エンカレッジでの経験が人生の財産に(他4事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2023年7月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、5つのストーリーをお届けします!

就職事例1)エンカレッジでの経験が人生の財産に

エンカレッジ天満橋 ご利用者Fさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Fさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉スペクトラム症
  • 【利用期間】1年9カ月
  • 【職種】データ・アンケート集計、総務・会計など
 
エンカレッジは、約一年半在席しました。その間、たくさんの経験を積み、成長することができました。
まず、講座ではビジネスマナーや社会の一般常識など、これから社会で生きていく上で必要な知識やスキルを学びました。ある程度は大学などで勉強していましたが、この講座で初めて知ったものもありました。
次に、オフィスワークでは主にPCを使用したデータ入力や表作成に取り組みました。これらのワークではWordやExcelを使うことが多く、それぞれの復習やスキルアップにつながりました。また、ワークサンプルで伝票修正や軽作業にも取り組み、自分の得意・苦手を明確にすることができました。他にも、ハンコ押しや電話対応など、実際の事務職にある業務の練習にも積極的に取り組み、経験を積みました。
就職活動は、スタッフと一緒に進めていきました。面談や企業見学・実習を通して、自分のやりたいことや希望する環境を具体的にしていき、それを参考にハローワークなどで企業探しを始め、何社かの面接に参加していきました。
希望していた企業の面接で不採用になり、同時に他の利用者の就職が次々と決まっていったことで焦りを感じ、諦めそうになる時もありました。しかし、スタッフの励ましやサポートもあり継続した結果、今回無事に希望の職に就くことができました。これは、どのような時も相談に乗っていただき、一緒に進んでくださったスタッフの支えがあってこそだと思っています。また、普段の活動を通して、報連相のマナーや他者とのコミュニケーション方法などを学んでいきました。
これらの経験は、今後社会で生きていく中でとても大切な財産になると考えています。社会はとても厳しい世界だと聞きますが、経験を活かして乗り切り、周りのサポートを受けつつ自分の力で生きていける人間になりたいと思っています。短い間でしたが、本当にありがとうございました。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Fさんは大学在学中、エンカレッジの大学生向けプログラムに参加されたことをきっかけに、エンカレッジの就労移行支援の利用を開始されました。
Fさんは誰にでも礼儀正しく、丁寧に接することができる方です。決まったことを正確に行うのが得意な一方で、初めてのことや慣れないことへの不安が大きく、相談や確認が多くなることもありました。
就職活動では不採用で落ち込むことや焦りもありましたが、事務職で働きたいという気持ちを諦めることなく、何度も面接練習を繰り返しました。また、苦手意識のあった電話対応にも挑戦されました。良かったことや反省点を振り返り、改善を繰り返すことで、面接も電話対応も、落ち着いて堂々と振る舞うことができるようになりました。
そんなFさんの努力の結果、会社見学や面接時の礼儀正しい振る舞いと、実技試験での正確性の高さなどが特に評価され、今回の就職に繋がりました。
社会には厳しい側面もありますが、誰にでも礼儀正しく、苦手なことも諦めずに努力できるFさんには、自然と手を差し伸べてくれる人がたくさん集まってくれると思います。Fさんの今後のご活躍を、心から応援しています。
(エンカレッジ天満橋 スタッフU)

就職事例2)1日1日を有意義に過ごすことが出来た

エンカレッジ大阪 ご利用者Mさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Mさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】境界域精神遅滞
  • 【利用期間】1年2ヶ月間
  • 【職種】事務補助
 
この度ご縁があり、F社に就職することが決まりました。エンカレッジを利用し始めて1年2か月、やっと就職が決まりホッとした気持ちと嬉しい気持ちです。これまでエンカレッジで色々な利用者の方やスタッフさんに出会い、時にはご迷惑をお掛けすることもありましたが大変お世話になりました。
私はエンカレッジに入ってから卒業するまでの間ほぼ休むことなく”皆勤”で通所していました。エンカレッジのプログラムはどれも役に立つ内容のものばかりだったので受けていて楽しかったのですが、特に楽しかったものは「ソーシャルクラブ」です。
このプログラムは毎月あり、行き先を自分で決め、当日の行動予定などをグループで話し合って決めるという本格的なものでした。このソーシャルクラブがきっかけで同じ趣味を持った利用者の方とも仲良くなれたので、私は毎月このプログラムを楽しみに過ごしていました。
プログラム以外で楽しかったものは、毎週水曜日の午後に行われている「ランチタイムレク」です。このランチタイムレクは「サイコロトーク」と「ボードゲーム」が隔週で行われており、週によって参加する利用者が違ったりするので、普段あまり話さない利用者の方とコミュニケーションをとるきっかけになったりもしたので私はほぼ毎週参加していました。
就職先でもエンカレッジで学んだことを活かしつつ、体調とも相談しながら自分のペースで頑張っていきたいと思っています。ありがとうございました。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Mさんは大学卒業後からエンカレッジの利用を開始されました。規則正しい生活を続けておられ体調が非常に安定しており、勤怠や体調管理がセールスポイントでした。
エンカレッジでのプログラムや実習を通してさらにご自身のことを知り、集中力、手先の器用さ、ミスの修正力など、たくさんの強みを見つけられました。反対にコミュニケーションが課題と言われることがありましたが、経験を重ねることで徐々にできるようになっていきました。苦手なことにも挑戦するMさんに、私も勇気をもらいました。これからもその強みを活かし、活躍されることを祈っています!
(エンカレッジ大阪 スタッフU)

就職事例3)就職活動では選択と決断の連続 悩み続けて納得できる就職先に出会えた

エンカレッジ大阪 ご利用者Oさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Oさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】ADHD/ASD
  • 【利用期間】1年6ヶ月
  • 【職種】事務
 
自分が納得できる就職先が見つかったのも、エンカレッジに通所できたからこその成果だと思います。エンカレッジのスタッフや利用者さんたちには感謝の気持ちで一杯です。
大学時代、社会経験の薄さやスキル不足から就職活動が全く上手くいかずに路頭に迷っていた時に、大学支援室の紹介でエンカレッジに出会いました。
エンカレッジでの講座・ワーク・面談・実習を受けていく中で足りなかった経験やスキルが身に付きました。
エンカレッジでの就職活動では選択と決断の日々が続きましたが、スタッフと考えて、悩んできたからこそ、納得できる就職先が見つかったと思います。これからも感謝の気持ちを忘れずに1つ1つ焦らず取り組みたいです。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご利用開始から1年6ヶ月、ついに就職を叶えられました!おめでとうございます!!
たくさん悩んで、たくさん気持ちが揺さぶられた1年半だったかと思います。そんな中でも、「誰かに相談することを大切にして、転んでも立ち上がって前を向けるパワーや気持ちの強さ」は個人的にとても尊敬していた部分です。(元々勉強熱心で、何事にも学ぶ姿勢や気づく力があったのだと思います。)
初めての社会人生活、不安や悩みが出てくるかと思いますが、ご自身の気持ちも他者の気持ちも思いやれるOさんならきっと乗り越えていけると思います。これからのご活躍を心から応援しています♪
(エンカレッジ大阪 スタッフY)

就職事例4)自分を知り自分に合った就職先を見つけることができた

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Mさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Mさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉スペクトラム症
  • 【利用期間】9か月
  • 【職種】店舗スタッフ
 
私は大学生の頃、卒業論文に注力していました。そのために就活をすることなく、内定なしで卒業することになりました。それを見かねた大学の支援課の方に紹介され、エンカレッジさんへと通い始めました。
通所を始めたころはすぐに就職してみせると意気込んでおり、少し焦っているように見えた、とスタッフさんが振り返っていました。
しかし、エンカレッジのリラックスできる環境と、スタッフの方の丁寧なサポート、現状と自分の発達特性、ならびに問題点をゆっくり洗い出すことができ、特性に合った職場や改善する方法について熟慮した上で職場を探すことができました。
しかし就職はまだ人生の始まりに過ぎません。これからもエンカレッジの定着支援を受けつつ、長く職場に勤められるように頑張りたいと思います。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Mさんは入所当初から穏やかで気さくで、自分のことよりも周りのことを優先し、柔軟に物事を受け止められる方でした。高い語彙力と色々な知識をお持ちなので、スタッフ一同、Mさんの表現した作品にふふっと癒しをいただくことがよくありました。
大学で心理学を学び、自身の特性の良し悪しを客観的に把握できていたことや、エンカレッジの講座や実習を通じて自己理解を深める中で、入所当初の希望(事務職)とは違う、自分に合った働き方について考えられたことが、この度の就職に繋がりました。
生活リズムに課題があるので、まずはしっかり安定して働くことが目標になりますが、柔軟性と向上心をお持ちのMさんなので、必要な時は周りに頼りながら自分らしく頑張ってもらえたらと思います。
体に気をつけて頑張って下さい。これからのご活躍を楽しみにしています!
(エンカレッジ心斎橋 スタッフY)

就職事例5)あきらめずにチャレンジし続け就職へ

エンカレッジ大阪 ご利用者Mさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Mさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】発達障害
  • 【利用期間】2年4ヶ月
  • 【職種】商品の棚入れ
 
右も左もわからない中エンカレッジを利用しましたが、スタッフの方々や先輩のご利用者の方々にルールやプログラムについて教えていただきました。
思い出に残っているプログラムはビジネスマナーとソーシャルクラブです。ソーシャルクラブでは様々な所へ行き楽しむことが出来たと思います。先月マリオの映画を観ました。映画が面白くて楽しむことができました。
実習ではデータ入力や名刺作成、軽作業など色々と経験を積みました。中でも正確性について高い評価をいただくこともありました。
5月には雇用前実習を行いました。最初は作業に慣れることに時間がかかり、備品や機械の使い方を覚えるのに苦戦しましたが、担当の方からの指示を受けてメモを取って使い方を覚えることができました。
振り返りでは正確性と真面目さ、修正力を評価され無事に内定を頂くことが出来ました。
就職活動に苦戦し利用期間を延長したため就職が決まったときは安堵し嬉しくなりました。

自身の就職活動を振り返って大切なことは2つあります。
1つ目は自分の得意不得意を把握することです。私は手先の不器用さが深刻でした。しかしエンカレッジに入ってからワークサンプルなどで手先を使う練習をしました。それによって苦手意識が薄れて行きました。

2つ目は報連相を徹底することです。実習などで報連相をする場面があり振り返りで高い評価をうけることで自信になりました。就職先では正確性について高い評価を受けることが出来ました。一方で生産性については目標に達していなかったので働くにあたってまずは生産性を上げ速く正確に作業が出来るようになることを目指します。また長く働けるように日々努力を続けて行きたいです。
就職事例40-5-1  就職事例40-5-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Mさんは沢山の企業見学や説明会に参加され、求人票を見て、いろいろな実習にチャレンジしました。
就職活動では上手くいかないこともありましたが、そこで落ち込むのではなく、課題を真摯に受け止めて自分改革を一生懸命されてきました。真面目にコツコツと何事にも取り組み、少しずつ課題を克服し見事内定をつかみ取ることができました。
実習の評価では真面目さ、実直さをとても評価していただき丁寧さもとても良かったですと評価をいただきました。Mさんの1番の強みである実直な所を見ていただき、実習中も指摘されたことを次の日にはしっかりクリアされていて修正能力の高さもとても評価していただきました。指導をしっかりと自分事と捉えて危機感を持って「何とかしないと!」といつも思っていたからこそ修正も早く出来たのだと思います。
諦めない、強い心を持ってエンカレッジで過ごされたMさん。私自身も見習うべきことは沢山あります。これから社会人として新たな1歩を踏み出します。
Mさんらしさを忘れずに長く働いてもらえるよう応援しています!
(エンカレッジ大阪 スタッフS)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!