗体験を乗り越え、自信を持てるようになったコミュニケーション力を活かせる職場を見つけることができました。
新しい職場では同僚との関係もうまくいき、周りからの評価も高く、自信を持って働くことができるようになりました。