【開催レポート】企業との座談会 Presented by Panasonic

2023年11月11日、家でも就活オンライン カレッジでは、障害のある学生と企業とのオンライン座談会を開催しました。
家でも就活オンライン カレッジ(家カレ)とは
「家でも就活オンライン カレッジ」は「全国の障害のある学生のためのキャリア教育プラットフォーム」です。全国の大学および企業が横断的に参画、協働することで、十分なキャリア教育を受けられていない障害のある学生に、機会を提供していく日本で初めての試みで、約40大学が参画しています。また、株式会社マイナビパートナーズ、社会福祉法人すいせいをパートナーとして、トヨタ自動車など6企業にご協賛、ご協力をいただいています。

座談会 登壇者

金子 健志 氏
金子 健志 氏
パナソニックグループ リクルート&キャリアクリエイトセンター 多様性採用担当
社会人になって約30年、人事畑一筋で歩んで参りました。
障がい者採用に携わるようになったのは6年ほど前で、以降、色々な試行錯誤がありましたが、社会も、会社も、少しずつ前に向かって進んでいると感じています。この座談会は、普段の立場を離れて、本音で皆さんと話しができる機会と楽しみにしています。ぜひ皆さんも、遠慮せずに気になること、何でも質問してください!
 
高尾 凪沙 氏
高尾 凪沙 氏
パナソニックグループ リクルート&キャリアクリエイトセンター 多様性採用担当
社会人5年目、障がい者採用を担当して3年目です。採用(新卒・キャリア)や定着支援、雇用管理などを行っています。皆さんの就職活動に少しでも役に立てるよう、社会人の先輩としてお話しできればと思っております。趣味は旅行で、最近は沖縄に行ってサップを体験しました!座談会で皆さんとお話しできること、楽しみにしております。
 
守屋 優 氏
守屋 優 氏
株式会社マイナビパートナーズ 総合企画開発部 部長
株式会社マイナビに2009年に新卒入社後、就職ビジネスの法人営業として5年間の新規開拓営業を経て、大手企業担当セクションに異動し、8年間新卒採用の成功と定着に向けたコンサルティング業務に従事。現在は、マイナビパートナーズ(特例子会社)で「誰もが心地よく活躍できる道を創る」ことをミッションとした、障がい者専門の人材紹介サービス「マイナビパートナーズ紹介」の事業責任者を担う。
 
藤田 浩史 氏
藤田 浩史 氏
TOTO株式会社 人財本部 ダイバーシティ推進グループ
障害者雇用担当になり3年目。採用や職場定着サポートを行っています。
今回の座談会では学生の皆さんの率直なご意見、お考えに触れるのをとても楽しみにしています。我々企業側も学べる場にしていきたいと思います。
趣味はお城巡り。日本100名城の制覇を目指したり、日本城郭検定という資格もあり、観光だけにとどまらないいろんな楽しみ方があります。それぞれのお城に「十城十色」の個性やストーリーがあってとても魅力的ですよ!
 
島津 悠貴 氏
島津 悠貴 氏
株式会社堀場製作所 グローバル人事部 採用チーム チームリーダー
HORIBAというメーカーで新卒採用と障害者採用を担当しつつ、企業の障害者雇用を推進する社団法人の運営に参画する等、障害のある学生の就活を中心に採用からサポートまで幅広く携わっています。
趣味はマリンスポーツと飼っている猫をかわいがることです。皆さんの様々な不安や疑問についてざっくばらんにお話し、前向きな気持ちを持って帰ってもらえる場にできればと考えています。お話できることを楽しみにしています。
 
井戸 智子 氏
井戸 智子 氏
トヨタ自動車株式会社 人事部
大学、公共機関、企業において障害者雇用と定着を担当してまいりました。その経験の中で、「一人一人の異なる個性による多様性がこれからの社会では求められている。」と感じております。
今回の座談会では、私のこれまでの経験が、皆様の障害者雇用や企業内の定着支援に対する疑問や不安解消の一助になればと考えています。
 

プログラム

13:00 開始・アイスブレイク
13:10 座談会 第1ターム
14:00 休憩
14:05 座談会 第2ターム
14:50 企業より一言、アンケート回答
15:00 終了

企画の背景

「障害者雇用」と一言に言っても、企業によって定義やニュアンスは様々である、ということはまだまだ一般的にはあまり知られていません。そのため、学生にとって障害者雇用の就活や働き方は、複雑でわかりにくいことが多いです。
障害者雇用と言えば「給料が安い」「単純な仕事ばかりさせられる」といったイメージもまだまだ根強く、こうした誤った先入観から自分の選択肢を自分で狭めてしまっている学生も多い、という声を大学支援者の方から多く寄せられました。
そのような学生たちが正しい情報を得て、自分に合った働き方や、やりたい仕事を見つけられるように、パナソニック様をはじめとした協賛企業の皆様にご協力をいただき、選考に一切関係のない、キャリア支援を目的とした就活や障害者雇用の実情を話したり、自分の就活についての悩みを相談したりするような座談会を開催する運びとなりました。

座談会

まずは全体連絡と簡単なアイスブレイク。オンライン上でのアイスブレイクはなかなか難しいのですが、今回は皆さんでぴったり息を合わせるゲームでした。結果はあまり足並みは揃わず・・・だったのですが、それも含めて皆さん笑顔で楽しまれていて、良い雰囲気でスタートすることができました。
その後3つのグループに分かれて座談会スタート。学生の皆さんには事前アンケートにて、設定された3つのテーマから興味のあるものを選んでいただいていました。
どのグループもはじめは皆さん緊張されたご様子でしたが、時間が経つに連れて場がほぐれ、時には笑いも交えながら終始和やかな様子で進んでいきました。自宅からオンラインで参加できることで、リラックスしながら参加しやすかったのではないかと思います。
それぞれのグループでの詳細なやりとりは記載しませんが、どんな話題が上がったのか、学生の皆さんの質問内容を以下に挙げます。

1)障害学生の就職活動の進め方

  • 自分の大学は学歴がそこまで高くないと思っているが、大企業にも就職できるのか
  • 精神障害、発達障害の方のキャリアアップの道筋はあるか
  • 自分は長時間PCを見るのが苦手だが、どういった仕事があるか
  • 資格はとったほうが良いか
  • 残業はあるか
  • 障害者枠で給与が高い人は実際にいるのか
  • 適性検査で落とされてしまった。自分はどうしても苦手なのだが、回答の一貫性が無いと適性検査に受かるのはやはり難しいのか
  • 一般とオープンで悩んでいるが、どちらが良いか
  • どんな障害種別の方が働いているのか

2)障害者雇用の働き方

  • 就職した方は、職場に何年くらい定着しているか
  • リモートワークの割合はどれくらいか
  • 発達障害があり手帳を持っているが、更新できなくなったらどうなるのか
  • 障害者雇用と一般雇用の違いはなにか
  • 働くうえで人間関係を大切にしているが、2社はどんな雰囲気か
  • 障害者雇用でもキャリアアップはあるのか
  • 障害者雇用の仕事をイメージできていない。どんな仕事があるのか
  • 私は障害特性から疲れやすかったり、失語症だったりするため、長文を読むのが苦手。事務業務等は難しいと思うが、自分に合う仕事は何があるか
  • アルバイトをしたことが無く、具体的な業務イメージが持てないがどうすればわかるのか
  • 研究職に希望があるが、障害者雇用で募集はあるか

3)障害者雇用 業界分析

  • 今後、長期間、会社で働くイメージが沸かない。社会人になって長く働くってどんな感じですか
  • デザインなどの専門分野で働こうと思っているが、障害者雇用にはそのような選択肢があるのか
  • フルタイムで働ける気がしないが、障害者雇用ではフルタイム以外の道もあるのか

学生の感想

2時間の会はあっという間に終了となりました。
以下、事後のアンケートでの学生の皆さんの感想を挙げます。
  • 障害者雇用にあった固定概念が少し崩すことができた
  • 座談会に参加してよかった
  • 他の参加者の話を聞くうちに質問が増えました。座談会の時間がもっと欲しくなりました
  • とても緊張しましたが、話しやすい雰囲気を作っていただいたので楽しい時間を過ごせました
  • 知りたいことや知っておくべき情報が知れた
  • 気になっていた事柄を聞け、有意義な時間を過ごせた
  • 障害者雇用は障害の有無ではなく、配慮の有無で決めるとよいということ
  • 障害者雇用といっても、会社ごとによって制度や取り組み方が違うことを知った
  • 特例子会社と、一般企業の障がい者枠の違いや、企業における配慮事例を知ることができた
  • 障害を提示したから職場で不利になるようなことはないこと
  • 職場には色々な人がいること
  • 社会に出ることに恐怖を感じていましたが、お話を聞けて少し緩和しました

企業の感想

また、登壇いただいた企業の皆様からのコメントも以下に抜粋します。企業の方もまた、学生の皆さんにどうしたらうまく伝えられるだろうか、ということを真剣に考えてくださっているのがよく伝わってきます。
『精神障害、発達障害の方は、障害をオープンにしていいかどうかという不安が強くあるのだなと思った。社会に出る選択を正しくするために、引き続き学生に広く必要な情報を伝えていけたらと思う。』
『企業側から率直に伝えるという場がとても大事だと思っている。学生の皆さんは、自分の選択肢を狭めてしまうステレオタイプを持っていることが多い。企業説明会では聞きづらいことだったりもあるので、選考とは切り分けたこうした座談会のような場の回数を増やしていければと思う。』
『アルバイト経験が無く、働き方のイメージが湧かないという方に、どういう風に伝えれば良いのかというのを考えさせられた。自社でもインターンなどをやっているが、もっと伝えた方を考えていきたい。』

大学支援者の感想

最後に、大学の支援者の方もオブザーバーとして数名参加していただいていましたので感想を掲載します。
『有名企業の考え方がわかり、大変ありがたかったです。』
『学生さんと企業の方々のやり取りを拝見して、学生さんの不安・疑問はかなり共通していること、またそれらが企業様との会話を通じて解消されていく様子を間近に感じることができました。非常に有意義な場だと感じました。』
『学生達が「障がい者雇用」に対して抱いている不安などについて、直接企業さんにお聞きする機会をいただけたことがとても良かったです。』

いかがでしたでしょうか?
学生の皆さんにとって、「社会に出る」というのはワクワクする部分もあり、同時に強く不安を感じる部分もあるのではないかと思います。そうした不安を本音ベースで相談できる場、というのは意外と少ないのではないかと思います。本格的に就職活動が始まる前の早いうちに、そうした不安を少しでも解消しておいたり、将来の見通しをつけておいたりできると、自分に合った働き方を見つけることがしやすくなるのではないかと思いました。
家でも就活オンラインカレッジでは、引き続き、様々なイベントを実施してまいります。 次回の学生向けプログラムは、春休みに企画中です。ぜひチェックしてください。
「家でも就活オンライン カレッジ」では、協賛企業、参加大学を募集しています。
ご興味・ご関心のある方は、以下のお問い合わせ先までお気軽にご連絡ください。
株式会社エンカレッジ(広報担当:遠藤[えんどう]、窪[くぼ])
HP:https://en-c.jp/
住所:大阪市西区新町1-4-26 四ツ橋グランドビル2階
TEL:06-6535-8584 FAX:06-6535-8516
MAIL:univsg@en-c.jp