障がい者雇用でも多くの職種に応募できることを知った(他3事例)~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2024年7月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、4つのストーリーをお届けします!

就職事例1)障がい者雇用でも多くの職種に応募できることを知った

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】ASD、ADHD
  • 【利用期間】1年4か月
  • 【職種/業務内容】品出し・接客・販売
 
私は最初、エンカレッジに来るまでは、障がい者雇用のことをあまり良く知らなかったです。エージェントに出ていて、かつ説明会でよくあった事務職ばかり応募していました。
しかし、エンカレッジに行くと、障がい者雇用でもたくさんの職種に応募できることを知りました。
実習もいくつか行かせていただいて、自分はどの職種の環境が合っているのか、または合っていないかを知ることができました。
その他にエンカレッジではソーシャルクラブがあり、普段、1人では行きにくいところでも行くことができて楽しかったです。UNOなどのボードゲームもあるので、より周りと交流ができました。
オフィスワークの時間があるおかげで自分の得意・不得意をより深く発見できました。そのおかげで座ってばかりの身体を動かさない作業は向いていないと分かりました。おかげで身体を動かす販売の仕事を見つけることができました。
しかし、寝つきが悪い状況は続いていますので、これを改善しながら、お仕事頑張っていきたいです。
スタッフ・利用者の皆様、ありがとうございました。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
Kさんは、大学卒業後にエンカレッジの利用を開始されました。体験の時より周囲の方と積極的にコミュニケーションを取られ、ソーシャルクラブに一緒に参加され、「エンカレッジは楽しいところですね」とお話されていたことが、まず印象に残っています。
エンカレッジ利用開始後は、依頼業務などエンカレッジの活動を前向きに取り組まれていました。一時期は頑張りすぎた反動からか通所が難しくなる時期もありましたが、新たに目標を整理するなどして気持ちを切り替えられ、最終的にはエンカレッジを休まずに皆勤まで果たすことができました。また、他の方が困っていれば、アドバイスするなどし、お兄さん的存在にも成長されました。
就職活動面では、新しい環境に挑戦することがモチベーションとなるため、体験実習をたくさん行っていただきました。企業担当者から厳しい振り返りもあり、落ち込むこともありましたが、本人の人柄を評価してくれる企業もあり、そのようなところから気持ちのモチベーションをもたれ、その後、今回の企業先に出会い、内定の運びとなりました。
本人も振り返りの中で、体調の不安定さを心配されている部分もありますが、Kさんには強みになる部分がたくさんあります。
まず、不安なことがあれば、周りを頼り、無理ないペースで長く働いていきましょう。Kさんのこれからを応援しています!
(エンカレッジ心斎橋 スタッフM)

就職事例2)相談できることを心の支えに頑張る

エンカレッジ京都三条 ご利用者Tさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Tさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】30代前半
  • 【障害種別】ASD、ADHD
  • 【利用期間】2年1か月
  • 【職種/業務内容】事務補助(スキャン・スプレッドシートの表作成・転記など)
 
楽しかったことやうれしかったことも、辛いことや困ったことも素直に言えてありがたかったです。
正直、僕にとっては「家」みたいに感じているところもありました。
就職については、理性面はやれるだろうと考えているのに、感情面が怖いと叫んでいます。
ので、働き始めてもエンカレッジに相談できるというのを心の支えにしてがんばります。
ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
就職事例52-02-1  就職事例52-02-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Tさんはエンカレッジの利用を経て一度就職され、3年間の契約期間満了の後、この度2回目のエンカレッジからの就職となりました。
大きな声で自分からはっきり挨拶をしたり、受講したことのある講座もいつも前向きに受講され、ソーシャルクラブも毎回全力で楽しんでおられました。
面談では様々な相談を受けました。
週末にやりたいことはたくさんあるのにうまく過ごせないことを面談で相談してくださり、選択肢を単語帳のようなカードに書いて、目でみて選べるように工夫をしましたね。
夕飯のチョイスも単語帳になり、ご家族からもやりとりがスムーズになったと伺い、支援者としてはうれしかったです。
「頭の中が考えがぐるぐるしだしたら書き出す」
「報告相談はまず書いてから」
という、見える化のステップはTさんにとって引き続き大切な習慣として就職先でも実践していかれると、気持ちも伝えやすくなり、就職先も「家」のようになっていくかもしれません。
Tさんのペースで新生活や職場に慣れていってくださいね。
(エンカレッジ京都三条 スタッフY)

就職事例3)不安定な時期を乗り越え、自身にマッチした業務内容の会社に就職

エンカレッジ心斎橋 ご利用者Nさん
  • ▶ エンカレッジ心斎橋 ご利用者Nさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】ASD、ADHD
  • 【利用期間】2年
  • 【職種/業務内容】Pack作業
 
私がエンカレッジの名前を初めて知ったのは就職活動中の面接が原因で4回連続の落選を味わい、このままではらちが明かないと思っていた最中に紹介を受けたことが始まりでした。
初期の頃は随分と熱心に通所し、いろいろなことを学びつくしてやろうと内心ハッスルしながら通所していたもので、士気も高かったのですが、途中からアルバイトとの二重生活が結構苦しく感じて不安定な時期もあったように思います。
自分で選んだ道なので不満や不平を言うつもりはないものの、終わってみれば随分無茶をした、と思うので人生とは面白いものです。
体験実習ではS社にてフルタイムの実習をさせてもらいましたが意外と何とかなったのをよく覚えています。
あの経験があったからこそフルタイム労働はキツイという偏見を取っ払うことが出来ましたし、より強く就職に向けて頑張っていこうという気持ちを持つことが出来ました。
就職が決まったA社も業務内容が非常にマッチしており、心の底から楽しめそうだと思いながら取り組んでいました。
エンカレッジの経験を通じ、何事もまずやってみることが肝心で、重要なのがその仕事が合うかどうかだと思います。
これから肉体労働の仕事に就きますので疲れやすくなるだろうと思いますが、ここが始まりなのでここから長くお世話になって根気強く働けるように努めていきたいです。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
NさんはA社見学、実習に於いて気を付けていたのが安全とルールと挨拶でした。
これらはA社が何よりも大切にしていることで、立ち止まって左右確認やすれ違う方との挨拶など。
見学時から実習の最終日まで忘れることなくしっかりと対応されていました。また本来なら実習時は生産性には一切触れないのですが、Nさんは理解も早く生産性もかなり伸びていたとうこともあり、担当者の方から生産性の良さを教えていただきました。
長年アルバイトで朝の新聞配達をされていたNさん。
その経験はA社でも活かされた部分は大いにあったのかなと思います。
またユーモラスな面も備えたNさん。
A社でも”らしさ”を忘れずに末永く働いてもらえればと思います。応援しています!!
(エンカレッジ心斎橋 スタッフS)

就職事例4)いろいろサポートしていただいた

エンカレッジ京都三条 ご利用者Hさん
  • ▶ エンカレッジ京都三条 ご利用者Hさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代後半
  • 【障害種別】自閉スペクトラム症
  • 【利用期間】1年7ヶ月
  • 【職種/業務内容】事務・事務補助/研究経費入力及び照合等の事務業務
 
利用中の半分も通うことが出来ませんでしたが、就職先を一緒に考え探していただく等、いろいろなサポートをしていただきました。
退職をしてから、次の就職先を探すための手厚いサポート助かりました。
就職事例52-04-1  就職事例52-04-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Hさんは、1度、エンカレッジから就職をされましたが、離職をされての再利用でした。
再利用当初は、働き続けることができなかったことで自分を責められるなど、気持ちの落ち込みが見られていました。
昼夜逆転等、生活リズムの乱れがあったこと、目的等が明確でないと気持ちが向かないところもあり、安定した通所とはいきませんでした。
しかし、ご本人のペースで通所いただくことや、会社見学、実習を適宜調整し目的や気持ち、自信の回復に取り組むことで、徐々に通所も安定していきました。

雇用前実習は、2週間行いました。
実習1週目に5日間勤務することで、大きな疲れが感じられることがわかりました。
このことから2週目は4日間に変更し、疲れを感じることなく通うことができ、最終週4日勤務の働き方を調整されました。
実習を通して、自分にあった働き方は何かを真剣に考え、納得いく働き方で就職することができたようでした。

しっかりと自分にあった働き方をみつけて、就職しようと日々考え、チャレンジされる姿勢がとても印象的でした。
新しい職場で、長く働き続けていただけるように、サポートをしていきたいと思います。
(エンカレッジ京都三条 スタッフK)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!