働き続けるにはどうすべきか?を考え再挑戦。他4事例~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2021年1月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、5つのストーリーをお届けします!
*「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください。

就職事例1)「働き続けるにはどうすべきか?」を考え再挑戦

エンカレッジ天満橋 ご利用者Yさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Yさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】広汎性発達障害
  • 【利用期間】10ヶ月間
  • 【職種/業務内容】ピッキング
 
悔しい思いで前職を後にしましたが、またここに来て、単に再就職に向けて考えることよりも「働き続けるにはどうすべきか」をテーマにこの10ヶ月過ごしてきました。
結果、自分の能力を発揮できて、「ここなら自分は働き続けられる」と思える場所に出会うことができ、就職が決まりました。
不安に思うこともありますが、自分らしく自信をもって頑張っていこうと思います。
就職事例12-1-1 就職事例12-1-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
約1年半務めた製造会社を退職され、2度目の利用となったYさん。
エンカレッジと社会(会社)の違いは何か、どんな事が社会では必要なのかをもう一度見つめ直したいと目標を決め、再利用を開始されました。
グループワークで率先してリーダー役を担ったり、冗談を言い、場を明るくする半面、在宅での取り組みにストレスを抱えたり、前職とは真逆の職種へのチャレンジ、人間関係で悩み考えることが多い10ヵ月だったと思います。
悩んだことに対して都度立ち止まり気持ちを整理して進んでこられ、今までの経験から自信をもてると思えるお仕事で内定をいただけました。
人と比べたり、人間関係に悩み、落ち込みそうになった時は「How about me?」(自分はどうなのか?)と振り返り、これからも前を向いて頑張りたいと壮行会でお話しされる姿はとても頼もしく、輝いておられました。
粘り強く前に進んでいかれるYさんの活躍をこれからも応援しています。
(エンカレッジ天満橋 スタッフM)

就職事例2)一度つまづいた実習先。再チャレンジを経て就職へ

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Iさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Iさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】自閉症スペクトラム
  • 【利用期間】2年間
  • 【職種/業務内容】事務/伝票仕分け、経理業務
 
二度目のエンカレッジの利用となり、遂に新しい職場へ就職することとなった私ですが、今振り返れば二度目の利用の間には、個人的にも社会的にも色々大きな出来事が起こり、まさに「激動期」でした。
今回就職することとなった職場は、実は前冬に一度実習で訪れたのですが、その時は一部の業務で酔ってしまって遂行不可能となり、躓いてしまいました。しかし、職場の方々は私を好意的に見てくれていたようで、昨年11月の面接にて雇用前実習が可能となり、そして、雇用前実習と面接を経て、ついに内定を勝ち取ることができました。
今まで私を支えてくださいました方々への感謝を忘れずに、新天地にて頑張って行く所存でございます。
就職事例12-2-1 就職事例12-2-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Iさんは前述のとおり、二度目のご利用でした。
エンカレッジ大阪から就職し、2年半勤められました。退職の理由は上長の変更から人間関係がしんどくなり、落ち込みが強く続いたことが原因でした。退職後、心斎橋事業所から再出発しました。
心斎橋でも大阪利用当時と変わらず、スタッフに自身の興味関心からの知識をふんだんにアウトプットする彼ですが、心斎橋を利用してからは新たな趣味の英語をきっかけに、ご利用者ともコミュニケーションの機会が増えました。
就職先への実習は1年前に体験で臨み、その際はC評価が目立ちましたが、今回は「高い意欲」と「感謝の気持ち」を前面に、A評価まみれの結果となりました。そして、何より本人の魅力的な「人柄」が先方の多くの方にハマり、面接時にはその場で内定をいただくことになりました。
(壮行会では企業の方も希望され、参加いただきました!)
最初の就職時、今回の就職時と担当させていただきましたが、これまでの担当始め、スタッフ達の力添えもあり、意欲高く就活に臨むことができました。
※写真の一つは1年前に当時担当のTさんが個別支援計画を携行できるようにと、本人と策定したシートです。
(エンカレッジ心斎橋 スタッフY)

就職事例3)自己理解を深め、自分に合った就職先を見つけられた

エンカレッジ京都 ご利用者Aさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Aさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】高機能自閉症
  • 【利用期間】11ヶ月間
  • 【職種/業務内容】倉庫内作業
 
私は一般での就職活動をしていましたが、上手くいかず、障害者雇用での就職を視野に入れ、エンカレッジへ入所しました。
入所して気が付いたことは、自己理解が不十分だだったということです。
好きなことから仕事を選ぶのではなく、自分がどのような特性を持っているかを理解することで、自分に適した仕事や業務内容を整理することができました。
今回、A社へ実習へ行き、業務内容・職場環境が私に合っていると感じ、就職を決めました。

就職先ではエンカレッジで学んだことを実践して、職場に馴染みながら働いて行けたらと思っています。
スタッフと利用者のみなさん、今までありがとうございました。
就職事例12-3-1 就職事例12-3-4
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
AさんはIT系の専門学校を卒業、一般での就職活動をされていましたが上手くいかず、エンカレッジをご利用されました。
一見クールに見えるAさんですが、お話しするととても穏やか・誰とでも仲良くなれる方で、グループワークなどにもとても積極的に参加してくださいました。
タスク管理・メモの活用にもコツコツ取り組まれ、「メモする」「確認する」ことが徐々に身につきました。
色々なことに興味があり、選り好みもしないため、業種や職種を定めるのに時間がかかりましたが、実習へ行き、企業の方から色々なフィードバックをいただいたことで、「自分に合っている仕事」についての理解が深まりました。

社会人になると、生活リズムや時間の使い方など、様々な変化がありますが、身体を大切にしながら、頑張ってほしいと思います。
(エンカレッジ京都 スタッフO)

就職事例4)コミュニケーションの不安を乗り越え、大好きな法律分野の仕事へ

エンカレッジ京都 ご利用者Iさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Iさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】うつ、発達障害の疑いあり
  • 【利用期間】1年1ヶ月間
  • 【職種/業務内容】法務部門
 
この度、就職の内定をいただきました。法務部の一員として、契約締結に係る業務などに従事する予定です。
実習を通して、「できそうなことはどんどんやってみてほしい」と考えて下さる企業とのご縁をいただくことができました。大好きな法律の分野で仕事ができることを、とても楽しみにしています。

エンカレッジのスタッフの方々には、日々の活動を通して気づいた苦手さを配慮事項として見つめ直すことをはじめ、さまざまにサポートしていただきました。
また、就職活動中や実習中には、利用者の仲間がいることをいつも心強く感じていました。

プログラムでは、日々の活動を通してビジネスでのコミュニケーションを練習しました。自分にとって課題となる部分を練習したことで、コミュニケーションで不安になりすぎることなく業務に集中できるようになったと感じています。

私は新しい環境や人間関係に慣れるのに、人より少し時間がかかるようです。職場定着のサポートを受けながら、不安なときには基本に戻って働いていきたいと考えています。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Iさんは4回生の春、就職相談会にお見えになったのがエンカレッジとの最初のつながりとなりました。
その後、働くチカラPROJECT「就活のススメ」を経て、大学卒業前の冬からエンカレッジをご利用されました。
講座でもオフィスワークでも、一つのことから多くのことを学ぼうとされる姿勢がとても印象的で、実習でも「伝えたこと以上のことを吸収しようとされていた」と評価されました。
こういった姿勢は一朝一夕で身に付くことではないですし、私も見習いたいなあ、と日々思っておりました。
長い社会人生活には色んなことがあると思いますが、エンカレッジで身に付けた「周りに相談する」スキルを存分に発揮し、Iさんらしく歩んでいってください!
(エンカレッジ京都 スタッフY)

就職事例5)就職前にたくさん失敗して、悩んでよかった

エンカレッジ京都三条 ご利用者Hさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Hさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代
  • 【障害種別】自閉スペクトラム症、対人恐怖症、強迫症
  • 【利用期間】2年1ヶ月間
  • 【職種/業務内容】データ入力
 
二年以上もの間、大変お世話になりました。感謝申し上げます。
エンカレッジでは、自身の障害理解、自らの強みを知ることができました。それらを面接で企業に上手にお伝えする練習をさせていただきました。面接に同行していただき、面接後のメンタルケアを行っていただきました。
体調不良で休みがちになったときは、その原因と対処法を共に考えていただきました。これらすべては、自力ではできなかったと思います。スタッフの皆様のおかげで、ある程度は自分で解決できるようになったと思います。
就職前に、たくさん失敗して、悩んでよかったと思います。就職後は、自力ですべてしなければというプレッシャーに逆らって、職場や定着支援事業にお世話になり、相談を欠かさないよう心がけます。
ありがとうございました。定着支援で、今後ともよろしくお願い致します。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
今までの努力が報われたこと、本当におめでとうございます。
体調も安定して就労に向けて動き出そうとしていたさなかでのコロナウィルスの流行。今は耐える時期と捉えながらも、面接の準備を整え、体調を安定させて非常に頑張られていました。面接の緊張やお祈りメールによって、次の日はしんどくて何も手につかないこともありました。しかし、回数を重ねるごとに、しんどくなる前に相談ができ、辛い面接を振り返り練習をして、もがいてもがいて内定を勝ち取られました。その過程で自己理解も深まり、企業が安心する伝え方を練習し、それが自信につながっていきました。
柔和で誰にでも丁寧に接することができる方だからこそ、しんどさを抱え込んでしまう傾向にありました。しかし、そんな自分自身を認めて、ちゃんと人に頼ることができるようになったのだと思います。就労の中でしんどさを抱えることは当然あるでしょうが、他の方をしっかり頼って成長していく姿が目に見えます。
これからの人生に幸多きことを願います。改めて、おめでとうございます。
(エンカレッジ京都三条 スタッフI)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!