気持ちを伝える事の大切さを学んだ(他3事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2024年4月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、4つのストーリーをお届けします!

就職事例1)気持ちを伝える事の大切さを学んだ

エンカレッジ早稲田駅前 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ早稲田駅前 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】うつ病
  • 【利用期間】6か月
  • 【業務内容】開発部での業務等
 
初めてエンカレッジに伺ったのは、3年ほど勤めた会社を辞めた直後で、自分に合う就労移行支援事業所がどこなのか判らず、4,5箇所ほど事業所を回っていた頃でした。
どの事業所も一長一短があり、決め手に欠けていたのですが、最終的には通所者の方々の元気の良さを感じたエンカレッジに決めました。
入所してすぐにインターンの長期参加が決まり、通所回数は少なかったのですが、インターンシップ実施日は電話報告を通じて支援をしてくださり、通所時はインターンにおける課題の洗い出し・困りごとの解決・ちょっとした雑談など、幅広い分野で細やかなサポートをして頂きました。

私がエンカレッジを通して学んだ事は、人に自分の気持ちを伝える事の大切さです。
これまで社会人経験は何年かありましたが、「疑問点はあるけど、話の腰を折るのは嫌だな」「不安はあるけれど、話すと気弱な印象を与えるかな」。そのように考えがちで、気持ちに蓋をしながら過ごして来ました。
けれど、1度そう振舞ってしまうと折角の疑問や不安を解消する機会を逸してしまいます。
疑問や不安は大きくなり、徐々に体調悪化に繋がっていきます。
そうならない為には、人に気持ちを素直に伝えてみる事。相談の機会をフルに活用する事が自分の心身を守る為の手段になる。そう気付かせて頂きました。
この経験を活かして、新天地でも心身の健康第一で頑張っていきます。本当にありがとうございました!
就職事例49-01-1  就職事例49-01-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご就職、おめでとうございます。前職の業務経験から、ご自身でやりたいことの方向性が決まっていたからこそインターンシップへの参加の決断を素早くして、応募に向けた行動力も素晴らしかったのが今での印象的です。
インターンシップをしながらもエンカレッジに通所し、面談では前職での厳しい経験を悲観的なものにせず、分析をして学びにされていました。
インターンシップ中には、同期のみなさんとの関わりやプログラム参加の中で時には躓くこともありましたが、小まめな相談を意識してアドバイスを真摯に受け入れながら、ご自身で乗り越えておられました。
今後も経験を学びに変えて、スキルアップを目指していってください。そして休むことも大切にしてください。引き続き、応援しています!
(エンカレッジ早稲田駅前 スタッフW)

就職事例2)実行することや反応を見ることの重要性を感じた

エンカレッジ早稲田駅前 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ早稲田駅前 ご利用者Yさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】ASD
  • 【利用期間】2年5ヶ月
  • 【業務内容】アプリ開発
 
「就活」に対する印象は芳しくなく、あまつさえ「企業」によくない印象を抱いていた私も、思い込みに強く支配されていたことを思い知らされました。
企業側が求めていることを過大に評価し、自分の技能を過小評価したりと客観的な裏付けに基かないことの危うさも学べました。
依然として独力でなんとかすることに固執しがちという課題が残ってしまいましたが、ここからはチームで働くことが多くなっていく関係上、ほかの関係者への「滞った場合に起きる損失」も考慮に入れていく必要があることを念頭に置いて精進したいと考えています。
実際に実行する、実際の反応を見ることの重要性を学べた通所期間だったように思います。今までありがとうございました。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご就職おめでとうございます!
約2年半と長い道のりとなりましたが、ここまで本当にお疲れさまでした。
いつもマイペースで、片手にコーヒー、片手にスイーツを持っている姿が鮮明に残っています。
就職活動では何件見学、面接に同行したんだろうというくらい動き回りました。
しかし、就活は動いた分だけ成果が出るわけではないので、結果に恵まれず、モチベーションが下がることもあったかと思います。
ただ、他の人よりも沢山の社会経験をしたからこそ、就活、企業に対する印象が少しずつ変わったのかなと思います!
仕事でもたくさんの経験をして、着実にステップアップしていくことを応援しております!
(エンカレッジ早稲田駅前 スタッフT)

就職事例3)自分自身の知らない一面や適性が見つかった

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Mさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Mさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉スペクトラム症
  • 【利用期間】1年5か月
  • 【職種/業務内容】梱包
 
私が最初にエンカレッジに来た際は「早く就職する」という事しか頭に無く、とある出来事がきっかけで人を信用出来なくなっていたという事もあり、焦る気持ちだけがありました。
ですがエンカレッジを通して実習や講義を通して自分自身を見つめ直す事が出来て就職に向けて一歩ずつ前進しました。
その中で、自分の知らなかった一面や適性、今まで隠し続けていた思いなどが見つかり、自分に自信を持てるようになりました。また、日々の報連相やオフィスワーク、ソーシャルクラブを通して人と関わる大切さも学ぶことが出来ました。
スタッフにも沢山助けて頂き、わがままを言ったり、反抗した事もありましたがそんな自分でも支えになってくれて、とても感謝しています。
就職してからも大変な事は沢山あると思いますが、エンカレッジで学んだ事を生かしつつ頑張っていきたいです。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご就職おめでとうございます。利用開始当初から就職に向けて面接の練習など頑張っておられましたね。
講座などを通して自己理解を深め、必要なスキルや体験についても「やってみる」というチャレンジ精神で、ひとつひとつ身に着けていかれた事も印象深いです。
その中で時には不安になることもあったかと思いますが、積み重ねてきたことが決して無駄になっていないと気付いてからは、就職まで意外と早かったのではないでしょうか。
真面目でコツコツ積み上げることが強みだと思いますので、この先も着実にスキルアップを目指して頑張ってください!
(エンカレッジ心斎橋 スタッフN)

就職事例4)「コスト」を増やさずに回復しやすい環境を整えたい

エンカレッジ大阪 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Kさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代
  • 【障害種別】自閉スペクトラム症/うつ病
  • 【利用期間】1年
  • 【職種/業務内容】庶務業務
 
利用開始からおよそ一年で就職が決まりました。私自身実感はありませんが、親曰く何か変わったそうです。具体的にどこがと言われると本人だからこそ分かりませんが、いい方向に変わったそうです。恐らくそういいところが実習で評価されたのではないでしょうか。
前々から思っていましたが、自分と他者で一日にできることの量が違うというか。何か一つ決めたり、行動したりするのに何かしらの「コスト」を消費して我々は生活しています。
私の「コスト」の上限なのか行動するための「コスト」消費が重いのかわからりませんが、他者よりも行動できる回数が少し少ない気がします。
「コスト」を増やすのは難しいかもしれませんが、「コスト」を回復しやすい環境にこれから得ることができるリソースを遣い整えていけたらいいなと思っています。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Kさんは他者とのかかわり方が上手で、事業所のムードメーカーのような方でした。就職先のお仕事は社内の方とのやり取りが必須なので、雇用前実習では特にコミュニケーションについて高く評価をいただき、就職に至りました。
日々、心身の調子の波はお持ちでしたが、利用期間の後半は、自身が頑張り過ぎていることや調子の変化に気づいて、上手く力を抜きながら活動することができていたように思います。
少し自分のために余裕を作れるようになったことや、余裕ができたことによって、物事や自分に対する考え方が広がったことが「なんか変わったね」につながっているのかもしれません。
Kさんが「ここでなら安心して働けるかも」と思える職場に出会うことができ、その職場の皆様がKさんの魅力を正面から感じてくださって、とても嬉しいです。
自分のペースで、長く楽しく、自分に自信をもって働けるようにサポートしていきたいと思います。
(エンカレッジ大阪 スタッフY)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!