🔶 プログラム
14:30 |
基調講演「発達障害のある学生や若者が就活をする際の困りごとと、必要な支援」
早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授 梅永 雄二先生
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15:40 | 休憩 |
15:50 |
実践報告
「学生や若者の困りごとに対するエンカレッジの支援」
「発達障害のある学生の社会への移行」
1)プロセスと、企業とのパートナーシップ
2)発達障害のある学生の支援事例
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エンカレッジでは2023年6月9日(金)に就労支援セミナー「発達障害のある学生や若者が就活をする際の困りごとと、必要な支援」を開催しました。
今回のセミナーには200名以上のご応募をいただきました。
ご参加いただいたみなさま、お忙しい中、ご参加いただき誠にありがとうございました。
当日の様子をレポートいたします!
今回のセミナーには200名以上のご応募をいただきました。
ご参加いただいたみなさま、お忙しい中、ご参加いただき誠にありがとうございました。
当日の様子をレポートいたします!
基調講演「発達障害のある学生や若者が就活をする際の困りごとと、必要な支援」
基調講演では、自閉スペクトラム症を中心とする発達障害児者のキャリア教育、就労支援を長年専門に研究されている早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授 博士 梅永 雄二先生にご登壇いただきました。
梅永先生は高機能の自閉スペクトラム症のある大学生の就職がうまくいかないという問題に対してハワイ大学で1年間研究をされており、その最新の情報や世界中の論文の内容も盛り込みながら、お話しくださいました。その内容をとても簡単にまとめると、
梅永先生は高機能の自閉スペクトラム症のある大学生の就職がうまくいかないという問題に対してハワイ大学で1年間研究をされており、その最新の情報や世界中の論文の内容も盛り込みながら、お話しくださいました。その内容をとても簡単にまとめると、
🔷 困りごと
現在の日本では、知的に高くても就職がうまくいかないケースが多くなってきている。そして、発達障害の方の就労上の課題は仕事そのものの能力(=ハードスキル)ではなく、コミュニケーション、身だしなみ、時間管理などのソフトスキルであることが多い。
梅永先生が関わっておられる学生の方々も就職はできても、ソフトスキルが課題になり職場定着が難しいケースが多い。たとえば、身だしなみでは職場に合った服装がわからない、感覚過敏から、髭剃りや爪切りができない。時間管理では、見通しを持つことが難しく、遅刻や昼休み戻ってこられない。対人関係では、挨拶ができない、お礼が言えない、ミスをしても報告できない(やり方がわからない)などがあげられる。また私生活でも金銭管理ができない、家事ができないなど職業生活の土台に課題があることも少なくない。
梅永先生が関わっておられる学生の方々も就職はできても、ソフトスキルが課題になり職場定着が難しいケースが多い。たとえば、身だしなみでは職場に合った服装がわからない、感覚過敏から、髭剃りや爪切りができない。時間管理では、見通しを持つことが難しく、遅刻や昼休み戻ってこられない。対人関係では、挨拶ができない、お礼が言えない、ミスをしても報告できない(やり方がわからない)などがあげられる。また私生活でも金銭管理ができない、家事ができないなど職業生活の土台に課題があることも少なくない。
🔷 必要な支援
梅永先生が関わっておられる学生の方々も日常生活でさまざまな壁にぶつかることから、仕事のベースとなる「生活への支援」が必要である。そして、支援者に求められることは「本人のことをよく知ること」すなわち「アセスメント」。特に仕事だけではなく、生活上何に困っていて、どのような支援が必要かを整理する「ライフスキルアセスメント」は支援を考える上でも重要。
発達障害のある方に職業的自立に必要なことは
1)適切なジョブマッチング
2)職務、職場環境の構造化
3)同僚・上司の発達障害理解
4)職場定着のための長期的サポート必要
5)小さい時からのライフスキルの獲得
6)小学校の段階からの仕事の体験(インターンシップなど)
の6つの要素である。
発達障害のある方に職業的自立に必要なことは
1)適切なジョブマッチング
2)職務、職場環境の構造化
3)同僚・上司の発達障害理解
4)職場定着のための長期的サポート必要
5)小さい時からのライフスキルの獲得
6)小学校の段階からの仕事の体験(インターンシップなど)
の6つの要素である。
学生や若者の困りごとに対するエンカレッジの支援
エンカレッジ早稲田駅前 統括所長の高橋より、エンカレッジの支援について発表いたしました。
エンカレッジの役割のひとつは在学中から社会への橋渡しです。
そして、その橋渡しと一人ひとりにあった就労を実現するためには、卒業後のみを対象にした「点の支援」ではなく、就職準備から就職後までの一気通貫した「面の支援」が必要と考え、エンカレッジではさまざまな事業を展開しています。
エンカレッジの役割のひとつは在学中から社会への橋渡しです。
そして、その橋渡しと一人ひとりにあった就労を実現するためには、卒業後のみを対象にした「点の支援」ではなく、就職準備から就職後までの一気通貫した「面の支援」が必要と考え、エンカレッジではさまざまな事業を展開しています。
発達障害のある学生の社会への移行
(1)プロセスと、企業とのパートナーシップ
続いて、エンカレッジ早稲田駅前 主任 植山より、実践報告をいたしました。
エンカレッジに相談にくる学生の多くは、社会で必要なソフトスキルを学ぶ機会や経験が少なく社会に出ることへの不安が高い傾向にあります。そんな方々が社会へ移行していくためのステップづくりのポイントはこの5つだと考えています。
エンカレッジに相談にくる学生の多くは、社会で必要なソフトスキルを学ぶ機会や経験が少なく社会に出ることへの不安が高い傾向にあります。そんな方々が社会へ移行していくためのステップづくりのポイントはこの5つだと考えています。
エンカレッジの中でも、このポイントを盛り込んだ疑似的な社会経験は可能です。
しかし、社会へ移行していくためには、エンカレッジの外に出て実習などを通して経験を積むという次のステップが必要であり、そのステップを企業と一緒につくることが大事になってきます。 また、企業人事の方の中にも採用だけでなく「人の成長や人生を応援したい」という想いをお持ちの方がいらっしゃいます。
エンカレッジが学生・若者と企業の橋渡しとなることで社会経験の機会をつくりたいという想いで企業と一緒にさまざまは取り組みを行っています。
本セミナーでは実際に行った企業研究講座やワークショップ、企業見学、実習を紹介いたしました。これからも企業と一緒に社会へのステップをつくっていけたらと思っています。
しかし、社会へ移行していくためには、エンカレッジの外に出て実習などを通して経験を積むという次のステップが必要であり、そのステップを企業と一緒につくることが大事になってきます。 また、企業人事の方の中にも採用だけでなく「人の成長や人生を応援したい」という想いをお持ちの方がいらっしゃいます。
エンカレッジが学生・若者と企業の橋渡しとなることで社会経験の機会をつくりたいという想いで企業と一緒にさまざまは取り組みを行っています。
本セミナーでは実際に行った企業研究講座やワークショップ、企業見学、実習を紹介いたしました。これからも企業と一緒に社会へのステップをつくっていけたらと思っています。
(2)発達障害のある学生の支援事例
最後に、エンカレッジ大学支援グループ 小川より4件の支援事例を発表いたしました。
1)「家でも就活オンライン」を利用して新卒デザイン職で就職した方の事例。
2)マナーや人との距離感に困り感があり、低学年時から働くチカラPROJECTに参加し、卒業後就労移行を利用して一般事務で就職した事例
3)体力に自信がなく、不安が強い方で大学内での就活イベントに参加し、「家でも就活オンライン」を活用後、卒業に専念するため就活を中断。卒業後に就労移行を利用して就職した事例
4)働くイメージが持てないという困り感があり、在学中から就労移行を利用して実習など重ねながら就職した事例
2)マナーや人との距離感に困り感があり、低学年時から働くチカラPROJECTに参加し、卒業後就労移行を利用して一般事務で就職した事例
3)体力に自信がなく、不安が強い方で大学内での就活イベントに参加し、「家でも就活オンライン」を活用後、卒業に専念するため就活を中断。卒業後に就労移行を利用して就職した事例
4)働くイメージが持てないという困り感があり、在学中から就労移行を利用して実習など重ねながら就職した事例
一人ひとりの状況や困り感、タイミングは違いますが、どの事例も在学中から卒業後までさまざまな機会を作り、次のステップに向かうための伴走ができたのではないかと思います。
限られた時間での開催となりましたが、みなさまの支援や活動のお役に立てていれば幸いです。