できないことは工夫を見つけて対処すればいい(他3事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今今回は、2024年8月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、4つのストーリーをお届けします!

就職事例1)できないことは工夫を見つけて対処すればいい

エンカレッジ大阪 ご利用者Nさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Nさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム、ADHD
  • 【利用期間】11か月
  • 【職種】一般事務
 
エンカレッジでの10ヶ月間を振り返ると、体調面が大きな課題でした。
私は10月の利用開始の直前まで働いており、それも不規則な勤務時間であったため、週5日間の通所はハードルが高いと思い、水曜日をOFF日に設定し利用を開始しました。
日々生活を送る中で、自身の障害特性にコンプレックスをまざまざと感じるようになり、メンタルの不調で休む日が多く出てくるようになりました。
相談することに不慣れで、相手に上手く状況説明できる自信もなく、一人で抱え込んでは鬱々とする日々が長く続きました。
ところが、2回目の懇談会の際、前途の悩みを相談する機会があり、スタッフの方が「できる自分とできない自分をバランスよく受け止める」大切さを教えてくださいました。懇談の中でいただいた励ましの言葉もあり、心が軽くなったことをよく覚えています。
新年度になり、スタッフのアドバイスで、毎日の生活記録をつけ始め、規則正しい生活リズムを意識するようになっただけではなく、細かい体調の変化に注意しました。
結果的に、難しく感じていた週5日間の通所が可能になっていき、エンカレッジ最後の10日間の実習で大きく効果を発揮したと思います。
ここまで振り返り感じることは、相手に自分の思いを伝える大切さと難しさです。
未だに自分のコンプレックスを消化できてはいませんが、相談を通じて「できないことは工夫を見つけて対処すればいい」といった考えを持てるようになっています。
この考えが持てるまで、時間はかかりましたが、根気強く私と向き合っていただいたスタッフの方々には、本当に感謝しております。
エンカレッジでの気づきと学びを忘れず、これからも自分らしくコツコツと頑張ります。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Nさんは退職後すぐにエンカレッジを利用されました。
当初はOFF日を設定され体調不良から休みがちな時期もありましたが、実習などを通して自分の強みを見つけ、特性に対する工夫や対策を考えていく中でメキメキと自信をつけ、週5日通所できるようになり、長期実習もやり切れるところまで成長されたことがとても印象に残っています。
障がいを持つ自分自身と向き合うこと、生活記録をつけること、他者のフィードバックを受け入れて修正できること、どれも「真面目にコツコツ取り組みアドバイスを素直に受け止めてチャレンジできる」Nさんの強みが発揮されたことだと思います。
就職してからも不安や緊張などなど、乗り越える壁がたくさんあるかと思いますが、相談する術とエンカレッジで自信を身につけたNさんなら、きっと大丈夫です。これからも応援していますね!
本当にご就職おめでとうございます!!
(エンカレッジ大阪 スタッフY)

就職事例2)エンカレッジで学んだことを就職でも生かして頑張る

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Sさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Sさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム
  • 【利用期間】1年5ヶ月間
  • 【職種/業務内容】取扱説明書の折り作業、封入作業、アンケート用紙準備
 
私が初めてエンカレッジに体験に来た時は、すごく緊張していて、コミュニケーションや報連相などもあまり上手ではありませんでした。
でも、オリエンテーションやスタッフからのアドバイス、グループワークなどを通じて、コミュニケーションや報連相ができるようになってきてよかったと感じました。
他にも利用者の方々とお話をしたり、UNOやトランプ、ジェンガなどのボードゲームをしたり、ソーシャルクラブで博物館や水族館に行ったりしました。エンカレッジには楽しいこともたくさんあったので、とてもいい経験になりました。
このエンカレッジで学んできたことを、就職でも生かしていけるようにがんばりたいと思います。
メモをとることや分からないことや作業の手順が合っているかどうかなどはすぐに相談をできるようにしたいです。
1年5か月の間本当にありがとうございました。
就職事例53-02-1  就職事例53-02-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Sさんは大学卒業後にエンカレッジの利用を開始されました。
通所開始以来一度も欠席・遅刻をすることなく、利用されていた1年5か月間皆勤で通われました。どんな講座やプログラムに対しても真面目に、そしてたくさん楽しみながら取り組んでおられたのが印象的です。
実習にもたくさん参加し、その都度フィードバックされたことをしっかり受け止めて、すぐ改善しようと行動に移しておられました。
これからもそういったSさんの真面目で素直なところをたくさん活かしつつ、周りの方とたくさんコミュニケーションもとりながらお仕事をしていただければと思います。応援しています!
(エンカレッジ心斎橋 スタッフI)

就職事例3)不安な時や困った時は必ずスタッフの方が近くにいてくれた

エンカレッジ天満橋 ご利用者Oさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Oさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】注意欠如・多動症(ADHD)
  • 【利用期間】10ヶ月
  • 【職種/業務内容】医療器具・材料の管理・消毒・滅菌・配置業務
 
スタッフの方々皆、物腰がやわらかくとても優しく接して下さって事業所の雰囲気も良かったです。
相談も丁寧に聞いてもらえて、不安な時や困った時は必ずスタッフの方が近くにいてくれるのでとても声がかけやすい環境が備わっていたこともとてもありがたかったです。
いつでもあたたかく接してくれる環境で実習、就職の際などもとても手厚くサポートをしてもらえて本当に助かりました。
感謝しております。エンカレッジに入所して良かったです!
ありがとうございました。
就職事例53-03-1  就職事例53-03-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Oさんは通っていた専門学校での課題や、前職の業務などをスムーズに進めることに難しさを感じ、病院を受診して発達障害の診断を受けられました。
診断を受けたことをきっかけに、地域の就業・生活支援センターへ相談に行き、エンカレッジの利用に繋がりました。
生活リズムに課題があり、出席できた日数は限られていましたが、誰に対しても明るい笑顔で積極的にコミュニケーションをとることのできるOさんは、メンバーの皆さんにとって話しやすい存在として親しまれていました。
事業所のボーリング大会では、同じグループになった方に投げ方のコツを教えてあげたことで、その方のスコアが事業所内で一位になるという出来事もありました。
実習先では職場の皆様ともすぐに打ち解けられ、手先の器用さを高く評価されたこともあり、Oさん自身も自分に合っている職場だと感じたようです。二度の実習と面接を経て内定となりました。
明るく素直で優しいOさんが、自分らしくイキイキと働き続けられるように、私たち支援者が引き続きサポートさせていただきます。ちょっとしたことでも気軽にご相談くださいね。末永く応援しています。
(エンカレッジ天満橋 スタッフU)

就職事例4)社会人としてどうあるべきかを再度学んだ

エンカレッジ京都 ご利用者Iさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Iさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】アスペルガー症候群
  • 【利用期間】7ヵ月
  • 【職種】事務・事務補助
 
この度9月からR会社に就職が決まりました。エンカレッジ内としては2回目の就職となりました。
前職を通して自分に何が足りなかったのか、社会人としてどうあるべきかをもう一度エンカレッジで一から学びました。
エンカレッジで学んだことを実習に活かし、就職に繋げることが出来ました。
正直、2回目の利用で一発目の実習でこんなに上手くいくと思わなかったので自分でも驚いています。
エンカレッジで学んだことを忘れず、また社会人としてのルールを学び、就職して良かったと思えるように、無理のない範囲で頑張りたいと思います。
約半年間お世話になりました。ありがとうございました。
就職事例53-04-1
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
エンカレッジをご利用して約4年就労されていましたが、離職され再利用となりました。
どんなプログラムにもリーダーシップと責任感をもってプログラムに取り組んでくださり、実習でも真面目さ・素直さを高く評価されました。
1度目の利用時は、他のご利用者さんとの関係性に悩むこともありましたが、今回の利用では協調性を意識しながら過ごし、周りからも頼られる存在となっていました。
前向きで「前職の時の失敗を繰り返さないようにしたい」と力強く仰っていたのが印象的で、その姿勢は私も見習わなければといつも思わされていました。
頑張りすぎなところがあるので、就職後も無理ないペースで仕事に取り組んでいってもらえるといいなぁと思います。
新しいスタートとなりますが、これからも一緒に頑張っていきましょう!
(エンカレッジ京都 スタッフO)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!