失敗は成功のもと 何度落ちてもあきらめない(他3事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2023年11月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、4つのストーリーをお届けします!

就職事例1)失敗は成功のもと 何度落ちてもあきらめない

エンカレッジ京都 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】ASD
  • 【利用期間】2年1ヶ月間
  • 【職種】事務・庶務
 
この度私は企業にご縁を頂く形になりました。内定をもらった時は皆さんに祝福をして頂きとても嬉しかったです。長いようであっという間でしたが、温かい雰囲気で手厚いサポートや講座など多くのプログラムがあり、とても充実した事業所だと思いました。
利用前は大学生で就活をしていたのですが、書類選考で苦戦し面接まで進まず。そこで私がエンカレッジにお会いしたのは、4回生の夏に大学の支援室の方から紹介されたことでした。一人で就活するのに行き詰まりを感じたことや「安定した企業に就職したい」という意気込みから、説明会や利用体験を経て在学中にエンカレッジへの利用を始めました。在学中は授業などの関係で通えなかった曜日もありましたが、卒業した後は毎日通うようにしました。
通いたての頃は、自分が本当に就職できるのか不安な要素もありました。通うのに慣れてくると昼休みで他の利用者との会話を楽しむようになったことや、講座や実習などで働くスキルを身に付けたことで、段々と不安は減っていきました。
大学は情報系の学科に在籍していたこともあり、利用開始当初からしばらくはプログラマーなどITに携わる仕事を目指して就職したいと考えていましたが、実習の経験や自分の適性を知り、次第に事務作業を主とした業務にシフトしていきました。
エンカレッジで「特に」役に立ったと思った講座は、「ビジネスマナー」「職業準備」「自己理解」の3つでした。いずれの講座の内容も仕事をやっていく上では欠かせない要素が多かったので、これらの内容は十分に理解しておきたいところでした。これらの講座を受けていなければ、今の自分はこんなに成長できる人ではなかったかもしれません。
私は外出することが好きなのでソーシャルクラブを楽しみにしていました。これまでを振り返り印象に残ったのは、カップヌードルミュージアム、ラウンドワン、天王寺動物園、京都水族館、梅田スカイビルでした。色々な場所に行くのは楽しいことでした。
エンカレッジを利用してからも、就活をしていく中で行きたい企業に選考で落ちることは何度もありました。しかし いつかは働きたいという思いから、実習の機会がある場合は積極的に参加したいと考えていました。たくさんの職場実習をしてみて月日が経ち、ある実習先の企業から面接のお知らせがあった時、「もうすぐ就職できる目途が立ったのかな」と働く意思がさらに強くなりました。面接対策にて、面接のアドバイスや発言の仕方など、スタッフの皆さんが丁寧に教えて頂いて感謝しています。
エンカレッジの皆さんや家族に支えられたこともあって、頑張って通うことができて本当に良かったと思いました。エンカレッジで学んだことは今後に活かしていきたいと思います。そして定着支援やOB会で会えるのを楽しみにしています。
就職事例44-1-1  就職事例44-1-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご就職おめでとうございます!2年1ヶ月の利用で就職となりました。
大学四年生の秋から利用を開始されましたが、当時は人に何かを伝えることが難しく、なかなかKさんの気持ちを聞き出せませんでした。また人とコミュニケーションを取るのが好きな反面、グループワークでは言葉を発することも難しい様子でした。エンカレッジで様々な経験をする中で安心感と自信がついていき、発信を避けることをやめられ、気づいたらグループワークでは話を進める立場となっておられました。
何度も実習に挑戦するもなかなか先に進めず、あまり良くない評価を受けて「もう何をやっても無理です。やめます。」と落ち込み諦めかけたこともありました。でもそこから、落ち込みすぎないことや緊張しすぎないことを意識され、今回就職を掴み取られました。
壮行会では『失敗は成功のもと』と皆さんに伝えておられました。これまでの経験を全部自分の力にされたんだなと思います。紆余曲折あった2年1ヶ月ではありましたが、利用当初から考えると本当にパワーアップされ、支援者としても嬉しい気持ちです。自分で稼いだお金で、大好きな旅行を楽しめたらいいな~と思っています!改めておめでとうございます!
(エンカレッジ京都 スタッフS)

就職事例2)就職は新しいスタートライン

エンカレッジ大阪 ご利用者Fさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Fさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】ASD
  • 【利用期間】1年1ヶ月間
  • 【職種】物流関連の作業
 
就労移行支援を利用するのは初めてだったのですが、クッション言葉を学んだりビジネスマナーの再確認や、報連相の大切さ、自己理解も兼ねた自分に向いている職種、雇用形態、勤務時間を考えることができました。
エンカレッジで印象に残っているのはソーシャルクラブと、それに伴うミーティングです。毎月利用者さん同士で話し合ってどこかへ出かける為に話し合うことの大切さを学んだことと、様々な場所に行くことができたりとても良い経験になりました。
実習は雇用前を含めて3回行きましたが、自分にとって向いていると思っていたことが案外向いていなかったり、これまで経験した職種以外でも内容によっては自分に向いていることを知ることができました。
就職活動で大切なことは様々なことに積極的にチャレンジすることです。就職が決まってホッとした気持ちと同時に新しいスタートラインに立ったと感じました。1つの終わりと同時に1つの始まりがあることを心の中で留めておきたいと思います。
就職事例44-2-1  就職事例44-2-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Fさんは就労経験があり社会性も備えてのエンカレッジの利用でした。不安になることも多く悩まれた時期もあったかと思いますが、人脈であったり相談出来る窓口を沢山もっておられました。Fさんの人柄があってこその相談出来るところが沢山あり、聞いてもらえる人が沢山いるのだと思います。ご自身のことをしっかりと理解をされ、自分にあっている働き方、職種というものをしっかりと考え直すことが出来たことで今回の就職に繋がったのだと思います。
実習中の作業をしている姿は本当にベテランさんのような動きで、とても活き活きと作業されていた姿が印象的でした。日々課題感を持って決して満足することなく実習に取り組まれた点も本当に素晴らしいと思います。
ここからがスタートです。体調にはくれぐれも気を付けて、周りの人を支える側になって活躍されるのを楽しみにしております!
(エンカレッジ大阪 スタッフS)

就職事例3)実習で選択の幅を広げることができた

エンカレッジ京都 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Yさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】自閉スペクトラム
  • 【利用期間】1年3ヶ月間
  • 【職種】事務・事務補助
 
この度はR社への就職が決まりました。エンカレッジでの1年4か月は長いようであっという間のように感じています。今の心境は就職が決まってホッとしています。エンカレッジでは就職するために必要なことや、就職してから必要なことを学ぶことでメモの取り方などを身に付けることができたり、企業見学では今までしたことのない業務を見せていただきました。
実習では初めて事務補助業務などを経験することで、進路選択していく上での幅を広げるきっかけを与えて下さりました。ソーシャルクラブなどでは普段はしないレクリエーション的なことをしたりしていい気分転換になる楽しいひと時を過ごせました。 そのおかげでエンカレッジでの日々は本当に充実したものになったと思います。今までスタッフの皆さん、利用者の皆さん本当にありがとうございました。
就職事例44-3-1
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
就職された後に大学へ入学し、その後エンカレッジへと繋がりました。
ご利用間もないころは、ワークシートを書くのに時間がかかったり、質問に対して「わかりません」と答えることが多かったYさんですが、エンカレッジで過ごす中で、周りのご利用者さんを見て「このくらい書いたら提出してもいいのか」「こういう風に答えたらいいのか」ということをどんどん吸収され、最終的にはグループワークで司会やリーダーを担う、頼もしい存在になりました。
就職についても、体験実習の時はあまりピンときていない様子でしたが、雇用前実習へ進み職場で過ごす時間が長くなるにつれて「ここでなら安心して働けそう」と実感されたようで、就職を決められました。今後も趣味を楽しみながら、お仕事頑張っていきましょう!
(エンカレッジ京都 スタッフO)

就職事例4)自己管理、体調管理に取り組み再就職へ

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Hさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Hさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム、注意欠如多動症
  • 【利用期間】5ヶ月間
  • 【職種】事務職
 
まず初めに支援してくださったスタッフの方々、利用者の皆様に感謝の気持ちを述べたいです。本当にありがとうございました。
今回は前職を退職して再就職までの再利用をさせて頂いたのですが、自己理解と体調管理に力を入れて取り組んだ結果が就職につながり、嬉しく思います。
今後は長期的に体調を安定して働くことが、関わってくださった人たちへの恩返しになると信じて、頑張りたいと思います。ありがとうございました。
就職事例44-4-1  就職事例44-4-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Hさんは就業経験があり、周りの方とのコミュニケーションも得意とされていて、グループワークなどで周りを引っ張る存在でした。
利用当初はあまり体調が整わないこともありましたが、無理をせずしっかりと体調を整え、毎週の面談でスタッフと一緒に目標を確認しながら徐々に就活を進めていきました。気づきにくかった自身の特性についてフィードバックされれば、しっかりと受け止め「ではどうするか」を考えて行動に移すことのできる点が長所だと思います。
体験実習でも企業の方から伝えられていた「伸びしろ」を意識して、これからもHさんの良さを伸ばしていってください。
(エンカレッジ心斎橋 スタッフN)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!