発達障害のある大人の就職事例5~私はこうして就職が決まった~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています📣
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2020年5月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、2つのストーリーをお届けします!
*「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください。

就職事例1)自分が前向きになれば、環境も変わる

エンカレッジ心斎橋ご利用者 Nさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Nさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】発達障害・双極性障害
  • 【利用期間】1年4ヶ月間
  • 【就職先[業種]】建築業(橋梁整備・メンテナンス業
  • 【業務内容】
  • 事務/総務・経理業務(勤怠管理、ファイリング、手形づくり等)
 
エンカレッジに入所した2019年2月。最初は慣れていくことに精一杯で、パソコンも全然触ったこともなかったのでついていくのに必死でした。
でも、いつもスタッフの方が些細なことでも話を聞いて下さり、親身に寄り添って道を照らしてくださる姿に、「苦手なことが多い」と今まで自分がしてこなかったことにも、少しずつでいいから挑戦していこうと思いました。
エンカレッジの仲間も声をかけてきてくれて馴染んできて、皆とグループワークやお昼休みの時間で段々仲良くなっていきました。 何か挫折してしまいそうになったり投げやりになった時期もありましたが、私の周りにはいつの間にか今まで感じたことがなかった温かさを感じるようになりました。
面接などでうまくいかなかったり苦しい時もあったけど、自分が前向きに変わっていけば環境は変わると確信できました。皆の頑張っている姿を見ていると、一人じゃないんだなと思えました。私も皆もいろんな障害で困ってることがあるけど、それぞれ凄く素敵なところがあるのです。自分の良いところやマイペースなところ、できない自分も受け入れてあげようと思いました。
就職先では3週間実習させて頂き、皆さんいつも温かく声をかけて下さりました。この職場の方々とこれから一緒に働けることが、今とても嬉しいです。

エンカレッジを通して素敵な皆さんに出会えて本当に幸せだし、人生の中で貴重な経験ができて本当に感謝しています。家族、スタッフの皆さん、エンカレッジの皆さん、本当にありがとうございます。皆さんとまた会えることを楽しみにしています。
就職事例5-1-1 就職事例5-1-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Nさんは持ち前の優しさとひたむきさで、いつも周囲を気遣ってくださる方です。その分たくさんのことを背負って、自分のことは後回しになり、しんどくなってしまうこともありました。しかし、エンカレッジでの日々を経て、しだいに自信が持てるようになったと話されています。
一時記憶が苦手という特性から、メモ取りの際は色分けしたりチェックボックスを書く、状態の波を把握するために毎日の体調や気持ちを記録するなど、自身の特性で気付いたことがあると、色々な工夫を試しておられました。

就職活動では、実習や面接で嬉しいこと、厳しいこと様々な経験をし、時には涙を流したこともありました。また、社会情勢の変化に影響を受け、しんどさを抱える時期もありました。そうした中でも、良いことや悪いこと、悔しい気持ちも全部「次につなげよう」と常に力に変えてきたNさん。ある時、ハローワーク求人を一緒に見て、見学させて頂けないかと問い合わせたところから、今回の就職につながりました。

ここからがスタート!Nさんが無理せず完璧を目指しすぎず、楽しく過ごせるようサポートしていきます。これまでたくさんの人の心を支えてきたからこそ、これからNさん自身がたくさんの人を頼ってもらえたらと思います。新しい環境でも、ありのままの魅力を活かせると信じています。
(エンカレッジ心斎橋 スタッフT)

就職事例2)自信もなく将来を諦めていた自分に期待を持てるように

エンカレッジ心斎橋ご利用者Oさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Oさん
  • 【性別】女性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】発達障害(自閉症スペクトラム)
  • 【利用期間】1年4ヶ月間
  • 【就職先[業種]】製造業(包装資材・工業資材・住宅建築資材・⽣活産業資材・メディカル関連分野)
  • 【業務内容】Iotシステムの監査業務
 
2019年2月の利用開始より1年と少し、とうとう就職することになりました。これは、利用する前の自分の状況からは考えられない事態です。それほどまでに今の自分と過去の自分には差があるように思えます。

エンカレッジの利用を経て、自分は様々な側面で成長できたと感じています。特に、人とのやり取りの面で成長を感じられます。私は、口頭による自分からの発信がとても苦手でした。しかしながら、エンカレッジでのグループワークや普段の他の人とのやり取りを経て、苦手意識がかなり和らいだように思えます。

一番変化したと思うのは、自信の面だと思います。利用開始前は自分に自信を持つなんてとうてい無理だ、自分は全く能力がないと思っていました。今思えば、一般的な基準と客観的な基準を内在化できていなかったのでしょう。
エンカレッジの活動の中で、他者からの評価を受ける場面が増え、自己の内的基準と外の評価基準のギャップに気づけるようになりました。あまり大きな声で言えませんが、自分にはいくつかの他者より優れている点があるということも知ることができました。自信満々とまではいきませんが、かつてよりは自信を持つことに抵抗が無くなったと思います。

エンカレッジを利用して本当に良かったです。かつて将来を考えるのを諦めていた自分が、将来を考えているのが不思議な感じです。就職はゴールではなく、ここからがまた長いのですが、大変なことがあっても無理をしないということを肝に銘じて今後も生きていこうと思います。こう考えられるようになれたことに、感謝が尽きません。
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Oさんを担当させていただくことになった時の第一印象は、まじめで高いスキルをお持ちの方だな、というものでした。コミュニケーションが苦手だったり、自信がないと言いつつも、エンカレッジの利用者さんとの関わりが多く、いつもOさんの周りには人が集まっていました。
面談でもあまり困りごとの発信は多くなかった方でしたが、本当は何をどこまで相談して良いのかわからなかったり、人に助けを求めることを今までしていなかったため(自己解決能力がそもそも高い方ではありますが)、そういった発信ができずにいたようです。

また、アルバイト経験や、就業経験もなく、働くイメージが持てず、就活に関しては受け身なタイプでした。実習や就活についてこちらから後押しすることが多かったですが、今回内定を頂いたS社で実習を経験し、こういう仕事をしたい!こんな職場で働きたい!など自己理解を深めることができ、就職となりました。

当初は4月中旬の入社予定でしたが、コロナの影響を受け、入社日が延期になり壮行会もできず、Oさんも自宅待機を余儀なくされました。入社日が決定するまでは、エンカレッジの在宅訓練に取り組んでいただきました。そして、5月18日から会社で在宅での勤務を開始されています。
仕事内容は、説明が難しく、私にとっては高難度のものを担当されている印象ですが、Oさんのスキルの高さを生かすことができており、会社からの評価も高いです。
初めての就業ですが、ご本人が働きたいと思える企業に出会えて本当によかったです。ご本人の終了作文にも記載されていましたが、ゴールではなくここからが長い道のりです。ぜひOさんのスキルを生かし、働き続けられることを願っています。
(エンカレッジ心斎橋 スタッフS)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!