自分の特性を理解し、適切な支援を受けることで、強みを発揮しながら社会で活躍することができます。
このページでは、発達障害のある方が就職活動で直面しやすい課題や、エンカレッジの就労移行支援で行っているプログラムやサポートなどの支援策をわかりやすくご紹介します。
自分に合った働き方を見つけたいと考えている方や、ご家族・支援者の方にも役立つ内容です。

【1】発達障害と就職活動の難しさ

例えば自分自身について言語化する「自己分析」、合同説明会などに参加するための「スケジュール管理」、面接での「コミュニケーション」など、学校での勉強とは違ったスキルが求められます。
さらには学業との両立が難しかったり、生活面での課題も抱えている方も少なくありません。
【2】発達障害の方に向いている仕事とは?特性別に見る適職のヒント
たとえば、集中力やこだわりの強さを活かせる作業系の仕事(製造、清掃、軽作業など)や、繰り返しの業務が多い事務補助、データ入力のような職種は、一定の環境下で力を発揮しやすいとされています。
また、ITスキルやクリエイティブな感性を活かして、デザインやプログラミングなどの分野で活躍する方もいます。
以下は、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動性障害)のある方に見られる傾向と、比較的合いやすいとされる仕事の一例です。
- 一つの作業に深く集中できる
- 正確性や丁寧さを重視する
- パターンやルールに基づいた作業が得意
- データ入力、文書チェック、品質管理
- プログラミング、Web制作、設計・CAD業務
- 工場や倉庫でのピッキングや検品作業 など
- 活動的でエネルギーがある
- 刺激や変化のある環境で力を発揮しやすい
- 興味のあることへの集中力が高い
- 突発的な状況への柔軟な対応力がある
- 配送業務、引っ越しスタッフ、軽作業
- 接客・販売、営業、イベント関連業務
- 体を動かす清掃業務や警備 など
<重要なのは「自分にとって働きやすい環境」を見つけること>
<「向いている仕事や、どんな環境が働きやすいかがわからない…」そんなときは>
【3】発達障害のある方が就職でつまずきやすいポイントとその対処法
特性に起因する困りごとは、就活のプロセスの中にさまざまな形で現れます。
発達障害のある方が就職でつまずきやすい場面と、その対処方法について具体的にご紹介します。
<よくある「つまずきポイント」とは?>
- 書き方が抽象的で分かりづらい
- アピールポイントが整理できない
- 誤字脱字・構成ミスが多い
就労支援員やキャリアカウンセラーのと一緒に経験を整理し、どんなことがアピールポイントになるかを整理していながら書類を作成します。
添削・フィードバックを受けることで、より伝わる文章に整えることができます。
障害者雇用においては、自身の特性や配慮についてをや説明する“自己開示欄”を設ける工夫も有効です。
- 緊張しやすく言葉が出ない
- 自己PRや志望動機が漠然としている
- 表情や視線など「非言語コミュニケーション」が苦手
就労支援員と一緒に面接の練習をで練習を重ねることで、実際の場面をイメージしやすくなります。
想定外の質問が来た時の答え方も、あらかじめ練習しておきましょう。
また、自分の特性や配慮事項を整理した「配慮事項シート」を用意し、面接時に提示しながら伝えると話しやすくなるでしょう。
- 「事務職」を希望しているが、何ができていたら事務の仕事につけるのかが分からない
- 求人の条件だけでを見て応募したが、自分のイメージしていた仕事とは違っていた
応募前に職場見学や実習を通じて、自分に合うかどうかを体感的に確認することが重要です。
就労移行支援などでは、実際の職場体験をサポートしてくれるケースが多くあります。
- 「適宜対応」「臨機応変に」などの抽象的な表現が理解しにくい
- 暗黙のルールや職場文化に上手くなじめるのか不安
明文化されたマニュアルの有無や、指示が具体的に伝えられる環境かを事前に確認しましょう。
また、ジョブコーチなどの支援者が職場と連携してくれると安心です。
- 朝が苦手で遅刻しがち
- 職場の騒音や人混みに疲れてしまう
無理のない通勤ルートや就業時間を選ぶことが大切です。フレックスタイムや在宅勤務制度のある企業を探すのも一つの手段です。
就労移行支援では、生活リズムの安定からサポートを受けることも可能です。
<見落とされがちな「精神的ハードル」>
「前の職場でうまくいかなかったことが頭をよぎる」
「自分にできる仕事なんてあるのだろうか…」
まずは安心できる環境で自信を回復することが大切です。就労移行支援では、失敗を責めず「次にどう活かすか」を一緒に考えるサポートが受けられます。
小さな成功体験の積み重ねが、自信へとつながります。
<つまずきを防ぐために重要な「3つのポイント」>
つまずきの原因を整理し、適切な支援を受けることで就職活動は確実に前進します。一人で悩まず、専門機関と一緒に「自分らしく働ける場所」を見つけていきましょう。
【4】就労移行支援とは?
・18歳以上65歳未満の方で企業等への就労が見込まれる方
・身体障害・発達障害・知的障害・精神障害・指定難病のある方(※医師の診断書・通院証明書があれば障害者手帳を持っていなくても利用可能となるケースがあります。)

【5】当事業所が提供する具体的なサポート内容
様々な経験を通じて社会に出て働く自信をつけたり、自己理解を深めながら、就職活動を行います。
一人ひとりに担当スタッフついて丁寧にサポートするので、安心して進めることができるのも特徴です。
・プログラム


ペアワーク・グループワークもあり、他者とのコミュニケーションについても練習することができます。


・面談


就職活動の不安や悩みをはじめ、どんなことを話しても良い時間です。「誰かに相談する練習」をすることができます。
・面接練習/履歴書作成


履歴書や職務経歴書の書き方についても丁寧にサポートします。
・企業見学/職場実習


また、職場体験をして仕事の内容や職場の雰囲気を体験することで、自分に合う仕事や就職のイメージを深めます。
・定着支援サービス


エンカレッジでは就職後のフォローも丁寧に行っているため、入社半年後の定着率は93.7%です。
【6】就職に成功した発達障害のある方の事例紹介
▶ 事例1:ASD(自閉スペクトラム症)× データ入力職|静かな環境で得意を活かす
- 人との雑談が苦手で集団面接でうまく話せなかった
- マルチタスクに混乱し、短期のアルバイトが続かなかった
- 作業の正確さや集中力を活かせる仕事を選択
- 模擬面接を繰り返し行い、質問への返答を定型化
- 実習を通じて、静かなオフィスでの作業に自信を得る
- 事務補助として入社し、コツコツと仕事を積み重ねて正社員に登用
- 定型的な作業が得意という特性が、業務効率の高さにつながっている
- 「無理に周囲と馴染もうとせず、仕事で信頼を築けているのがうれしい」とのこと
▶ 事例2:ADHD × 飲食業|行動力と瞬発力を武器に
- ルールが曖昧な職場ではミスが続いた
- 座り仕事が苦痛で集中が続かなかった
- 体を動かす業務で活躍できる職場を候補に
- ToDoリストやタイマーを活用した作業管理を訓練
- 実習で店舗スタッフとして動き回る仕事に手応えを感じる
- オープンキッチンや接客で常に動きのある環境が性に合っていた
- ミスを防ぐため、持ち物管理や伝票のチェックに自分なりのルールを確立
- 「今まで“落ち着きがない”と言われていた自分が、“元気で明るい”と評価されるようになった」と話す
▶ ASD+ADHDの混合型 × 在宅ワーク|自分に合った働き方を選択
- 対面での面接や通勤が強いストレス
- 締切があると焦ってパニックになりやすい
- 自己理解を深め、「通勤や人間関係のストレスを減らしたい」という希望を明確に
- オンラインで完結できる仕事として在宅ライティングを提案
- 小さな仕事から受注を始め、段階的に業務の幅を広げていった
- 今では月数万円の収入を安定的に得られるまでに成長
- 作業の自由度と静かな環境が特性に合っており、自己肯定感も向上
- 「“普通の働き方”にこだわらなくていいと思えるようになった」と語る
<成功事例に共通するポイントとは?>
就職活動は一人では難しい部分もありますが、支援を受けながら進めることで、無理のない、自分らしい働き方に近づくことができます。
【7】就労移行支援を利用して就職が決まった利用者の声

【障害種別】自閉スペクトラム症
【利用者の声】

【障害種別】自閉スペクトラム症、双極性障害Ⅱ型
【利用者の声】
【8】就職までのステップと支援機関の活用方法
2.就労移行支援事業所を見学・体験
3.自己理解・スキル習得のための訓練開始
4.実習・企業見学・インターンシップ
5.就職活動(履歴書作成・模擬面接など)
6.定着支援を受けながら安心して職場定着へ
【9】エンカレッジの就労移行支援のご利用の流れ

申請にはお住まいの市区町村での手続きもありますが、エンカレッジがサポートしますのでご安心ください。
【10】よくある質問(FAQ)
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発達障害があっても一般企業に就職できますか?
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はい、可能です。発達障害のある方が一般企業で働く事例は年々増えています。自分に合った職種や職場環境を選び、支援機関のサポートを受けながら準備を重ねることで、無理のない就職が実現できます。
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障害者雇用枠と一般雇用枠の違いは何ですか?
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障害者雇用枠は、障害のある方が働きやすいよう配慮された雇用形態です。特性に応じた支援や合理的配慮も受けやすいのが特徴です。
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就職活動で困ったとき、どこに相談すればいいですか?
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就労移行支援事業所、障害者職業センター、ハローワークの障害者支援窓口などで無料相談が可能です。また、地域の発達障害者支援センターでも専門的なアドバイスが受けられます。
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面接で発達障害のことを伝えるべきですか?
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開示するかどうかは本人の判断ですが、「特性や困りごとへの配慮を得たい場合」は伝えることが推奨されます。支援機関では開示の方法や伝え方も一緒に練習できます。
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ADHDがあり、ミスや忘れ物が多くて不安です。働けますか?
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工夫やサポートがあれば十分働けます。ToDoリストの活用や作業の手順化など、具体的な対処法でミスを減らせるケースもあります。自分に合う職場環境や仕事を選ぶことが大切です。
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就労移行支援事業所ってどんなことをしてくれるの?
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履歴書の作成支援、面接練習、職場体験、自己理解ワーク、生活リズムの調整など、就職に必要な準備をトータルでサポートしてくれます。多くの事業所で無料の見学・体験が可能です。
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発達障害に向いている仕事にはどんなものがありますか?
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例えば、単純作業・データ入力・清掃・Web制作・倉庫作業・ライティングなどが挙げられます。ただし一人ひとりの特性によって「向いている仕事」は異なるため、自己理解が重要です。
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在宅で働く選択肢はありますか?
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はい、ライティング、データ入力、プログラミング、デザインなど、在宅でできる仕事もあります。通勤が負担な方や、人との接触が苦手な方にとって、在宅勤務は選択肢の一つです。
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就職後も支援を受けられますか?
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はい。エンカレッジでは「定着支援」も行っています。職場で困ったことがあれば支援員が企業と連携し、安定して働き続けられるようサポートします。
【11】説明会や個別見学について

日程が合わない場合は個別での調整も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。
