就職への強い気持ちで取り組んだ実習で掴んだチャンス(他2事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職事例をシリーズでご紹介しています。ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍 この記事はこんな方におすすめ 📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2020年1月に就職が決まったご利用者の就職事例の中から3つのストーリーをお届けします。
*「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください。

就職事例1)就職への強い気持ちを持って実習に取り組む中で掴んだチャンス

エンカレッジ京都ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者 Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】知的、身体障害
  • 【利用期間】1年10ヶ月間
  • 【就職先 [業種]】
  • ドラッグストア・調剤薬局店 [小売業]
  • 【業務内容】
  • 商品補充、前出しなどの軽作業、清掃、その他関連業務
 
就労までに意識して取り組んだこととしては、エンカレッジへの通所や実習を休まないように、体調管理を行うことでした。また、実習は色んなことを学べる場だと思い、毎回精一杯取り組み、採用面接では、「次に就職するのは私だ!」という強い気持ちをもって臨みました。
就職が決まった今の心境としては、就労移行支援事業所の利用期限である2年以内に就職が決まって良かったという気持ちと、エンカレッジ内での昼休みの楽しみが無くなる寂しい気持ちの両方があります。でも、同時に「次のステップに向かって頑張ろう!」とも思っています。
就職事例2-1-1 就職事例2-1-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
大学卒業後、ハローワークでの応募を中心に就職活動をされていましたが、就労に結びつかず、エンカレッジをご利用されました。
高校、大学時代を通してお一人でいることが多く、誰かとコミュニケーションをとりたい気持ちを人一倍お持ちでしたが、エンカレッジに来られた当初は、ご自分からの発信はなかなかできずにいました。しかし、通所を続けるうちに、ゲームを通して他のご利用者との会話が増え、一緒に過ごせる仲間ができ、安心感を持てたことがご自身の自信へとつながったように思います。 就職活動では、数ヶ所で実習を行い、ご自分に合った仕事と職場環境への理解を深めていかれました。どの実習先でも、最後まで仕事に取り組む誠実な姿勢と、どんな時も笑顔を絶やさない人柄に好印象を持たれることが多くありました。
今回、就労が決まった会社でも「少しずつステップアップする!」という目標を忘れず、ご自分の「強み」を活かして、エンカレッジのような居場所づくりと経験を重ねていっていただけたらと思います。
(エンカレッジ京都 スタッフH)

就職事例2)就職まで時間がかかったからこそ得られた学びと多くのつながり

エンカレッジ心斎橋ご利用者Tさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Tさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】ADHD
  • 【利用期間】1年2ヶ月
  • 【就職先 [業種]】
  • SMBCグリーンサービス株式会社 [金融業]
  • 【職種・業務内容】
  • データ入力など事務
 
前職を退職後、どのように就職すればよいか悩んでいた時にエンカレッジの存在を知り、そこからすぐに利用を決めました。
利用開始した直後は、なるべく早く就職を決めて働きたいとのイメージを持っていましたが、ここまで来るのに時間がかかったなと思います。でも、それが良かったのだと今は心の底から思っています。1年2ヶ月あったからこそできた経験や学びがあり、自分とも沢山向き合えたと思います。
何よりも多くのつながりを持てたことが私にとって本当に大きかったです。就職がなかなか決まらず、担当のスタッフさんには大変心配をかけましたが、最後まで励まして下さり、ありがとうございました。エンカレッジがあって良かったです。これからも宜しくお願い致します。
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Tさんが来られた当初は、一般雇用での就職を考えられるほどしっかりされておられました。面談を通してご本人と強みや特性を整理するなかで、気になる特性が一つだけありました。伝えたいことが多く、話が長くなってしまうことでした。そこで、マイタイムの面談では、テーマに沿った「1分間スピーチ」を通じて、適切なボリュームで話す練習をしていただきました。実際に、1月を過ぎるころからメキメキと腕を上げておられました。
また、実習を通して手帳を取得し、障害者雇用での就職を目指されることになりました。面接もスムーズにできていましたが、なかなかマッチングまでは至らず、長い時間がかかりましたが、その度、自身でメンタルを立て直し、真摯に状況を受け止めておられました。彼女の前向きさと粘り強さは、今後も大きな力になると思います。
(エンカレッジ心斎橋 スタッフT)

就職事例3)週一回の面談で困ったことも相談しやすかった

エンカレッジ京都三条ご利用者Nさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者 Nさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】ASD
  • 【利用期間】3ヶ月半
  • 【就職先 [業種]】
  • ヤマトマルチチャーター株式会社 [運送業]
  • 【職種・業務内容】
  • データ入力、伝票整理など事務
 
エンカレッジに通ってみて、面談が週に一回あったため、困ったことがあれば相談しやすかったです。また、パソコンが苦手でなるべく避けてきたのですが、e-typingなどを利用しながら、楽しく進めていくことができたかと思います。
就職までに意識したことは報告・連絡・相談です。最初はタイミングが難しいと感じましたが、しっかり行おうと意識して取り組みました。その甲斐もあって、実習先でもスムーズに報連相を行うことができました。
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Nさんは、大学の学生支援室を通してエンカレッジを知り、ご利用を開始されました。これまで複数のアルバイトを経験され、ご自身の苦手さに直面する中で、自分のペースで自分に合った環境のもと継続して働きたいという希望を持たれていました。
Nさんがエンカレッジに来られた当初は、やや表情が硬く緊張がなかなか解けない様子でしたが、通い続けるうちに少しずつほかのご利用者さんとの交流が増え、表情も大分柔らかなものになりました。 また、普段のオフィスワークなどを通じて、本来持っておられた「物腰の柔らかさ、丁寧さ、正確さ」などを徐々に発揮され、実習でも業務を通してご自身の強みをアピールすることができておられました。企業の方にもその点を評価していただくことができました。
最初は慣れない仕事ばかりで心配もおありかと思いますが、ご自身の持ち味を活かして、生き生きと働いていただければと思います。
(エンカレッジ京都三条 スタッフS)