努力を重ねて自分にあった仕事・就職先を見つけることができた。他5事例~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2023年6月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、6つのストーリーをお届けします!

就職事例1)努力を重ねて自分にあった仕事・就職先を見つけることができた

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Sさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Sさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】知的障害、自閉症スペクトラム
  • 【利用期間】1年8ヶ月
  • 【職種】調理補助
 
エンカレッジ心斎橋を利用して、本当に良かったと思っています。
講座では聞く姿勢、人の話を否定しないといった日常や仕事面での態度やマナーなど学びました。
オフィスワークでは、主にPCや軽作業を中心に取り組んできました。オフィスワークで一番難しかった作業はPCワークの練習問題です。ワードやエクセルの作業は何とかできましたが、パワーポイントを使った細かく調整する作業は難しかったです。
後は、実習もたくさん行きました。最初は、就職できるか不安もありました。しかし、頑張って努力を積み重ねていくことで自分に合っていてやりやすい作業が何なのか学ぶ機会になったと思います。
私は、最初は、自分から決断することが出来ませんでした。しかし、スタッフと出会ってから僕の価値観が変わりました。自分で決めることは苦手でしたが、すぐに決められるようになったのは嬉しかったです。本当にありがとうございました。
1年半という短い期間ではありましたが、就職しても今後もエンカレッジで学んだことを生かして頑張っていきたいと思います。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Sさんは、私がエンカレッジ心斎橋に異動して初めて担当したご利用者です。
当初は働いた経験がなく、働くイメージをもてないことから、オフィスワークではご自身の興味のあることのみ取り組んだり、実習は作業ができるか分からないので行きたくないとお話されたりしていました。しかし、一緒に過ごしていく中で本人に「失敗しても、1回は挑戦してみよう」と、まずは今まで取り組んでいなかったオフィスワークを挑戦することを後押ししました。
そこから少しずつ、「自分はこんな作業もできるんだ」と自信を付けられ、未経験のことにも挑戦されるようになりました。その後は実習も積極的に挑戦され、就職先の企業で実習をしたときは、スキルはもちろんですが、作業をまじめに取り組む姿勢や優しく穏やかな人柄も評価され今回の就職に繋がりました。
今後もSさんの強みを活かしながら、周りを頼りつつ無理なく長く働いていきましょう。Sさんのこれからを応援しています!
(エンカレッジ心斎橋 スタッフM)

就職事例2)スタッフのサポートで安心できる場所になった

エンカレッジ天満橋 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Kさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】アスペルガー、ADHD、算数障害
  • 【利用期間】1年2ヶ月
  • 【職種】印刷業務
 
エンカレッジの利用を開始してから1年と少しが経ちます。もともと就職の時期はそれくらいを希望していたので、ちょうどその時期と重なってよかったと感じています。利用を開始した当初はいろいろと不安を感じていましたが、スタッフのみなさまがサポートしてくださり、安心しました。定期面談でもいろいろと相談に乗ってくださり、ありがたかったです。
取り組んだオフィスワークやプログラムで印象に残っているのは、PCワークとソーシャルクラブです。PCワークはもともと事務系の就職を希望していたので、パソコンを使う練習になったと感じています。ソーシャルクラブではさまざまな場所に出かけたのが新鮮で楽しかったです。
今回就職先が見つかったのも、スタッフの皆様のサポートのおかげだと感じています。卒業は少し寂しいですが、新しい職場でも頑張っていこうと思います。今までありがとうございました。ただ、就職後もしばらくはお世話になると思うので、その間もよろしくお願いいたします
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご就職おめでとうございます。長い長い実習期間を経て無事就職を決められましたね。
実習期間中に作業を見せていただいた際も、いつでも集中して取り組んでおられ、さすがKさんだなあと何度も思いました。
エンカレッジではいつもボードゲームやトークデイに参加されていましたね。
Kさんのお話は興味深く、話がとてもおもしろいので、一言コメントや面談でお話を聞けることをいつも楽しみにしていました。
また、Kさんの「人は人、自分は自分」としっかり分けて考えることのできる力を尊敬しています。お仕事をする中でも、今後の人生でも、とても大切な力だと思います。
これからもお仕事の話も趣味の話も、なんでも聞かせてください。改めて、ご就職おめでとうございます。
今後も応援しています。
(エンカレッジ天満橋 スタッフH)

就職事例3)実習・企業見学で働くイメージをつけることができた

エンカレッジ大阪 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Kさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】広汎性発達障害
  • 【利用期間】1年5ヶ月
  • 【職種】事務
 
7月3日からP社に入社することが決まりました。
内定が決まるまでスタッフの皆さん、家族が支えてくれたおかげだと思います。
エンカレッジでは自己理解、コミュニケーション、PC訓練、軽作業訓練など多くのことを学ぶことができました。
また実習や企業見学に参加し、社会人としての経験、働くイメージをつけることができました。
1年5か月の間本当にありがとうございました。頑張ります!
就職事例39-3-1  就職事例39-3-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご自身に合う仕事・環境って何だろう?と考えるあまり、なかなか就職活動のスタートが切れず、企業への応募を踏みとどまっていたKさん。
ただ「この夏までに就職したい!」と目標を掲げ、ご自身の希望条件に合う企業に前向きに応募していこうと動き始められました。
動き始めてから着々と就職活動が進んでいったのは、毎日安定して通所し、コツコツとプログラムに取り組むところや、面接の受け答えや立ち振る舞いを面接マスターで少しずつ練習するなど、しっかりと就活準備ができていたことが大きいと思います。
これからは就職先でも、どんな時も落ち着いて進められるKさんらしさを発揮してくださいね!応援しています!!
(エンカレッジ大阪 スタッフT)

就職事例4)エンカレッジOBみたいになれるよう精進

エンカレッジ心斎橋 ご利用T者さん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Tさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】ADHD、ASD
  • 【利用期間】2年1ヶ月
  • 【職種】事務
 
この度、某メーカーに内定を頂くことができました。
2年以上時間がかかったので内定したときは安心するとともに、大学の友人などからたくさんのお祝いの言葉を頂きました。
しかし、フルタイムの勤務は初めてなので通勤面などの不安はたくさんあります。
それでも、私はこれまでの経験をもとに成長していくことに変わりはありません。
卒業されたOBの先輩みたいになれるように精進します。そして大阪エリア各事業所のスタッフのみなさん、利用者のみなさんには本当にお世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
いろいろなことに興味があり向上心を持って取り組めるTさん。
就職活動は「こうあるべきだ」「正社員で入社しないといけない」など葛藤もたくさんある中で、ご自身と向き合う時間も多く、決して楽な就職活動ではなかったと思います。
書類選考で通過せずに落ち込んだことや、理想と現実のギャップにたくさん悩んでも、最終的には「やるしかない」と気持ちを切り替え、行動に移してきました。
エンカレッジでは周りの方への接し方や自己理解を深めることを意識して過ごされました。
壮行会ではTさんなりに、人との関り方のヒントや就職活動で意識したことをまとめて発表をしてくださいました。
発表の中でも「人に何かをもらうだけではダメ、与えることも必要」「自分の弱みを見せる、自分の弱みに向き合う」など、エンカレッジでたくさんのこと考え、意識して過ごされてきたことが伝わりました。
初めての就職で不安もたくさんあると思いますが、Tさんの持ち前の向上心で、少しずつ社会人としての階段を上っていってほしいです。就職おめでとうございます!!
(エンカレッジ心斎橋 スタッフM)

就職事例5)「したい仕事はなにか」悩み続けた時間も大切な時間だった

エンカレッジ天満橋 ご利用者Oさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Oさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】ADHD
  • 【利用期間】1年2か月
  • 【職種】デザイン、データメンテナンス、軽作業
 
一年二か月、あっという間だった。
通所始めの頃は働く自信がなく、内定が決まる頃には可能性に満ちた気分だった。
その感情は、一度目の利用時と同じである。その気付きもまた自己理解なのだろう。
そういう意味では時間をかけてでもエンカレッジに再度通所して良かったと思う。
何よりも良かったのが、自分は何の仕事をしたいかと悩み続けたことである。
早く決めるに越したことはないが、“悩むこと”自体が悪いことでもなければ、それも大切な時間だということに気付けたと思う。
何よりも念願の“特例子会社でのデザイン業務”だ。幸い雇用前実習になるほど、自分のスキルを必要としてくださっていた。
このご縁とエンカレッジ再通所で得た経験をもとに、自分のさらなる発展を目指していきたい所存である。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
ご就職おめでとうございます!
Oさんはエンカレッジを再利用されてから一年二か月、環境の変化や思うようにいかないこと、苦しいこともあったと思いますが、その度に「自分はどうしたいのか」「何を大事にしたいのか」と自問して、その経験を糧に自己理解を深めてこられました。
自分の譲れないポイント、譲っても良いポイントを明確にして、「やっぱりデザインの仕事をしたい」と決められたOさんは、それに向けて本当に努力されていました。
実習や面接の前に「どう工夫する?」「どんなふうに伝える?」と一緒に考えていた面談の時間は、あーでもないこーでもないと言い合いながら、お互い真剣で、私もとても楽しかったです。これから働く中でもいろんなことがあると思いますが、ご自身の努力とこれまでの経験に自信を持って、頑張ってくださいね。
(エンカレッジ天満橋 スタッフN)

就職事例6)人生で一番自分と向き合えた時間だった

エンカレッジ天満橋 ご利用者Aさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Aさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム
  • 【職種】事務アシスタント
 
エンカレッジ天満橋で過ごした時間は、人生で一番自分と向き合えた時間だったと思います。学生時代は目の前の物事に取り組むのに精一杯で、自分とじっくり向き合う時間もなく、特性からくるしんどさもすべて努力不足だと考えていました。
エンカレッジで、実務に近い訓練やスタッフさんとの面談を重ねる中で、学生時代には気づくことができなかった自分の障害特性に気づくことができました。例えば発達障害の特性のひとつに「過集中」というものがありますが、学生時代の私は自分の集中力が過度にエネルギーを消耗するものだとは気づいていませんでした。しかし、訓練に取り組む中でスタッフさんの指摘を受け、自分の集中は普通の集中ではなく、過集中とよばれる障害特性なのだと初めて気づきました。
このように、専門知識を持ったスタッフさんからの指摘で気づくことができたことはたくさんありましたし、グループワークや休み時間に同じ障害を持つ仲間と会話を重ねる中で、これまで自覚していなかった自分の性格や特性にも気づくことができました。
このように周囲のサポートをうけながら自分自身と向き合い、訓練や就職活動を重ねた結果、自分の特性に合った業務内容と環境下で働くことができる職場に就職することができました。
訓練を通して自分とじっくり向き合い、自分に合った就職先に就職することができたのも、エンカレッジの手厚い就職サポート環境と、親身にサポートしてくださったスタッフの皆様、献身的に支えてくれた家族、そして同じ目標を持った仲間たちのおかげです。本当にありがとうございました。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Aさんはエンカレッジで過ごす中で自分自身とじっくり対話されました。過去の経験を振り返ることや、他者との比較で気持ちが沈むこと、自分に合った業種や働き方で悩むこともありました。
エンカレッジや実習先での経験を振り返り、時にはスタッフやカウンセラーの力を借りながら、たくさんの気付きをもとに、自分自身との付き合い方を試行錯誤されました。
また、今回の就職先から雇用を見据えた実習の提案があった際も、この会社が本当に自分に合っているのか、本当にここで決断して良いのか、悩んで悩んで悩み抜いて、挑戦することを決意されました。
そして、自分が生きていくうえで大切にしたい軸や、働く上での目標を考えて、最終的に今回就職が決まった会社で働く事を決断されました。
Aさんの自分自身との対話は、今回の就職が決まるとともに、一つの局面が終結したように感じられます。ですが、今後も人生のさまざまな決断のタイミングで、悩むことや自分との対話が必要な時期が訪れることと思います。
そんな時には、自然と相手を思いやり、周囲をサポートできるAさんのために、今度は自分がAさんの力になりたい、サポートしたいと思う人がきっと周囲にいるはずです。エンカレッジのスタッフも、Aさんの力になれたらと思っています。
Aさんが末永くご健康で、ご活躍されますように。ずっと応援しています!
(エンカレッジ天満橋 スタッフU)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!