【レポート】対話による働く準備プログラムを実施しました

このたび、NPO法人ディーセントワーク・ラボの高橋様と、LIXIL Advanced Showroomの八重樫様をお迎えし、「対話による働く準備プログラム」を実施しました。

ディーセントワーク・ラボとは?

NPO法人ディーセントワーク・ラボは、障がい者雇用の現場で培った経験と知見をもとに、「誰もが自分らしく働ける社会=ディーセント・ワークの実現」を目指して活動されている団体です。
ディーセントワーク・ラボ
 

「ディーセント・ワーク」とは?

ディーセント・ワークとは、「働きがいのある人間らしい仕事」と訳されます。
働くことで得られる収入だけでなく、「ありがとう」と言われる体験や、「人の役に立っている」と実感できることも、働くよろこびの一部です。これらのバランスがとれていて、さらに生活の安定や社会保障が整っている状態こそが「ディーセント・ワーク」だと教えていただきました。
今回は、高橋様をファシリテーターとして、相手を理解する対話、自己理解を深める対話をテーマにグループワークを実施しました。

「対話」とは何か?

今回のワークでは、講義形式ではなく「対話」がキーワードでした。
対話とは、自分の思いや考えを伝える「話すこと」と、相手の言葉に耳を傾ける「聴くこと」を通じて、互いの理解を深めるプロセスです。
グループでの意見交換を通して、「相手はこう考えるのか」「自分はこう感じているのか」という気づきが生まれ、自然と自己理解にもつながっていきました。
「対話」とは何か?
 

メンタルモデル(=主観フィルター)を知る

最初のワークでは、赤信号で横断歩道を渡っている人の写真を見て、「あなたはどう感じましたか?」という問いかけから始まりました。
参加者からはさまざまな意見が出ました。
「危ないから声をかけたい」
「ルール違反なので注意したい」
「その人の判断だから気にしない」
この多様な意見の背景には、人によって異なるメンタルモデルがあり無意識の判断が働いていることを学びました。
人は誰しも、これまでの経験や価値観から無意識に物事をジャッジしています。 例えば、過去に家族が事故に遭った経験がある人は、赤信号を渡る人に対して強く「やめてほしい」と感じるかもしれません。 一方、信号無視が当たり前だった国で生活した経験がある人は、「自己責任でいいのでは」と捉えるかもしれません。
言葉や感情の背景にある経験や価値観に目を向けることで、相手への理解がより深まることを実感しました。
メンタルモデルを知る
 

価値観を共有する対話

次のグループワークでは、相手のメンタルモデルに関心を持ち聞き出す質問のワークを行いました。
「自由」「探求」「愛」「素直さ」「好奇心」などのワードから、自分が大切にしているものを1つ選び、他者が大切にしている言葉の背景を聞き取りました。
同じ言葉を選んでも、そこに込められた意味や理由は人それぞれ。
お互いに問いかけをし合い、相手の価値観の深い部分に触れていくことができました。
対話を通じて、相手をより深く理解すると同時に、自分自身を見つめ直す機会にもなったことが印象的でした。
価値観を共有する対話
 

参加者の声(アンケートより)

  • 自分への理解を深め、また一歩前進できるいい機会になったと思います。
  • 自分の中での内的対話をしっかりと行うことで自己理解が深まり、就活にも役立つというお話を聞かせていただき、自分としてはまだ自己理解が足りないと思うので、内的対話をこれから意識していこうと思った。
  • 内的対話の重要性や、実際の仕事の内容(一部だが)が分かって良かった。
  • コミュニケーションの前提となるお話をしていただいて学びになりました。特に発達障害を持つ方はコミュニケーションの暗黙のルールを知らなかったりすることもあるので、明文化して説明してもらえることはありがたいです。

ディーセントワーク・ラボ 高橋様よりメッセージ

皆さんの中にはコミュニケーションが苦手・疲れると感じる人もいるかもしれません。その場合、就職活動や職場でコミュニケーションを求められるのは不安ですよね。
でも、もしあなたが心から「これを実現したい!」という目標が見つかったとき、その道を進んでいくためには、誰かの助けや協力が必要になる場面がきっと出てきます。対話による自己理解や他者理解の方法があなたを助けてくれると思います。
まずは、あなたのことを理解してくれる人との対話からはじめて、あなた自身が何を感じているかを言葉にしてみてください。自分に対する理解が深まったとき、相手との関係も少し変わっているかもしれません。
私たちディーセントワーク・ラボは、企業で働く人に対しても、対話による相互理解の必要性を伝えることで皆さんを応援しています。皆さんがやりがいのある仕事に就き、いきいきと働く姿を楽しみにしています。
■次回予告
LIXIL Advanced Showroomの八重樫様からの会社紹介と仕事体験プログラムについては、次回のレポートでご紹介いたします。お楽しみに!
エンカレッジ早稲田駅前では、開かれた場所であり、企業・大学・支援機関・医療機関のみなさまとの協働で、ひとりひとりの就職活動を応援しています。
実際に、人事の方や一緒に働く方とお会いしてお話をすることで、職場の雰囲気を感じることができます。
どなたでもいつでも見学できますので、ぜひ覗きに来てください。