発達障害のある大人の就職事例10~私はこうして就職が決まった~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。 ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。 また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2020年11月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、4つのストーリーをお届けします!
*「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください。

就職事例1)自分にあった仕事内容をじっくり考える機会になった

エンカレッジ京都三条ご利用者Nさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Nさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】37歳
  • 【障害種別】ASD・ADHD
  • 【利用期間】2年7ヵ月
  • 【就職先】就労継続支援A型事業所
  • 【業務内容】電子書籍制作
 
体調がなかなか自分の思うようにならないことも多かったですが、エンカレッジで過ごすことで、以下の点に気づかせてもらいました。
・自分の考えを伝え、他者を理解すること
・体調管理の大切さ
・何事でも取り組んでみる


エンカレッジでの2年7ヵ月間は私にとって、どのような環境で、どのような形で働くのが良いのか、そして、どのような仕事内容に就くべきかをじっくり考える機会でした。

高校でデザインを学び、短大では絵画(日本画)、大学に編入してさらに日本画を学び、その後、専門学校において空間デザインを学びました。
趣味では、Illustrator、Photoshopを使用して、ポスター・チラシ・イラストを描いていました。
そのような経歴から、学んだ分野で仕事をしたいと考えていましたが、体調が整わない状況もあり、それに見合う実習先がそんなに簡単には見つからず、少し諦めの気持ちもありました。
しかし、スタッフの皆さんには、何とか私に実習機会を設けようと奔走してくださいました。

今回お世話になる事業所は、私がこれまで学んだことと、興味ある分野の仕事だったことから、とても自分に合っていると感じています。こちらでしっかり力をつけようと思います。
現状ではフルタイム勤務は難しいので、働きながら徐々に体力をつけて将来的に一般企業を目指して行くことにしました。
就職事例10-1-1 就職事例10-1-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
控えめな性格で、いつも「申し訳ない…」との気持ちを強くお持ちのNさんでした。
音に過敏さがあり、静かな作業環境はNさんにとって必要な環境でした。
季節の変わり目など、体調を崩されることも多く、一時は「就職はまだ早いのではないか」というところまで話し合ったこともありましたが、諦めず取り組んだ結果、Nさんに合ったとても素晴らしい事業所と巡り合うことができました。
スマートフォンで漫画を読まれた方もあると思いますが、そのうちNさんが加工された漫画をお読みになるかも知れません。
紙面の漫画と比べて画面の狭いスマートフォンやタブレット上でどのように見せるかは、作業する技術者の腕の見せどころだそうです。
しっかり技術を身に付け、ご活躍されることを期待しています。
(エンカレッジ京都三条 スタッフT)

就職事例2)過去の経験や知識を生かせる仕事に決まった

エンカレッジ京都三条ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30歳
  • 【障害種別】ASD・ADHD
  • 【利用期間】1年6ヵ月
  • 【就職先業種】運送業
  • 【業務内容】ドライバー補助職
 
仕事探しにあたっては、自分の特性や過去の経験を活かしたいと考えていました。パソコン操作には苦手意識があり、体を動かすことが自分には向いていると考えていました。
前職の野菜加工の会社やその前の自衛隊では、運搬車両の安全確認補助の仕事もしていたことから、今回の就職先ではその経験や知識を活かすことができると思い、お世話になることにしました。
2週間の実習に取り組みましたが、自分の知識と体力で働けるかの判断ができたので安心出来ました。

エンカレッジでは、苦手なコミュニケーションの練習のため、グループワークで積極的にまとめ役を引き受けました。自分の思いが先行して迷惑をかけることもありましたが、今となってはいい経験ができたと思います。
また、在宅ワークが続く中、スタッフと面談で相談して決めた「ウオーキング」に取り組んだことも良かったです。体調管理のため自宅周辺のウオーキング(約9㎞)を今年6月から毎日継続しました。
簡単なことでいいので何か自分なりにできることを続けることで、少しやれるのではないかと自信につながったと思います。
就職事例10-2-1 就職事例10-2-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
正直に言うと、ちょっとさぼり癖があり、適当に理由をつけてやってないことでもやったと報告されるなど、行動面では、やや課題があるKさんでした。正確に伝えていないのは良くないことですが、実習ではしっかり自覚を持って取り組まれました。
「やる時はやる」そんなタイプの方です。ご両親にはいろいろ口やかましく言われるのが嫌で、あまり良好な関係性が築けていないようですが、何を言われようが適当に受け流せるところは、いい意味でストレスを溜めない秘訣のようです。

他のご利用者よりも少し年上ということもあり、Kさんなりに色々と気遣いされていました。時にはグループワークのまとめが上手くいかず、苦戦されていましたが、投げ出すことなく最後まで向き合い、取り組まれる姿勢は、Kさん忍耐力の強さを感じました。
実践向きで忍耐力のあるKさんですので、きっと会社の戦力になってくれるはずです。
(エンカレッジ京都三条 スタッフT)

就職事例3)自分自身を知ること、書いて伝えることが重要

エンカレッジ大阪ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】アスペルガー症候群
  • 【利用期間】9ヶ月間
  • 【業務内容】事務補助・データ入力等
 
昨年9月に前職を退職してから一人で就職活動を行ってきましたが、うまく進めることができず、自信をなくしていました。
エマリス堺の紹介もあってエンカレッジ大阪に通うことになりました。そこで学んだ大きなことは、自分自身について知ることです。
就職活動を行う上で、自分自身のことを書いて伝えるということが重要だということを感じました。
これまでの経験を振り返ることや、プログラムを通して長所・短所について考えることができました。
スタッフの皆さまには、面談などを通して私のことを考えてくださり、面接練習の機会も与えていただいたので感謝しています。
このような就職に厳しい状況でも内定をいただいたのは、私一人だけの力では無理だったと思います。

12月から新たなスタートを切ることになりました。不安もありますが、同時にどんなことができるだろうという期待もあります。
仕事を行う上で辛いことがあっても、エンカレッジに通所していたことやこれまでの経験を思い出して冷静になって乗り切っていきたいです。
また長く働き、将来の夢について考えながら行動していきたいです。
9か月間という短い間でしたが、今までありがとうございました。
就職事例10-3-1 就職事例10-3-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
なんでもやってみよう!と前向きな姿勢で、さまざまなことに取り組まれました。
印象に残っているのは、実習で初日から3日間ほど、手加減をしながら作業をしていたところを企業のご担当者からチクリと指摘を受け、そこで「はっ!」と気づきがあり、4日目からの行動が大きく変化されたことがありました。
指摘に対して、素直に認め、行動を変えていけるところはKさんの素晴らしい点です。
ぜひ、その姿勢を新たな職場でも発揮してください!
(エンカレッジ大阪 スタッフT)

就職事例4)自己理解が進み、働く意欲や働きたい企業が見つかった

エンカレッジ京都三条ご利用者Uさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Uさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】26歳
  • 【障害種別】広汎性発達障害
  • 【利用期間】7ヵ月
  • 【業務内容】事務処理一般
 
私は社会に出て働くことへの自信が全くないまま、エンカレッジに入所しました。
エンカレッジでは自己理解のための講座やワークがあり、就職が決まるまで日々それらに取り組みました。
今となって考えると自信が持てなかったのは、自分のことを全く理解していなかったからだと思います。
自己理解が進んだことで、働く意欲がわき、自ら進んで働きたい企業を見つけることができ、さらに採用面接でも自信をもって話すことができました。
このように前向きな取り組みができ、就職まで導くことができたのも、エンカレッジでの多大なサポートなしでは不可能だったと思います。

半年間どうもありがとうございました。
今後もよろしくお願いいたします。
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Uさんは安定感抜群でした。
何をするにも「学ぶべきことがある!」
迷った時こそ「まずはやってみる!」
との精神で行動されている姿は見ていてとても気持ちが良かったです。
自分が頑張っていることで自然と他者にも良い影響を与えられるのがUさんだと思います。

何事にも頑張れるのは強みですが、少し頑張り過ぎてしまって、自分で解決する意識も強く、ため込んでしまうことがあり、時にしんどくなることがあるようです。
人を頼ることは恥ずかしいことでも迷惑でもありませんので、遠慮せず自分の状況を伝えて頼れることはどんどん頼って欲しいと思います。
(エンカレッジ京都三条 スタッフT)
 
何事に対しても、貪欲に学ぼうとするUさん。
こちらも見習わせて頂きたいと思う姿勢で、日々取り組み、積み重ねをされていました。
特に、自己理解に力を入れて取り組んでおられました。
壮行会の発表でも、自己理解が進んだことで自信に繋がったとお話をされていたのが印象的でした。

入社後も、これまで培ったことを存分に活かして、ご活躍されることと思います。
何事にも全力に取り組むことが内田さんのモットーですので、時には気持ちを緩めて仕事の楽しさを見出してご活躍頂ければと思います。
(エンカレッジ京都三条 スタッフU)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!