エンカレッジでは2023年6月より障害のある学生のためのキャリア教育プラットフォーム事業「家でも就活オンライン カレッジ」を開始しました。
12月16日(土)にオンラインにて、【ご家族向けセミナー】就活前に知っておきたい障害者雇用の状況Presented by TOTOを開催しました。
12月16日(土)にオンラインにて、【ご家族向けセミナー】就活前に知っておきたい障害者雇用の状況Presented by TOTOを開催しました。
家でも就活オンライン カレッジ(家カレ)とは
「家でも就活オンライン カレッジ」は「全国の障害のある学生のためのキャリア教育プラットフォーム」です。全国の大学および企業が横断的に参画、協働することで、十分なキャリア教育を受けられていない障害のある学生に、機会を提供していく日本で初めての試みで、約40大学が参画しています。また、株式会社マイナビパートナーズ、社会福祉法人すいせいをパートナーとして、トヨタ自動車など6企業にご協賛、ご協力をいただいています。
本セミナーのねらい
参加者の皆様に事前に回答いただいたアンケート結果から、障害者雇用の実態がわからず、不安を感じているご家族が多くいらっしゃいました。その不安は、情報が不足していることが一つの要因と考えられます。
実際に、障害者雇用に取り組む企業について知っていただくことで、お子様の就職を考える機会にしていただければと思い、本セミナーを開催する運びとなりました。
実際に、障害者雇用に取り組む企業について知っていただくことで、お子様の就職を考える機会にしていただければと思い、本セミナーを開催する運びとなりました。
プログラム
📍 障害者雇用を取り巻く市場
株式会社エンカレッジ 大学支援事業部 山本愛子
📍 障害者雇用の実践・事例
TOTO株式会社 人財本部 ダイバーシティ推進グループ 藤田浩史氏
📍 質疑応答・アンケート回答
障害者雇用を取り巻く市場
(株式会社エンカレッジ 大学支援事業部 山本愛子)
まず、23卒の大卒求人倍率は1.58倍であり、コロナの影響により下がった時期もあったが、2021年以降、企業の採用意欲は回復傾向にある。
次に、障害者雇用を取り巻く環境の変化としては、
- 2022年時点で就労中の障害者は61.4万人(雇用率2.3%)
- 雇用率は2024年2.5%、2026年に2.7%となるため、今後も拡大していく
- ハローワークを経由した障害者雇用も、2010年〜2020年で1.7倍と拡大している
- 特に、精神発達障害者の就職数は、2010年14,555人から、2020年には40,624人まで増え、割合も27%から45%へ急拡大している
高等教育機関の障害者学生については、
- 大学等の障害学生在籍数は、49,672人(全学生数の1.53%)
- 前年度から約9,000人増えていて(前年度から0.27ポイント増)今後も増える見込みである
- 進路は、発達・精神・視覚障害の学生の就職率は、他の障害学生に比べると低く、発達・精神障害学生が福祉施設を利用する割合はやや多い傾向にある
🔸 障害のある人の働き方の選択
🔸 一般雇用と障害者雇用は何が違うのか?
🔸 障害者雇用「業界」に関わる機関
以上の通り、サポート機関は多くあるため、就活は一人でしなくていいし、必要なフェーズで活用していただきたい。そして、多機関連携は欠かせず、連携する仕組みは少しずつ整い始めている。
障害者雇用の実践・事例:大学生のご家族向け 就活前に知っておきたい障害者雇用の状況 就活前に障害者雇用「企業のホンネ」
(TOTO株式会社 人財本部 ダイバーシティ推進グループ 藤田浩史氏)
まず、就職を取り巻く環境を、親御さん世代(平成元年あたりに就職)とお子様世代(令和4年あたりに就職)を比較してご説明いただき、その後、具体的な就職活動についてお話しいただきました。
<就職を取り巻く環境>
大学卒業後の進路は、大学院進学率は8%→11.3%、就職率は81.3%→74.5%と変化していて、大卒者全体が増加する中(大学全入時代)、就職率が60%を切る時代もありつつ、今は、親御ささん世代と変わらないところまで戻ってきている。
日本の産業構造の変化としては、製造業は縮小し、サービス業の増加が著しいため、コミュニケーションスキルが求められる職種が増加している。
新入社員の働く目的は、「自分の能力を試す(=出世)」よりも「楽しい生活をしたい」ために働くという意識が強い世代であり、働くことの価値観が大きく変化している。
雇用形態の傾向は、初めての就職を非正規社員からはじめる人が約4割であり、非正規での就職は珍しくない時代である。
新入社員の働く目的は、「自分の能力を試す(=出世)」よりも「楽しい生活をしたい」ために働くという意識が強い世代であり、働くことの価値観が大きく変化している。
雇用形態の傾向は、初めての就職を非正規社員からはじめる人が約4割であり、非正規での就職は珍しくない時代である。
<就職準備について>
大学キャリアセンター担当者を対象にしたアンケート結果によると、未就職卒業者の傾向として、
- コミュニケーションの課題
- こだわりの強さ
- ライフスキルや自立の不足
が挙げられる。
<新卒学生の面接での印象>
面接時に、下側記載の内容を発言する学生のほうが印象がいい。(※いち面接官としての主観)
「強みを活かし、苦手に配慮」
障がい特性による苦手さの理解は大切だが、もっと大切なことは自分の中での強み、得意なことの理解である。それは、これまでの様々な経験から導き出されるものであり、他人と比べての強みではなく、自分の中での強みである。
障がいの有無に限らず、誰もが強みと苦手さを持っていて、企業はお互いの強みを活かし、苦手に配慮しあうことで、個人ではなく組織としての成果を出す。個人プレーよりチームプレーで生産性を高めるのが会社組織であり、強み、得意をいかに自ら見出すかが大切である。
障がいの有無に限らず、誰もが強みと苦手さを持っていて、企業はお互いの強みを活かし、苦手に配慮しあうことで、個人ではなく組織としての成果を出す。個人プレーよりチームプレーで生産性を高めるのが会社組織であり、強み、得意をいかに自ら見出すかが大切である。
「ワークスキル」を身につけるためには社会的経験の場が必要である。例えば、アルバイトの場合は、単発バイトや家庭教師など個人で行うアルバイトよりも、企業での仕事や飲食店などチームの一員として行うアルバイトの方が身につけやすい。また、インターンシップでは、企業で働くことのイメージを醸成したり、組織の中での自己スキルの理解につながる。
就労移行支援事業所(地域性はあるが卒業年度より利用可)では、生活リズムの安定、就労上の基本スキル、得意と苦手の自己理解を深める。
このように、学校や家庭以外の大人との社会におけるコミュニケーションの機会が、自己理解、自己受容、自己信頼感のきっかけになるため、社会経験を通じて客観的な自己評価、自己理解を促進していくことが重要になってくる。
就職がゴールではなく、入社後も成長できるかどうかがキーである。
就労移行支援事業所(地域性はあるが卒業年度より利用可)では、生活リズムの安定、就労上の基本スキル、得意と苦手の自己理解を深める。
このように、学校や家庭以外の大人との社会におけるコミュニケーションの機会が、自己理解、自己受容、自己信頼感のきっかけになるため、社会経験を通じて客観的な自己評価、自己理解を促進していくことが重要になってくる。
就職がゴールではなく、入社後も成長できるかどうかがキーである。
<就職活動について>
「自己分析」と「企業研究」を相互的に深めていくことが就職活動である。まず自己分析(自分の想い)を深め明確にしていき、それが企業の想い(企業理念)と共鳴できるかがカギとなる。そのため、「自分のできること・やりたいこと」と「企業の想い」をつなぐ接点を探そう。
<職場での配慮について>
障害者雇用の最大のメリットは、個々に応じた配慮が得られることである。
- 企業には障がいのある人に過重にならない範囲で「合理的配慮」を提供する義務がある
- 本人からの必要な配慮の申し出により、職場と本人との調整の上、設定する
- 働いてみて初めてわかる要配慮事項もあるため、入社後も必要な配慮の調整を継続する
まとめ
- ワークスキルを身につけるためには「社会的経験」が重要である。アルバイト経験や、大学支援者を通じた外部支援(インターンシップや支援期間)への接続をする。
- 社会的経験をきっかけに、自己理解・自己受容を深める。自分の強みと苦手の理解が大切である。
- 人の成長ペースはさまざまであり、歩みが遅くても本人に合った選択をする。必要であれば「回り道」もあり。「回り道」した理由がポジティブであればよい。
- 就職活動は自己の想いを明確にする作業であり、それが企業の想いと共鳴できるかがキーである。自分のできること・やりたいことと企業の接点を見つけていく。
- 障がい者雇用はポジティブな選択肢の一つである。強みを発揮する上で配慮が必要かどうかの判断である。非正規雇用で入り、入社後ステップアップする道もある。
最後に、「一般枠・障がい者枠のどちらを選ぶにせよ、本人が納得し、自主的に選択することが大切です。大学、支援期間、企業(障がい者雇用業界)が連携して社会に出るまでの支援体制を築く動きが出始めています。本人が主体的に最適な選択ができるよう応援していきましょう」とメッセージをいただきました。
参加者の声(一部抜粋)
💬 企業さまの立場からオープンに説明いただき、とても勉強になりました。
💬 聞きやすいお話で、親として不安解消した。
💬 障がい者枠での採用の実態がわかり、納得がいきました。
💬 一般的な就活では自分の強みをアピールすることに重点を置きがちだが、障碍者雇用は強みと弱みをそれぞれ伝えることの重要性を感じました。それが具体的な配慮の希望に繋がり、お互いの理解に繋がるのだと。
💬 成長曲線は人それぞれ。回り道もあり。歩みが遅くても。という言葉に、とても勇気づけられました。
💬 どうしても、先回りして、手を出してしまいそうになります。それをその子のペースで、本人が納得できる選択を見守るということが大切なのだということを感じました。
いかがでしたでしょうか?
情報が不足している障害者雇用について、実態が少しでも皆様にお届けできましたら幸いです。
情報が不足している障害者雇用について、実態が少しでも皆様にお届けできましたら幸いです。
家カレでは今後も、様々なイベントを実施してまいります。
次回のイベントは、2024/2/3(土)13:00~15:00「はたらくみらいキャンパス Presented by ソニーグループ」を開催いたします。
次回のイベントは、2024/2/3(土)13:00~15:00「はたらくみらいキャンパス Presented by ソニーグループ」を開催いたします。
「家でも就活オンライン カレッジ」では、協賛企業、参加大学を募集しています。
ご興味・ご関心のある方は、以下のお問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。
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株式会社エンカレッジ(広報担当:遠藤[えんどう]、窪[くぼ])
HP:https://en-c.jp/
住所:大阪市西区新町1-4-26 四ツ橋グランドビル2階
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