成長に繋がるので失敗しても悩んでもいい! 他4事例~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2021年5月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、5つのストーリーをお届けします!
*「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください。

就職事例1)成長に繋がるので、失敗しても悩んでもいい!

エンカレッジ京都 ご利用者Sさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Sさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代
  • 【障害種別】ADD、軽度知的障害
  • 【利用期間】2年1ヶ月間
  • 【職種/業務内容】庶務・軽作業/スライドカッターやハサミでのカット作業、封入作業、伝票仕分けなど
 
私は専門学校に通っていた期間に、自分に発達障害があるという診断を受けました。
最初は「障害があるから働くのは無理かな」と就職することに消極的になっていましたが母から障害がある方でも働ける就労移行を進められエンカレッジに通うことになりました。
通所してから自分が大きく変わったと思っています。

最初はネガティブ思考や自信のなさから、些細なミスをしてしまうと「自分はもうダメだ」という自分を責めてしまう傾向がありました。 しかし、スタッフさんや先輩の利用者さん達と活動していくうちにどんな小さなミスや失敗をしてもネガティブにはならず自分を責めなくなり自信もつけられるようになりました。 今でもなぜあんなにネガティブだったのか不思議に思うほどです。 また、自分の気持ちに蓋をしてしまう癖があり、「嫌だ」ということをなかなか言えず承知してしまったり身体や心が苦しい時に周りに合わせてしまったりなどがありました。
そんな私も面談をしていくうちに少しずつ自分の気持ちを吐き出せるようになりました。

自分の特性や自己理解が不十分でスタッフさんと一緒に確認して見直していくことで徐々にできることが増えていきました。 もしスタッフさんがいなかったら今の自分はいなかっただろうなと思うと同時に就職も決まらなかっただろうなと思っています。

就職するまでに様々な失敗や悩んだりもしましたが、エンカレッジのスタッフさんに支えてもらったため今では失敗してよかったなと思うようになりました。 2年前の自分に「たくさん失敗しても悩んでもいいよ!失敗や悩んだ末に成長できるから!」ということを伝えたいぐらいです。

約2年間、本当にお世話になりました。今後もよろしくお願いいたします。
就職事例16-9-1
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
エンカレッジ最終日は、名残惜しさからなかなかエンカレッジから出られなかったSさん。
約2年の間、最初は戸惑いもあったかもしれません。だんだんとエンカレッジに慣れてこられ、当番の不在の方に気づいて、スタッフに「私がやりましょうか」と申し出て下さったり、時間が余れば「他にできることはありませんか」と聞いてくださっていました。 この姿勢はいくつか挑戦した不慣れな実習先でも勇気を出して実践され、高く評価されました。
当番も、ワークシートも、講座も、実習も、メモを正確に取ることも、どんなことにも真摯に・丁寧に向き合い、決めたことは投げ出さずにコツコツと継続される姿に刺激を受けていたのはスタッフの方でした。
ご本人の声にも「自分が大きく変わった」とありますが、それはご本人がエンカレッジのプログラムを通じて「こうしたい」「こうなりたい」という意欲を持ち続けられたこそだと思います。
こちらこそ、就職後もよろしくお願いします。
(エンカレッジ京都 スタッフY)

就職事例2)「温かさ」「働く意義」大切なことを学んだ

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代
  • 【障害種別】広汎性発達障害
  • 【利用期間】1年8ヶ月間
  • 【職種】レビュー作成・反響リサーチなど
 
エンカレッジでの活動を通じて、様々な事を学ばせて頂きました。話し方・聞き方、リーダーシップ、自己理解、ビジネスマナー…ここで書ききれないほどの学びは、自身を大きく変えることとなりました。
しかし、それ以上に大切なことをエンカレッジで学ぶことができました。それは「人の為になる事の温かさ」と「社会で働くことの意義」です。
大学在籍中にエンカレッジの働くチカラPROJECTでの活動を通じてそれを学び、事業所内での活動で自らのものとすることが出来ました。
ただ単に働くためのスキルの提供だけではなく、なぜ働くのか、なぜ社会に参画するのかを教えて頂けたことで、私は大きく飛躍することが出来ました。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Kさんは働くチカラPROJECTからエンカレッジを利用されており、いつも課題意識をもって就職に向けて前向きに取り組まれていました。
「先輩として引っ張って行きたい」と、依頼業務を積極的に引き受けたり、グループワークではリーダーとして進行したり、周りとのコミュニケーションを大事にされていました。
PCを自作するほど知識・スキルをお持ちですが、面接に苦手意識を持っており、就活では苦戦されました。諦めずに働き方の視野を広げて様々な企業にチャレンジし、個別で面接練習にも励まれました。
結果、ゲーム好きなご本人も驚きの企業に内定となりました。

内定までたくさんのスタッフが丁寧に支援を繋いでくださっています。
Kさんが活き活き活躍できるようにサポートしたいと思います。
(エンカレッジ心斎橋 スタッフK)

就職事例3)苦手な面接に積極的に参加し、自信を持てた

エンカレッジ大阪 ご利用者Tさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Tさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】ADHD
  • 【利用期間】1年10ヶ月間
  • 【職種/業務内容】事務補助・軽作業/会議室設営・清掃など
 
大学時代に就職活動を行っていましたが、中々うまく行かず、大学の総合学生支援センターに相談したところ、就労移行支援施設があることを知りました。
体験や見学をしてエンカレッジ大阪の雰囲気が自分に合っていると思い、利用を開始することになりました。
利用開始前は慣れるかどうかがとても不安でしたが、いざ利用開始してみると、周囲にいる人達と仲良くなり、積極的にコミュニケーションを取ることができて、思っていたよりも早く慣れました。
オフィスワークではパソコンスピードやe-typing、データ入力、ワークサンプルなどを行い、正確性や作業速度を上げることができました。
また、講座や実習では自己理解を深め、得意なことや苦手なことをたくさん見つけることができました。
他にもソーシャルクラブで色々な場所に行ったり、昼休みには周囲にいる人達に声をかけて、ボードゲームをして、楽しく過ごすことができました。
私がエンカレッジで一番頑張ったことは面接です。私は面接がとても苦手でしたが、面接練習に積極的に参加したりして、スキルを上げてることができ、自信を持てるようになりました。
就職してからもエンカレッジで学んだことを活かし、頑張っていきたいと思います。1年10ヶ月、本当にありがとうございました。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Tさんは利用開始から明るくニコニコした表情が印象的でした。就活についても意欲的で、面接練習会にも、初期のころから積極的に参加しておられました。
初めのころは「どんなことを言えばいいか分からない」と悩んでおられましたが、同じタイミングで面接練習会に参加されていた利用者さんにコツを聞き、「もっと強みをアピールしてもいいんだ」と腑に落ちた感覚があったようです。
就職活動も、担当スタッフと頑張りましたね。面接や実習など、本当にたくさんチャレンジされました。経験したことを振り返り、自己理解を進めることができました。
周囲をパッと明るい雰囲気にできるTさんの良さを活かして就職先でも頑張ってください!
(エンカレッジ大阪 スタッフG)

就職事例4)大変な日々を乗り越え、待ち望んでいた日が

エンカレッジ大阪 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Yさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】広汎性発達障害
  • 【利用期間】2年2ヶ月間
  • 【職種/業務内容】事務補助
 
やっとこの日が来た。どれだけ待ち望んでいた事か。

エンカレッジ大阪に来てからは、ワーク作業や講座を受けていたりと、忙しい日々でした。
この二年以上はそれぞれの企業へ体験実習を行って業務を知ったり、緊張しながらも面接を受けたりと、大変な日々でもありましたし、就活途中に現れた新型コロナウイルスによる事態もあり、辛い日々もありました。
そんな日々を迎えていた矢先、長い実習を受けた企業様から内定を頂き、私はとうとう就職決定したのです。
これも日頃お世話になっております、エンカレッジ大阪のスタッフの方々のおかげです。
本当にありがとうございました。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Yさんは働くチカラのハジメ・ススメとご参加いただき、大学卒業後にエンカレッジをご利用されることになりました。
担当を引き継いだのは、利用を開始して1年後、私が大阪へ異動してきたタイミングです。
担当変更に伴う環境の変化や直近で受けた採用面接が不採用であったこともあり、不満と不安が入り混じった様子が印象的でした。
ただ、「(不採用で)悔しい…!」という想いをバネに月3回の面接練習を数カ月にわたり継続し、いくつもの面接にチャレンジしました。
なかなか結果に結びつかず、しんどい時期もありましたし、就労経験がなく社会に出ることへの不安から、 よく「できない」「難しい」と発信されましたが、その度に「振り返ると“でるようになった事”はたくさんある」「やってみるとできる事は多い」と少しずつ自信をつけ、 採用頂いた企業の面接では「苦手なことでも、できるようになりたい!」と自分の言葉で伝えることができました。
13日間の雇用前実習の中で、その真面目な人柄と素直さを評価頂けた結果だと感じています。
就職先でも、諦めずに取り組む姿勢でいろんな事にチャレンジし、社会に出て働けているんだ!という自信をつけて頂きたいと思います。
(エンカレッジ大阪 スタッフS)

就職事例5)実習を通して自分の成長を感じ取れた

エンカレッジ大阪 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】ADHD
  • 【利用期間】1年9ヶ月間
  • 【職種/業務内容】事務補助/スキャン、入力など
 
エンカレッジに入って良かったと思うことは、色々なことにチャレンジ出来たことです。特に実習には7回くらい行き経験をさせていただきました。
その中で失敗や自分に足りない部分が見えてくることもありましたが、次回の実習にその反省を活かすなどして成長が身に感じ取れる経験も出来ました。実際に働く際にもそれを活かしたいです。
他に良かったと思うことは、ソーシャルクラブだと思います。色々な場所に他の利用者さんと話し合いをしながら、計画を立てて遊びに行くという経験は新鮮で楽しかったです。
まだ成長しきれていない部分もありますが、エンカレッジでの経験や気づきを忘れずに働きながら成長して行きたいと思います。
本当にありがとうございました。
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Kさんは就職が決まる前に立て続けに2社の実習に休む間もなく行かれました。それぞれの企業で何を求められているのかをご自身で感じながらしっかりと実習に挑まれました。その結果、こうして就職に結びつける結果を得ることが出来たと思います。
Kさんの強みはポジティブな所と、面接では何かを答えようと必死に考えを振り絞って答えることを意識していたことです。何回も何回も繰り返された面接練習では、予想外の質問にも何とか答える。という所は本当に意識されていました。
これから就職というステージに立ちますが持ち前のポジティブさと安定した体力でぜひ頑張って欲しいと思います。
(エンカレッジ大阪 スタッフS)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!