楽しかったこと、大変だったこと、すべて宝物。他4事例~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2023年1月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、5つのストーリーをお届けします!

就職事例1)楽しかったこと、大変だったこと、すべて宝物

エンカレッジ大阪 ご利用者Oさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Oさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム、ADHD
  • 【利用期間】1年8カ月
  • 【職種】事務補助
 
エンカレッジには2021年6月から利用を開始し、ありがたいことに2月から就職することになりました。ここまで支えてくれた家族、そしてエンカレッジには本当に感謝しかありません。
振り返ると、エンカレッジに来たときは、私はまだ大学生でした。就職活動をどう進めればよいか分からず困っていたのを今でも覚えています。そんな形でエンカレッジの生活がスタートしました。
個人的に驚いたことは利用者全員に障害があり、その人たちと一緒に活動することです。これまでの生活で経験がなかったからです。
もう1つはソーシャルクラブです。
行き先を自分で決め、当日の流れを話し合って決めるという本格的なものでした。お互いの仲を深めることができましたし、計画性や行動力などを身に付けることができました。
次はワークサンプルとデータ入力、PCワークです。
私自身、就労経験が全くなく、スキルを磨くために一番力をいれました。そのおかげで、ExcelやPowerPointの操作ができるようなり、苦手な手先を使った作業もできるようになりました。
最後は会社見学と実習です。
一時期コロナの影響を受けましたが、実習は4社参加しました。その経験から、自分に合った働き方や自分の得意不得意、報連相やマナーなど多くのことを学ばせていただきました。まさかこんな風にいろいろと経験ができるとは思いませんでした。楽しかったこと、大変だったこと、それらすべて私にとって宝物です。
これから新しい環境になりますが、エンカレッジで過ごした経験を存分に生かしていきたいと思います。そして、体調管理には十分気を付けて前向きに頑張っていきます。今まで本当にありがとうございました。
就職事例34-1-1
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
就職先での実習が始まったのが、2022年9月でした。そこから、入社まで長い道のりで、プレッシャーを感じながらも最後まで頑張ることができたのが本当に素晴らしいと思います。実習は合計3回ありましたが、振り返りの際に企業の担当者からいただいた評価をしっかりと確認し、それぞれの実習で得た学びや課題を、次に向けて取り組む姿勢も素晴らしかったです。
自信が持てず、失敗があった際に落ち込みやすいOさんでしたが、壮行会では「ミスがあっても隠さず報告して、次どうしたらよいか考えることが大事!」と利用者さんに伝えられていた姿を見て、実習を経て一回りも二回りも成長されたなと感じました。
ご自身の良さをたくさん発揮して、就職先で活躍されることを願っています!
(エンカレッジ大阪 スタッフS)

就職事例2)何もしないより何倍も有意義な時間だった

エンカレッジ天満橋 ご利用者Tさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Tさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】自閉スペクトラム症
  • 【利用期間】1年9か月
  • 【職種】事務
 
最初の1年間を就職までの準備期間としてプログラムに取り組んでいたときは、本当に就職できるのか疑問に思うことがありました。2年目に入ってからは、それまでの1年間がなければ、もっと面接や書類選考で苦労していたのではないかと感じるようになりました。
大学の紹介で、エンカレッジのホームページを見ていなければ、今頃どうなっていたのかは想像もできません。
何もせずに動かないよりは、何倍も有意義な時間を送ることができたのだと思います。
就職事例34-2-1
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
在学中に職業相談に来られたのがきっかけで、エンカレッジの就労移行支援を利用されることになりました。学生時代は新型コロナの影響でアルバイト先の仕事がなくなり、慣れない就職活動においても苦労をされました。ただ、そんなしんどさや苦労を感じさせないように振る舞ったり、物事を前向きにとらえたりする強さがありました。
エンカレッジ利用開始後も、明るい人柄と柔らかなコミュニケーションで、ご利用者ともよい人間関係を築いていかれました。特に昼休みのボードゲーム、月1回のソーシャルクラブは楽しみにされていたようで、ご利用者と一緒に過ごされている時の笑顔が印象に残っています。
就職活動においては、書類選考や面接で不採用が続くこともありましたが、粘り強く面接練習を繰り返し、見事に内定をつかみ取られました。いよいよ社会人デビューとなりますが、エンカレッジのプログラムや職場実習で学んだことを生かして、職場でも活躍されることだと思います。これからの成長も楽しみにしています!
(統括所長 東)

Tさんが利用を開始された2021年5月は、私の入社時期でもあります。
半年ほど経ったころ、そんな「同期」の方を担当させていただけることになり、以降1年間、就職活動のスタートを切る辺りまで一緒に頑張ってきました。
その裏表のない人柄ゆえに、ビジネスマナーを少しはみ出して素直すぎる部分もありますが、それはご愛嬌。他のご利用者さんたちと関わる場面では、分け隔てのないカラッとした親しみやすさとして光ります。
困っている人に気づくと躊躇なくアシストに回れる心優しさも、Tさんの一推しポイントです。
飄々とした余裕のある雰囲気を常に崩さないところも相まって、壮行会では「頼りになる」との声が多く聞かれました。
Tさんは、時に不本意な結果に戸惑いながらも、それでも最後には必ず前を向いて次に進んでいくことのできる七転八起の方でした。今回内定を勝ち取れたのも、その粘り強さの賜物に違いありません。これからのお仕事でも、壁にぶつかることはあるかもしれませんが、Tさんならきっと乗り越えていけると信じています。
(エンカレッジ天満橋 スタッフM)

就職事例3)三度目の利用 困難乗り越え就職

エンカレッジ大阪 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Yさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】ASD・ADHD
  • 【利用期間】8か月間
  • 【職種】事務/データ入力等
 
今までエンカレッジ天満橋、心斎橋での利用経験もあったなか、今回は大阪事業所での再スタートになりました。三度目の利用だったので正直受け入れてもらえるのか不安でした。ですが、スタッフさんは今までと変わらない様子で温かく迎えてくださいました。利用者の方々とも早々に打ち解けることができ、不安はなくなりました。
三度目と言うこともあり、私は早期就職を目指して日々のワークに取り組みました。しかし、さまざまなことを手抜きできず、頑張りすぎたのです。
就職に向け全力で取り組んでいた実習の途中に、精神疾患の診断を受けました。まさか自分が診断を受けると思っていなかったので、先が真っ暗になったような気持ちでした。そのことで通所が難しくなりそうな時もありましたが、スタッフさんにたくさん相談したことで何とか通所を続けることができました。
スタッフさんは私の症状や悩みをいつも否定せず受け止め聞いて下さいました。初めは相談することに不安もありましたが、徐々に困り事を全て話すことができるようになりました。
他にも企業に自分の新たな特性をどう伝えるかなど、たくさんの時間をかけて作戦会議を行いました。講座でも、自己理解を深める内容が自分の役に立ったように思います。
面談の他にもたくさん講座を受けた結果、自分の体調との付き合い方やどうすれば無理なく働くことができるかなどを身に付けることができました。
今回ご縁のあった企業の面接では自分で工夫できることや、頂きたい配慮なども自信をもって伝えることができ、内定に繋がりました。
ここまで来るには一人では難しかったと思います。いつも背中を押して下さったスタッフの皆さんや関わってくれた利用者の皆さんに感謝しています。
体調とうまく付き合いながら長く働いて自立できたらと思っています。ありがとうございました。
就職事例34-3-1  就職事例34-3-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
3回目の利用ということもあり、早期就職を目指して共に走りましたね。就職活動のなかで悔しい思いをすることもありましたが、すぐに切り替えて前に進む姿が印象的でした。持ち前のコミュニケーション力だけでなく、その前向きさも内定に繋がったのだと思います。早期就職を掲げながらも、「無理なく長く働く」ということを大切に、就職活動を続けたことでよりよいご縁がありました。就職先より、今後も社員が増えるとお聞きしています。先輩社員として活躍されることを楽しみにしています!
(エンカレッジ大阪 スタッフU)

就職事例4)自己理解を深め 方向性を見出すことができた

エンカレッジ天満橋 ご利用者Iさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Iさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】40代後半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム
  • 【利用期間】1年1か月
  • 【職種】接客、商品陳列
 
エンカレッジでは就職するにあたって必要なビシネスマナー・自己理解を講座学ぶことができ、それ以外にも生活面で参考になることや、社会性やコミュニケーションを学ぶことができました。
当初は発表の時に緊張しがちでしたが、徐々に慣れていくことができ、今では少し落ち着いて話ができるようになりました。
また、週に一回担当スタッフと面談があり、その時に生活面や就労のことを相談し、解決することができました。三社で実習もでき、内定を頂けない時でも学べた事が多く、次に生かすことができました。エンカレッジには約一年通所しましたが、その間に自己理解を深めること、方向性を見出すことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。1年間お世話になり、ありがとうございました。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Iさんはいつも物腰柔らかく、誰に対しても丁寧な関わりをされる方です。就職が決まり、通所最終日の壮行会では、他のご利用者の方から「Iさんが怒っているところは想像できない」「Iさんがいてくれたから話し合いで意見を言いやすかった」「就職先のお客さんもIさんになら話しかけやすそう」など、お人柄ゆえのメッセージをたくさん受け取っておられました。
そんなIさんですが、過去の就職先では指示の理解等で苦労されたこともあったとのことで、エンカレッジでは報連相やメモの取り方など、働く基礎の部分からしっかりと取り組まれていました。また、職場実習を通してご自身に合った仕事や環境についての理解も深めていかれ、今回就職が決まった会社は、Iさんのお人柄や強みをしっかりと生かせる場所だと感じています。
今後もエンカレッジは陰ながら応援していきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします!
(エンカレッジ天満橋 スタッフY)

就職事例5)「ここに就職したい」職場実習で実感

エンカレッジ天満橋 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】10代後半
  • 【障害種別】ADHD 自閉症スペクトラム チック・吃音症
  • 【利用期間】9ヵ月
  • 【職種】倉庫内軽作業/折りたたみコンテナ組み立て・ダンボール解体
 
私はこの1年間、エンカレッジ天満橋で色々な体験・勉強を取り組んできました。
特に一番取り組んだことは職場実習です。自身が就職するにあたって必要な知識やスキルを学べると思ったからです。この一年間とても自分のためになる体験ができました。
私は1月に就職することになりました。初めて体験実習に行ったとき、不安はあったけれど1~2回にわたって職場体験をさせていただいたおかげで「ここに就職したい」と思えるようになりました。就職しても頑張りたいと思います。
就職事例34-5-1  就職事例34-5-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
静かな環境で座って作業するのが苦手なKさん。エンカレッジでの講座やプログラムなど、しんどいと感じる日が多かったと思います。利用開始時から「体を使う仕事がしたい!」とお話してくださり、自分に合う業務や職場を探すため、短期間で数社の実習に挑戦されました。
実習先でも、ご本人の想像よりハードな清掃作業の体験もありましたが、Kさんは「一度決めたことは絶対やりとげる!」という気持ちで毎回取り組まれていました。就職先では2回体験実習をしましたが、1回目の時から、「ここで作業するのが楽しい!」とおっしゃっていたのが印象に残っています。
スイッチが入ると多少無理をして頑張ってしまうKさんですが、引き続き、楽しい!やりたい!という気持ちを大事に、お仕事を続けられるように応援しています。
(エンカレッジ天満橋 スタッフT)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!

発達障害に特化した就労移行支援事業所エンカレッジ

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