学びや経験を経て社会人として恥ずかしくない人間になれた(他3事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2024年2月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、4つのストーリーをお届けします!

就職事例1)学びや経験を経て社会人として恥ずかしくない人間になれた

エンカレッジ京都三条 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Yさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】ADHD
  • 【利用期間】1年8ヵ月
  • 【職種】デバック・テスター業務
 
長期にわたりサポートいただき、本当にありがとうございました。

スタッフの方々には、様々な面で助けて頂きました。入所してから私が大学を卒業するまでの半年間は特に通所が不安定で、用意していただいている就活のプログラムがほとんど進められていませんでしたが、それでも辛抱強く向き合っていただいたこと、誠に感謝しております。
欠席や遅刻をしてしまう日があった時、気まずさを感じることなく積極的に通所できたのは、優しく丁寧に接していただいたスタッフの方々と、和やかな雰囲気を作ってくれた利用者の仲間たちのおかげです。

また、就活の具体的な活動でも大きくサポート頂いており、面接準備やES作成は特に丁寧に助けて頂きました。
自分の得意や長所を分析するのは非常に苦手な分野であり、1人では絶対に完成できなかったと思います。
また、家族間や利用者間でのコミュニケーションに関するトラブルにも親身に考えていただき、心の支えとなりました。
エンカレッジでの学びや経験があって、ようやく社会人として恥ずかしくない人間になれたと思っています。
これからも、入社できたことに油断することなく、永く働けるよう精一杯努めてまいります。改めまして、長い間本当にありがとうございました。
就職事例47-1-1  就職事例47-1-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
利用開始当初は、朝の起床や時間管理、眠気への対策など、様々な点で苦労されていました。しかし、Yさんはそのような課題に対して、スタッフと一緒に積極的に取り組まれてきました。
その結果、自身の苦手な部分にきちんと対策を取ることができ、見事に希望する企業での就職を果たされました。
Yさんは振り返る力が非常に高く、1つの経験から多くのことを学び吸収されていたことも印象的です。
就職後については、IT系のスキルを用いて開発補助の仕事に携わることを目標とされています。目標に向かって着実に歩みを進めるYさんの姿勢は素晴らしいと感じます。
今後も、1つずつ目標に向けて積み重ねていくことを応援しています。
(エンカレッジ京都三条 スタッフY/スタッフN)

就職事例2)学びでビジネススキルが変わった

エンカレッジ京都三条 ご利用者Aさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Aさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム/ADHD
  • 【利用期間】2年1ヵ月
  • 【職種】清掃業務、PDF業務等
 
エンカレッジに入ってからビジネスマナーや自己理解など、様々なことを学ばせて頂きました。
入所前と今では、ビジネススキルがかなり変わったように感じます。本当にありがとうございました。
就職事例47-2-1  就職事例47-2-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
おしゃれが大好きで、長身で、男前なAさんは、座学では少し眠くなってしまうものの、就職活動に対しても全力で取り組まれてきました。
全力になるがあまり、グループワーク等では他のご利用者とぶつかることもありましたが、そうした自身のことも理解して、実習先では見せないように気を付けるなど、メリハリをもって就職活動に励んでこられました。
独特な価値観で少し他のご利用者とは距離を置いて過ごされることもありましたが、就職先企業にはご本人と気の合う先輩がたくさんおられたようで、毎日楽しそうに実習に励んでおられました。
どちらの環境が良い悪いではなく、今回の就職先がご本人にとってはとてもマッチしたということなのだろうと思います。
「ここで内定がもらえて、本当に良かった!」と話しておられました。ご自身が「働きたい!」と思える企業と出会え、本当に良かったです。
体調にはくれぐれも気を付けて頂き、長く活躍を頂けると嬉しいなと思います。
(エンカレッジ京都三条 スタッフN)

就職事例3)社会人としてのマナーを学べた

エンカレッジ早稲田駅前 ご利用者Oさん
  • ▶ エンカレッジ早稲田駅前 ご利用者Oさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム
  • 【利用期間】11か月
  • 【職種】郵便物の受取・仕分け、館内集配、ポスタリア作業
 
私は元々別の事業所の利用を考えていたのですが、お世話になっている大学のカウンセラーさんに勧められてエンカレッジに見学に行きました。実際に体験してみて、ここなら本質的に成長できそうだと感じ、利用を決めました。
エンカレッジのスタッフさんはピンポイントでアドバイスを下さるので、改善しやすかったです。
また、自分で会社を探すのは苦手な私にとって、希望の事務職の会社をいくつか紹介してくださってありがたかったです。社会人としてのマナーを学べたと思います。本当にとてもお世話になりました。
就職事例47-3-1  就職事例47-3-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
説明会の日の当日、今から大丈夫ですか?と見学に来てくださった日のことを覚えています。
ソーシャルクラブに興味を持ってくださったことや、事業所の雰囲気、対面での面談時間がちゃんとあることなど、エンカレッジが良かった理由を教えてもらえ、私たちも嬉しかったです。
Oさんの就活に向けての歩みは、前半は少々つらく、落ち込んだこともあったように思います。
私も企業さんからの辛辣なフィードバックを伝えねばならなかったのですが、それはあまりにも強烈に目や心に突き刺さってしまうので、私からお伝えをしましたね。
でも、あの出来事をきっかけに、Oさんはメキメキ成長を遂げられました。 Oさんは、他者からのフィードバックを真摯に受け止め、ならばどうすべきか即実践でき、その回復力が素晴らしいところです。
体験実習でも、雇用前実習でも、その力を発揮されました。
自分にあった環境の職場に出会え、本当に良かったです。
そして、これからのスタートを応援しています!
(エンカレッジ早稲田駅前 スタッフT)

就職事例4)考え方の柔軟性を身に付けた

エンカレッジ天満橋 ご利用者Oさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Oさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】30代後半
  • 【障害種別】ADHD/広汎性発達障害
  • 【利用期間】1年1カ月
  • 【職種】商品管理サポート・縫製
 
私がエンカレッジで過ごして身に付けたもので特に大きいと思えたことは考え方の柔軟性だと思います。
様々な価値観をグループワークで目の当たりにし自分と他者との分離を意識することで、各々の正解があってもいいし答えが出なくても大丈夫だと思えるようになりました。
そのなかで自分とは違う生い立ちの方に対して羨んだり、劣等感を感じることもありました。
さまざまな感情が渦巻いて混乱することもありました。
そういったことを面談で整理したり講座や実習の体験で気づいたことと掛け合わせて、自分がしんどくならない働き方・生き方を探していきました。
前向きに考えられるようになるまでには半年程度かかりましたがそれはそれでよかったと思っています。
中立の立場で物事が考えられるようになり、自分がどうしたいかを見つけられました。
他にもPC記録会で目標に挑戦したり、全く使えなかったExcelも少しずつ使えるようになっていく達成感がありました。
自分が普通に出来ることでも他者から見れば実はとてもすごいことだったりするという発見もありました。
面接練習ではスタッフの方々に大変お世話になりました。
練習の相手が変わることで伝え方の要点をつかむことができ、企業の方にも自分のことを齟齬なく伝えられたと思います。
おかげさまで希望する企業に入社できました。ありがとうございます。
就職事例47-4-1  就職事例47-4-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Oさんは周囲の様子をよく見て、相手に合わせた物腰柔らかい関わり方をされる方なので、エンカレッジのメンバーにとって面倒見の良いお姉さんのような存在でした。
困っている人を放っておけない思いやりに溢れたOさんだからこそ、自分のことよりも周囲のことを優先しがちで、知らず知らずのうちに疲れやストレスを感じておられることもありました。

Oさんは前職で辛い経験をされ、働くことへの怖さを感じておられました。いろいろな状況で過去を思い出して辛い気持ちが蘇り、涙されることもありました。
それでも果敢に実習にチャレンジされ、1か月の間に2社の体験実習を経験されたこともありました。
エンカレッジでの講座やメンバーとの関わり、スタッフとの面談等を通して、他者のことよりもまず第一に自分自身のことを優先して良いという気付きがあったようです。
その後、ご自身のやりたいことや思い描く将来像をじっくり考え、働きたい!と思った会社の面接に臨み、無事に内定となりました。
入社はゴールではなくスタートです。これから楽しいこと、大変なこと、嬉しいこと、悔しいこと…いろいろな出来事があると思います。
そんな時、喜びを共有したり、ちょっと弱音を吐いたりできる場が、エンカレッジにはあります。これからも、エンカレッジのスタッフやメンバーはずっとOさんを応援しています。
(エンカレッジ天満橋 スタッフU)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!