自分のやりたい事を自分のお金でやれるようになりたい(他4事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2023年9月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、5つのストーリーをお届けします!

就職事例1)自分のやりたい事を自分のお金でやれるようになりたい

エンカレッジ早稲田駅前 ご利用者Tさん
  • ▶ エンカレッジ早稲田駅前 ご利用者Tさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム
  • 【利用期間】1年5か月
  • 【職種】一般事務
 
初めてここに来た時、自分のやりたい事を自分のお金でやれるようになりたいと思っていました。その目標は就職先が決まった今も変わっていません。
実のところ実感としては乏しいのですが、例えば面接の内容をスラスラ言えるようになったり、ビジネスメールのフォーマットを頭に入れるようにするといったスキル面の向上が見られたようです。
また、苦手な相手のいい面を見るように心がけることや、返答を促せるよう話し方を工夫してみるなど多様な人とうまくやっていくという点で勉強になった箇所があると思います。
今後は、現状に甘えるのではなく、よりスキルアップを図り、コミュニケーション面でも柔らかい接し方を心がけて、より良い職場へ移行できるよう頑張りたいと思います。
最後になりましたが、何度も入社できなくて不満を口に出しても人当りよく接していただいたスタッフの皆さん、そして自分と仲良くしてくれたエンカレッジ早稲田駅前の皆さん、今までありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご就職おめでとうございます!
就職活動においては面接が苦手な中、うまくいかないことがあっても諦めずに挑戦し続けておられました。挫けずに継続ができるのも強い意思と目標があり、それが支えとなっているようでした。
目標に向けて前向きに取り組む姿勢、努力する姿勢、妥協しない強い気持ちは素晴らしかったです。
自分の理想と社会とのギャップに苦しむことも多々あり、葛藤しながら、向き合いながら取り組んだ日々だったかと思いますが、エンカレッジでの学びや気づきはTさんの中に蓄積されていますので今後に活かしてご活躍されてください。今後も応援しています!ご就職おめでとうございます!
(エンカレッジ早稲田駅前 スタッフU)

就職事例2)ここがスタート地点 キャリアアップしたい

エンカレッジ京都三条 ご利用者Sさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Sさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】気分障害
  • 【利用期間】1年11ヶ月
  • 【職種】データ入力等
 
とても献身的にサポートしてくださるいい事業所だと思います。初めはメモを取る習慣すらなかった私がここまでこられたのも、スタッフの皆様や家族、周りの方々のおかげだと思います。
様々な方が就職され、しばらく会っていないので、OB会で会うのが楽しみです。ここがスタート地点だと思うので、ここから頑張ってキャリアアップしていけたらと思います。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
柔らかなお人柄で、他のご利用者様から頼りにされ慕われる存在のSさん。
エンカレッジでは、PCスキルの高さからPC記録会のフォーマット作成のスポット業務に取り組んでいただき、長い時間じっくりと取り組まれ非常に完成度の高いものを作ってくださいました。本当にありがとうございました。
相手の意図をくみ取る力、想像を形にする力がとても長けておられると感じます。ぜひ、今後とも強みを磨いていってくださいね。
Sさんが自信を持って働き続けられるよう、引き続きお手伝いをしたいと思っていますので、何か困りごとがありましたらいつでもご相談ください。
(エンカレッジ京都三条 スタッフN)

就職事例3)周りの人たちの応援があってたどり着いた就職

エンカレッジ大阪 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Yさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム
  • 【利用期間】2年
  • 【職種】自転車部品の組み立て
 
私はエンカレッジに約2年いました。入院した時期もありましたし、本当に色んな事がありました。
今回の就職は6月と8月に実習に行かせてもらって、それで決まりました。最初は不安でしたが、周りの人たちが応援してくれてなんとか、就職にたどり着けてほっとしています。
10月2日から、自分の生活力を身に付けるために、頑張ります。そして家族に焼肉食道園を奢ります。エンカレッジで学んだことは一生忘れません。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご就職おめでとうございます!利用期間中、しんどいことや辛いこと、悩むことがたくさんあったかと思います。そんな中でも、気持ちを振り絞って一生懸命頑張る姿はとても頼もしかったです。
Yさんは、決してひとりではありません。ご家族も企業もエンカレッジもYさんのことをいつも応援しています。
今後も悩むことや不安なことがあるかと思いますが、そんなときには周りの人たちの応援を思い出して欲しいと思います。
これからもよろしくお願いしますね♪今後のご活躍を心から応援しています!
(エンカレッジ大阪 スタッフY)

就職事例4)活動や実習を通して自分との付き合い方を見つけられた

エンカレッジ京都 ご利用者Fさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Fさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】ASD/ADHD
  • 【利用期間】1年5ヶ月間
  • 【職種/業務内容】技術職(品質検査)/部品の受入検査業務
 
エンカレッジに通い始めたころは、毎日を過ごすことにいっぱいいっぱいでした。 しかし、他のご利用者さんに話しかけて頂いてお昼をサロンで食べるようになってからリラックスできるようになってきました。
積極的に雑談をしてくださった他ご利用者には感謝の念しかありません。

また、実習を経験させていただいたり、講座で仕事におけるスキルや心構え、就職の手順、自己理解のための手がかりといったことを学んでいくにつれて、だんだん就職とは何か、どのようにするのか、そして自分はどうなっていきたいのかということを考えたり理解できるようになってきました。
そして、エンカレッジでの活動や実習を通して、報連相がうまくできないことがあったり、すべてに全力で取り組んでしまったりといった課題が自身にあることが分かってきました。
それらについて、スタッフの方に相談したり、アドバイスをいただいたり、実習先の方のお言葉を受け取ったりしていくにつれてだんだん自分との付き合い方を見つけることができるようになって来ているのではないかな、と思います。

自分の中で特に大きな課題点だと感じた相談や報告への難しさは、毎週の面談で不安や困ったことを相談させていただくことで流れを身に付けたり、自身の状況を人に伝えることで客観視することで対処できるようになって来ているのではないかと思います。
また、普段行う業務に近いような内容だけでなく、卒業者への色紙の作成や忘年会の企画といったこともさせていただき、とても濃密な時間を過ごしました。

エンカレッジには1年半ほど通所させていただいたこともあり、卒業されていった方や新規のご利用者の方といった多くの方と交流をさせていただき、とても良い刺激を受けました。

最後に、私の自認する特性や、スタッフの方から見た私が過ごしやすい環境に合った職場というものを考えて頂き、実習から就職とつなげていただいたスタッフの皆様には感謝してもしきれないほどです。
長いようで短い時間だった、ここでの時間はこれからの私の支えになっていくと感じております。これが一つの区切りになると考え、改めて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
就職事例42-6-1  就職事例42-6-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Fさんは、大学院での活動を続けていくことが難しいと感じて中退を視野に入れたときに、就職活動について悩み、大学のカウンセリングの先生の提案と家族の勧めもあり、就労移行支援の利用を決められました。

初日は緊張から表情の硬さもありましたが、昼食時の雑談やランチタイムミーティングを通して他ご利用者とすぐに仲良くなられ、気づくといつも会話の中心にはFさんがいました。GWやMTでもミーティングを通して他ご利用者とすぐに仲良くなられ、気づくといつも会話の中心にはFさんがいました。GWやMTでも周りへの配慮を忘れず、持ち前の明るさでいつも場を和ましてくださっていました。一方で本当にあれで大丈夫だったのかと不安になることも多く、面談などで行動を振り返り「大丈夫!」を増やしていかれました。

入所当初は「自分に合った働き方ってなんだろう?」とイメージが湧きにくかったようですが、実習を通して、ご自身が研究されていた内容に携わりたい、安心できる環境で働きたいと整理することができました。

就職が決まった会社での実習では「何も問題ない」「戦力になる」と太鼓判を押していただいたので、ご自身にできることを着実に積み上げていただければと思います。そして不安な時にはしっかり相談してくださいね!
(エンカレッジ京都 スタッフT)

就職事例5)なにか行動することは決してムダではない

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Iさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Iさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム
  • 【利用期間】1年6ヶ月
  • 【職種】一般事務
 
私が自分の障がいを知ったのは、小学校高学年の頃でした。そこからお世話になっていた発達障害・支援センターの支援員の方にエンカレッジを紹介してもらいました。
それまでにも実際に働いておられた方の意見などを聞いて、「自分には障害者雇用が合っているのかもしれない」と感じ、また、長く安定して働くことの方が重要であると感じた私は、エンカレッジへの通所を決意しました。
最初の頃は何かと緊張することも多かったのですが、徐々に他の方とのコミュニケーションも増えていったように思います。
働くチカラPROJECTで伺わせて頂いたインターシップで頂いた評価に比べると、最後に伺わせて頂いた実習の方がはるかに評価が高かったです。
障がいがあるとどうしても後ろ向きに考えてしまうことが多いかもしれませんが、皆も同じように悩みがあったりで、共感しあえる部分も多いと思います。
私も頑張るのは、これで最後だと思って、無事に内定を頂けたので、もし少しでも迷う気持ちがあれば、見学だけでも行くのは決してムダではないと思います。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Iさんは大学在籍時に働くチカラPROJECTに参加した後、エンカレッジの就労移行支援の利用を開始されました。
通所当初より真面目でどのようなことでも果敢に挑戦され、また、決まったことを正確に行うのが得意でした。一方で、正確に取り組めないときや相手が意図した反応でないと不安が大きくなり、スタッフに相談や確認が多くありました。
日々の中で少しずつ、人と関わる上で必ずしも意図した結果になるわけではないことなど気付きを得られ、気持ちの整理の仕方について学ばれました。
就職活動では雇用前実習に挑戦し、思うように力が発揮できないと落ち込むこともありましたが、事務職で働きたいという気持ちや企業からのフィードバックをすぐに実践され、最終的には2週間あったフルタイムの実習をやり遂げることができました。
そんなIさんの努力の結果、実習や面接時の礼儀正しい振る舞いと、報連相を意識し、正確に取り組めるところを評価され、今回の就職に繋がりました。
これからも仕事や考えなどで壁に突き当たることもあると思いますが、誰にでも礼儀正しく、苦手なことも諦めずに努力し、受け入れる姿勢があるIさんには、自然と手を差し伸べてくれる人がたくさん集まってくれると思います。
Iさんの今後のご活躍を、心から応援しています。
(エンカレッジ心斎橋 スタッフM)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!