「こんな自分にも出来ることはある」自信がつき就職活動に身が入った(他3事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2023年12月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、4つのストーリーをお届けします!

就職事例1)「こんな自分にも出来ることはある」自信がつき就職活動に身が入った

エンカレッジ大阪 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Yさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】ASD
  • 【利用期間】2年
  • 【職種】データ入力、軽作業など
 
2年間大変お世話になりました。おかげで特例子会社への就職を掴み取ることができました。本当にありがとうございます。
エンカレッジの利用を始めた頃は、前職での無能感を引きずって「自分は何も出来ない」と思っていた時期でした。が、エンカレッジでのオフィスワークやワークサンプル、職場実習を通じ「こんな自分にも出来ることは多少でもあるんだ」と少し自信がつき就職活動に身が入っていきました。
就職活動を始めた頃はまだ障害特性を含む自己理解があまり進んでおらず、志望動機等も書くのが下手でした。が、支援者の方々の助力による第3者の視点を踏まえて自己理解を進めて行くことができ、志望動機に関してもアドバイスを頂いてどんどん書けるようになっていきました。求人検索や面接練習もして頂きとても助かりました。
こうして再び就職することができたのはエンカレッジの支援者の方々と、共に過ごしてきた利用者の方々のおかげだと思っています。本当にありがとうございました。
2年間過ごしてついに掴み取ったご縁を無駄にしないためにも、何より自分自身のためにこれからも頑張っていく所存です。
就職事例45-1-1
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Yさんは前職でかなりの苦労をされてのエンカレッジ利用でした。
就職活動を利用開始ほどなくはじめられ、そこからとても長い道のりとなりました。積極的に求人を探され、ハローワークへ行き、情報を持ち帰ってくることもありました。
面接も回数を重ねるごとに自己理解が進み、自身の強み課題を的確に伝えることと、課題に対しての対策などもしっかりとお伝えすることが出来るようになって行きました。
決して甘えることはなく、志望する企業に合わせて職務経歴書を見直し、「面接練習をお願いします。」と自身から声を掛けてくださり、印象としては毎週どこかで面接練習をしていたような気がするくらいでした。いつどんな時も慌てることなく準備を整えておられ、面接や実習に挑む姿はとても頼もしかったです。
就職活動では、働きたいという想いがしっかり企業様に届き、内定をいただくことができました。Yさんの面接などがキッカケで企業の社長様がエンカレッジに見学に来られるなど新しい道も作ってくださいました。これからのYさんのご活躍を期待しております。
(エンカレッジ大阪 スタッフS)

就職事例2)「生きるコツ」をつかめてきたと自負できる

エンカレッジ京都 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】ASD
  • 【利用期間】1年4ヶ月
  • 【職種】有料老人ホーム・ケアサポーター
 
エンカレッジに通い始めて1年半近く。長かったのか短かかったのか、あっという間に過ぎた利用期間でしたが、これまで、ごく僅かな世界で生きてきた自分が、いろんな人や物、価値感・概念と出会えた貴重で濃い期間だったと思います。
就職経験がない状態での入所だったので、わからないことだらけで苦労することもありましたが、ちょっとは「生きるコツ」をつかめてきたのではないかと自負することができました。自分としても人への感謝など、基本的ながら大事なことが前よりできるようになってきていると感じております。
この度、就職という一つの境目を迎えましたが、これが"ゴール"というより"スタート"である事を自覚し、更なる飛躍を目指して一歩ずつ進んでいこうと思います。ありがとうございました。
就職事例45-2-1
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Kさんは、昼食にご利用者さん同士で会話をしたり、グループワークの大事なポイントを抑えて打合せを回すのが得意です。またご自身でじっくりと時間をかけて考えることを大事にされていました。
就職活動では、ある程度自分のペースに業務を行え、ゆっくりとした時間が流れる職場、気負いしない雑談ができる関係性のある空間、複数業務で気持ちの切り替えができ、ご本人ののんびりした空気感が安心を与えられる職場への就職を目指しました。
訓練期間中から、仲のよいエンカレッジOBの皆さんから、就職を心待ちにしている声も陰ながら多くいただいており、周囲からとても愛されているなと感じるKさんです。みなさんに合流ですね、おめでとうございます!
(エンカレッジ京都 スタッフH)

就職事例3)プログラムを通じて自身の得意を見つけることができた

エンカレッジ京都三条 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Yさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉スペクトラム症
  • 【利用期間】8ヶ月間
  • 【職種】製品の組み立て・梱包・検査
 
最初、就職できるのか全く分からない状態から始まりましたが、色々なプログラムや見学等を通して、自分に向いている事柄や業種を見つけ、実習や面接に向けての練習を行うことが出来ました。
特に、ワークサンプルは自分の得意分野を見つけることに貢献したと思っています。自分の障害特性にスタッフが丁寧に対応してもらったことで、実習でもその部分に困ることなく就職を決めることが出来ました。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
生活リズムを「働き始めた時と同じくらい」にすることがYさんとの就職活動の第一歩でした。理想の生活リズムと現状を比較すると「お風呂に入る時間が原因なのでは?」ということが分かりました。ご家族にご協力いただきつつ、日中を有効活用できるリズムを整えることが出来ました。
また、日々のワークサンプルや体験実習では「数値を正確に読み取る力」「手先の巧緻性」「集中力と丁寧さ」が強みであることが明らかになりました。
そんななかで、一か月半に及ぶ実習に挑戦することになったYさん。一日を通しての立ち作業に「足が痛いですね…」と苦笑いされていましたが、日々丁寧に業務に取り組む姿勢が企業の方々から評価され、見事採用となりました。ご自身の得意を生かしながら、様々な技能を持つ技術者を目指して進んでいってください!応援しています!
利用開始当初はどちらかというと大人しい印象だったYさんですが、実はゲーム好きで勝負師の一面も。
就職が決まった後に事業所で開催したボードゲーム大会では、初めての方にルールを解説し、作戦が成功すると大喜びし、勝敗が決した後には対戦相手と内容を振り返り(まるで将棋の棋士)…と誰よりも全力で楽しむ姿が。OB会でお待ちしていますので、たまには息抜きをしにいらっしゃってくださいね!
(エンカレッジ京都三条 スタッフF)

就職事例4)初めて「苦痛ではない仕事」に出会うことができた

エンカレッジ京都三条 ご利用者Sさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Sさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム障害、うつ病
  • 【利用期間】11ヶ月間
  • 【職種】製品の組み立て・梱包・検査
 
通所前は自分に何が出来るか全く分からない状態でしたが、プログラムを通して自分にも少しは得意なことがあるのだと自信になりました。
大学が文系だったため、製造業というのは考えたことがありませんでしたが、ワークサンプルでの様子を見て企業を紹介していただき、初めて苦痛ではない仕事に出会うことが出来ました。大学やアルバイトでの経験と全く異なる分野でもやってみたら出来ることがあると教えていただきました。
私は親の協力が得られない状況でしたが、そのことを考慮していただけたこともありがたかったです。
親との関係で精神的に不安定になったときも相談に乗っていただけて安心しました。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
何事にも真剣かつ真面目に取り組む姿勢をお持ちのSさん。
「早く就職したい!」という強い気持ちのもと、目標に向かって工夫と改善を継続できることが強みである一方で(キノコネジ組立の生産数が、11カ月で2倍になりました…!) 、頑張りすぎて疲れてしまわないかしら…とスタッフは心配していました。
日々のワークサンプルに取り組むなかで「高い集中力」「結果から改善策を考えて次に繋げる力」「手先の巧緻性と丁寧さ」が際立っていることが分かりました。臨んだS社での一か月半に渡る実習では、体力配分に気を配りつつもご自身のスキルを十分に発揮され、晴れての採用となりました。ご自身の得意を生かしながら、様々な技能を持つ技術者を目指して進んでいってくださいね。
ますますのご活躍をお祈りしています。

周囲への温かい気遣いや声かけを欠かさないSさん。壮行会で仲間から寄せられた色紙には、そんなSさんへの感謝の言葉が溢れていましたね。エンカレッジの仲間はもちろんのこと、スタッフ一同Sさんの新しい生活を応援しています。
OB会にてお待ちしていますので、また色々なお話を聞かせてくださいね!
(エンカレッジ京都三条 スタッフF)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!