大学内セミナーの取組み

最近、大学内での就活生向けのセミナーを実施したいとお声がけを頂くことが増えました。
大学側のニーズとして、障害者手帳は持たないが、就職活動に困りごとを抱える学生に対して、支援の必要性が増していることが挙げられます。
障害の診断があったり、障害者手帳を持っていたりする学生は、昨今の障害者雇用率の高まりを背景とした障害者雇用求人の増加、そして、福祉サービスである就労移行支援事業所などが充実してきていることもあり、一定の道筋が出来つつあります。まだまだ課題はありますが、この数年間の大きく進歩したと思います。
一方で、障害の診断がなかったり、障害者手帳を持たなかったりする層はこれらの恩恵を受けられず、困りごとを抱えたまま、大学側としてもうまく社会につなげることが出来ていません。
また、障害とは全く関係なく、就活に対して一歩踏み出せていなかったり、就活中の失敗体験により不安が強くなっていたりと、理由は様々ではあるものの、同じようにうまく社会につながっていない状況があります。
こういった学生に対して、コミュニケーションや自己PR、面接練習などを行う講座を行うことで、第一歩を踏み出すきっかけにして頂いています。また、セミナーにとどまらず、学生の自己PR作成や配慮事項、履歴書の作成をエンカレッジが独自開発したICTツールであるBoosterキャリア上に登録し、その後、継続的な伴走支援、その後外部に繋がっていく流れを作っています。
流れ
基本的には、障害の診断や手帳があろうがなかろうが(というよりもむしろ障害の診断や手帳がある学生の方が少ない)、途中までは同じ支援フローを取ることで、障害学生を特別視することなく、支援の仕組みを作っています。学生の最終的な進路に応じて外部連携する機関やイベントを複数用意することにより、学生にとっての機会は多様化します。
 

学生支援のフロー

Boosterキャリア
現在、数大学で、取り組みを進めている最中ですが、いくつか取組事例をご紹介したいと思います。
◆A大学
8月に大学内で4日間の就活セミナーを実施し、10名強の学生さんにご参加を頂きました。セミナーを受けて、就職活動に向けた第一歩を踏み出した学生さんも複数おられ、その後内定につながった学生もいます。また、今後実施する予定の企業とのマッチングイベントに向けて、キャリアセンターと学生が一緒になって、本人の自己PRを作成したり、配慮事項について整理したりして頂いています。
◆B大学
B大学では、7・8月にコミュニケーションが苦手な学生7名と、夏休みにインターンに参加する発達障害学生3名を対象に、2日間の就活セミナーを実施しました。ビジネスマナーやコミュニケーション、自己理解を深めるセミナーです。インターン後には、事後学習を実施し、インターン先での経験を、自身に落とし込むふりかえりを行いました。今回のセミナーやインターンで得た気づきや学びを活かしながら、キャリアセンター・障害学生支援室とが連携をし、就職のサポートをしておられます。


今後、企業とマッチングするイベントも取り組んでいく予定にしており、そこに向けた準備も各大学と一緒に取り組んでいきます。その成果も改めてご報告したいと思います。
 

今後予定している学生向けのマッチングイベント

第1回
【テーマ】IT系(障害者雇用)
【時期】209年1月頃
【場所】大阪市内
【対象学生】大学と学生がBoosterキャリアに登録し、かつ障害者雇用を目指す卒業回生
【対象企業】理系の専門的な職域の採用を目指す大企業
第2回
【テーマ】事務系(障害者雇用)
【時期】209年1月頃
【場所】京都市内
【対象学生】大学と学生がBoosterキャリアに登録し、かつ障害者雇用を目指す卒業回生
【対象企業】障害者雇用の実現を目指す企業
第3回
【テーマ】一般雇用
【時期】209年1月頃
【場所】調整中
【対象学生】大学と学生がBoosterキャリアに登録し、学校からのサポートを受けている学生
【対象企業】人材確保に悩む中小企業や志のある企業
現在、本イベントに興味がある企業様を募集中です。ぜひご協力ください!