【イベントの様子】働くチカラPROJECT就活ゼミVol.3「就職はゴールではなくスタート」

発達障害のある学生のための就職準備プログラム 働くチカラPROJECT
就活ゼミVol.3「就職はゴールではなくスタート!~自分に合った働くを考えよう~」を実施しました。
当日の様子を少しお届けいたします。

働くチカラPROJECTとは?

働くチカラPROJECT
 
発達障害やコミュニケーションが苦手な学生にとって「就職に役立つ」「楽しく学べる」「仲間がいる」「自信がつく」「安心できる」をコンセプトに、働くための土台をつくるためのさまざまな講座や企業見学、しごと相談などを提供いたします。

就職はゴールではなくスタート!~自分に合った働くを考えよう~

今回の講師は、前回のVol.2に引き続きNPO法人わかくさ福祉会 障害者就業・生活支援センターTALANTの横山泰久様です。
企業の人事担当として障害のある方の採用や一緒に働いたご経験から、働き続けている方の特徴、うまく続けることが難しくなった事例について教えていただきました。
<今回のお話の内容とポイント>
  • 働き続けるための土台・原動力
  • 戦力となる⇒やりがい⇒働き続ける
  • 働き続けるためのスキル
  • 自分に合った仕事
  • 就労の事例~働き続ける~
あなたが働く理由や動機は何ですか?
 
講義のお話は、「あなたが働く理由や動機は何ですか?」という問いからスタートしました。
突然質問されて、すぐに答えられる人は少ないかもしれません。
ここでのポイントは、社会人らしい答えや周囲から認められるような答えを見つけるのではなく 自分自身との対話をして自分なりに考えて出した答えでよいという点です。
自分なりの動機があることで、働く中で辛い時や苦しい時、くじけそうになった時に思い返して立ち戻る原点となるというお話でした。
働く動機は自分の心の支えとなってくれます。ですので、じっくりと自分と対話をして探してみてください。
次に働き続ける原動力となるものは、小さくてもひとりの戦力となる意識でした。
会社で働く上では、その会社での方針や目標、目指すゴールがあります。
そこに向けて自分ができることをすることや、自分の役割意識を持って業務を行うこと完全でなくてもできることを少しずつ増やして戦力となっていくことが重要というお話がありました。
会社の目標やゴールと異なる自分のやりたいことだけをしている状態は戦力には繋がりにくい働き方となります。
会社の方針に沿って業務をすると、貢献となり周囲から認められ、必要とされていることや役に立っているという 実感が得られるようになります。
そうすると、仕事にやりがいを感じたり、働きがいを感じたりするようになり、プラスの循環でステップアップに繋がりやすくなるというお話でした。
働きづらさの事例
 
ここから働きづらさの事例のお話です。
職場では、様々な方と一緒に働くことと思います。
上司もいれば、同じ時期に入社した同期、後から入社した後輩もいます。
その中で、人と比べて落ち込んだり、自分に自信をなくしたりすることで仕事も益々うまくできなくなり、体調を崩すという一例がありました。
誰でも人と比較して自信をなくすことはあると思いますが、ポイントとなるのは
・自分の考え方を客観的に振り返ることができるか
・自分の考え方や捉え方の癖にはどのようなものがあるか
・思考の切り替えやリフレッシュができるか

のように、自己理解の深め方や工夫・対処を見つけて実践していけるかという点です。
人と比べて落ち込んだことがない人はほとんどいないと思います。
人と比べてどうかではなく、過去の自分と比べて今の自分の成長を見ていけると良いです。
また、他の人にできて自分にできないと考えがちですが、自分が会社に貢献をしている業務があり、自分の役割があるはずですので、自分の行っている業務の意義や役割に目を向けられると良いです。
エンカレッジの自己理解講座でも人と比較をしてしまう癖や考え方、捉え方の癖についての理解を 深めていく内容があります。
落ち込んで前に進みにくい方は、就労移行支援事業所でサポートや訓練を受けると快方となることがあるとお話をしてくださりました。
うまくいかない時には、自分自身で取り組めることと、環境の調整をすることで解消できることもあります。
そこで重要なのは、相談をすることです。
相談をすることで、理解を得て企業ができることを検討して環境調整してもらえることがあります。
双方のコミュニケーションで働きやすい職場がつくられていきますので何かあった時にはすぐに諦めるのではなくまずは相談をしてみることを大切にしていきたいですね。
自分のできることを増やしていくことの大切さ
 
最後のトピックは、自分のできることを完全でなくても少しずつ増やしていくことの大切さについてです。
はじめにお話のあった、小さくても戦力になると繋がるお話でもありました。
小さな積み重ねで大きな力となります。
どの企業でも社員のみなさんの成長を願っているものです。
少しずつできることを増やしていくこと、挑戦していくことで自分のやりたいことやキャリアアップにも繋がっていきます。
働くことや就職活動についての疑問
 
お話の後にはたくさんの質問があり、働くことや就職活動、企業のことについての疑問について、横山さんに実際をお聞きすることができました。
イベント終了
 
今回、ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました!
またお会いできるのを楽しみにしています。

参加者アンケート

  • なぜ働くのか?という問いに真剣に向き合うことができました。(学生)
  • 働くことは少しずつ負荷を上げていくのが良いというお話になるほどと思いました。(ご家族)
  • 就労移行訓練は遠回りのようだけど働き続けるための近道という言葉が、これまで大学卒業と同時に就職してほしいという自分の考えを改めないといけないと感じました。(ご家族)
  • できることを増やす・磨くことで、本人の可能性を広げることができのだとかんじました。(ご家族)
  • 事例はイメージしやすかったです。(学生)
  • 働く動機がしっかりしている事が大切だと知ることができました。
  • ライフスキル→ソフトスキル→ハードスキルのお話が印象に残りました。ハードスキルに注目するより前にまずは生活リズム、更にコミュニケーション力などを身に着けるのが肝要ということがよくわかりました。(学生)
  • 考え方の癖は就労訓練で修正できるというお話が印象に残りました。(学生)
  • 自分の長所・短所を理解し、ライフスキルの安定に取り組んでいきたいです。(学生)
  • ライフスキルが大切であることとライフスキルが不足していることによってどのように悪影響するかを学びました。(学生)
次回の働くチカラプロジェクトのプログラムは、企業へ行ってみよう!ポールトゥウイン株式会社です。
テーマは「ゲームデバック会社の人事が語る、採用についての本音!~ゲームデバックなど、仕事の裏側に迫る~」です。
企業へ行き、会社説明、先輩社員のお話を聞き、職場見学などができます。
ぜひ、ご参加ください😄

横山様よりメッセージ

今回も質疑応答では学生さんからもご家族の方からもたくさんご質問をいただきました。ありがとうございました。
就職はゴールではなくスタート、ということが皆様に伝わり、ご自身と向き合い考えるきっかけになったとしたらとても嬉しいです。
また、今年度のこのプログラムで私自身もまだまだ学び続け、磨いていかなければならないことに気付かせていただきました。
ご聴講いただいた皆様とエンカレッジスタッフの皆様に感謝いたします。
今後もひとりひとりが強みを活かしてイキイキと働けるように、長く一緒に働くために、企業のみなさんと一緒に知り・学び・経験する機会をつくっていきますので、今後もぜひご参加ください。
このような機会を一緒につくっていきたい企業のみなさまからのご連絡もお待ちしています。