周りとの協調性、他者との価値観の違いの気付きを大切に就職活動へ。他3事例~発達障害のある大人の就職~

この記事では、エンカレッジから就職されたご利用者の就職ストーリーをシリーズでご紹介しています。
ご利用者本人からは、利用を決めてから就職に至るまでにどんなことがあったか、エンカレッジに通ってみての感想、率直な今の気持ちなどをお聞きしました。
また、ご利用者の就職をサポートしてきた支援者から見たご本人の変化や、就職に至るまでのプロセス、今後に向けてのエールも載せています。
📍この記事はこんな方におすすめ📍
  • 発達障害があり、就労移行支援の利用を検討している
  • 就職が決まった人が、どんな流れで就職できたのか知りたい
  • 就労移行支援事業所で実際にどんなことをするのか知りたい
今回は、2021年11月に就職が決まられたご利用者の就職事例から、4つのストーリーをお届けします!
*「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください。

就職事例1)周りとの協調性、他者との価値観の違いの気付きを大切に就職活動へ

エンカレッジ大阪 ご利用者Sさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Sさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】発達障害、うつ病
  • 【利用期間】1年3ヶ月間
  • 【職種/業務内容】商品のピッキング
 
エンカレッジに来る前は「就職できるかな」など不安がありましたが、通所することにより体力が戻り、規則正しい生活ができるようになりました。
本当にいろいろな方が利用されていて、他者と自分を比べてみることで、自分の個性を知るいい機会になったと思います。実習ではいい評価をいただき、自信がつきました。
担当の方に「まだまだこれからやから」と助言をいただき、自分の将来の夢や能力に希望をもつことができました。

私は体力に自信があるので、体力を活かせる仕事がいいのではと家族やスタッフの方から助言をいただき、物流関係で就職活動を行って就職することができました。
就職活動で大切にしたことは、明るく笑顔で振る舞って周りと協調性をもつことや、他者との価値観の違いに気付くことです。これから働くにあたっては、自立することを目標にしていきたいです。

夢と現実の間で葛藤がありましたが、「夢も現実も両方見なあかん」と家族から助言を受け、働きながら生活を安定させて夢を叶えられるように努力していきたいと思います。
今でも苦手なことが多く、自信がなくなることは多いですが、たくさん失敗をしても、自分を信じて前に進んでいきたいです。
就職事例20-1-1 就職事例20-1-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Sさんはコミュニケーションが好きな方で、エンカレッジのメンバー一人ひとりに挨拶をしたり、雑談を楽しんだり、気遣いの声かけをするなど、いつも良い雰囲気を作ってくださいました。
時にはコミュニケーション面で葛藤もありましたが、その中で「いろいろな人がいる」「それぞれ得意や苦手なことが違う」ということを学び、困りごとを徐々に減らすことができました。
また、夢に向かってコツコツと努力できるところも尊敬しています。積極的に人と関わるところ、コツコツと努力できるところを、ぜひお仕事でも発揮していただけたらと思います。お仕事も夢も応援しています!
(エンカレッジ大阪 スタッフU)

就職事例2)自分の課題「聞こえる声でハキハキ話すこと」を意識したい

エンカレッジ京都 ご利用者Kさん
  • ▶ エンカレッジ京都 ご利用者Kさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代
  • 【障害種別】軽度知的障害
  • 【利用期間】1年9カ月
  • 【職種/業務内容】伝票スキャン業務・伝票の前裁き・製本の箱詰め 等
 
エンカレッジ京都の利用を開始してから1年と9か月、ようやく就職が決まりました。
エンカレッジでは、指示されたことを正確に行えるよう、復唱・ノートに指示内容を記録することを意識して、日々のオフィスワークに臨んでいました。
今までのエンカレッジの講座・オフィスワーク、また実習を通じて学んだことや、私の課題である聞こえる声でハキハキ話すことをしっかり意識してこれからも頑張っていきたいと思います。
これまでお世話になったエンカレッジのスタッフ及び利用者の皆さん、本当にありがとうございました。
就職事例20-2-1 就職事例20-2-2
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
大学4回生で働くチカラPROJECTにご参加いただき、3年弱就職に向けて頑張ってこられました。
これまで何度も実習にチャレンジし、そのたび課題に向き合い、改善しようと努力されてきたことが今回実を結んだのだと思います。
Kさんの頑張っておられる姿を見て、自分も頑張ろうと勇気がもらえていました。
就職が決まった時、ガッツポーズをして喜んでおられる姿や「これまで関わってくれたスタッフさん全員にお礼を言わなくては・・・」とスタッフのことを考えてくださる優しさがとても印象に残っています。
これからもKさんらしく、頑張ってほしいなと思います。
(エンカレッジ京都 スタッフF)

就職事例3)就職活動や働くための訓練が出来て良かった

エンカレッジ天満橋 ご利用者Nさん
  • ▶ エンカレッジ天満橋 ご利用者Nさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】知的障害
  • 【利用期間】2年6ヶ月間
  • 【職種/業務内容】商品の組み立て、シール貼り、包装など
 
今回内定を頂き、11月10日から働く事が決まりました。
作業内容は、商品のシール貼りや組み立てなどです。
エンカレッジで就職活動や働くための訓練が出来て、本当に良かったです。
これから学んだ事を活かして、頑張っていきたいと思います。
この2年6ヶ月間はいろいろ学ぶ事ができ、そのおかげで就職する事が出来たと思います。
エンカレッジ天満橋の皆さん、本当にありがとうございました。
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🌟 支援者よりひとこと 🌟
経験の少なさや過去の体験から、新しいことや慣れないことには不安の強かったNさん。
エンカレッジを利用して間もない頃は、いろいろなことに「ちょっと難しいです」と躊躇されることがよくありました。
しかし、スタッフと相談を重ね、それらが就職に必要なことと感じると、不安を抱えながらも勇気を出して挑戦し、一つずつできることを積み重ねていかれました。
今回、就職が決まった企業での実習中も、以前は苦手だった慣れない相手への挨拶や報告を、はきはきとした自信のある声でされていたのが印象的でした。
一度できるようになるとそれを継続する力や、真摯に取り組む姿勢は就職先でもとても強みになると思います。
初めての就職で不安も多いかと思いますが、これからもエンカレッジは陰ながら応援していきますので、一緒に頑張っていきましょう!
(エンカレッジ天満橋 スタッフY)

就職事例4)他者の話を聞き、自分も成長し、他者も成長させることに力を使っていきたい

エンカレッジ大阪 ご利用者Eさん
  • ▶ エンカレッジ大阪 ご利用者Eさん
  • 【性別】男性
  • 【年代】20代前半
  • 【障害種別】注意欠陥多動性障害
  • 【利用期間】9か月
  • 【職種/業務内容】支援員/送迎業務・日常生活のサポート・学習指導
 
エンカレッジは2月から開始していましたが、その頃はコロナ禍であったためリモートでの講座でした。
その時は大学生であったためリモート講義を受けていた経験もあり、延長線上に感じていました。

私は面接が苦手だったため、うまく話せるようにするために目標として得意なことを見つけることから始めました。それは自分に自信を持つためにも自分の得意なことを見つけたかったからです。

得意なことを見つけるために、まずはワークサンプルを行い、自分の様々な能力を知ることができ、ケアレスミスが起こりやすいという特性が分かりました。
講座ではグループワークに力を入れました。
人の話を聞く力を試し、経験を積むことで自分の力に自信をつけることができました。

これらの経験を基に、職場実習を経験し、自分の得意なこととして、日々の業務で工夫できる点、責任感を持って報連相ができている点を評価していただきました。
逆に早さを意識して正確性がないことを指摘いただき、私は急いでいるつもりはなかったが、客観的な意見としてきくことができました。

職業評価では、人の助けになりたいと思っていること、対物関係の仕事より対人関係の仕事の方がストレスはかからないことを知ることができました。
そして、ケアレスミスが起きやすいことも分かり、細かい作業が明確に苦手であると結果が出ました。
こうして、私の得意不得意を改めて知ることができ、履歴書作成に取り掛かり、三ヶ月履歴書作成してはエントリーをするという日々が続きました。

結果は全て落選であり、スタッフと家族と共にこれからも頑張っていこうという中で、採用の連絡が来ました。
いきなりのことで、連絡が来た時は、何の前触れのない採用連絡であったため、喜びを噛み締める時間はなく、エンカレッジ卒業のための準備、会社に提出する書類の準備があったため、実際にこれを書いている今も気持ちが急いています。
だが、同時にワクワクもしており、「失敗を恐れてはならない」この言葉はここ数ヶ月様々な人から聞いた言葉です。
スタッフからも家族からも面接官からも最近通っている教習所の先生からも言われました。
私はケアレスミスが起きやすく、それ故に失敗を恐れてしまうことがあります。
だが、これからは失敗を恐れない人間になりたいです。

エンカレッジでの経験による学びを活かして日々工夫と改善を繰り返し、人の話を聞き、取り入れていきたいです。そして、今度は他者の成長のための力を使っていきたいです。
「他者の話を聞き、自分も成長し、他者も成長させる」これが私の得意なことだからです。
就職事例20-4-1
 
🌟 支援者よりひとこと 🌟
Eさんは、大学在籍時にエンキャリアを利用、その後エンカレッジを利用されることになりました。
利用開始時は働いた経験がなく、障害者雇用で働くか一般雇用で働くか悩んでおられました。
また得意・不得意も分からず、 自分はどこにも必要にされないのではないかとよく面談でお話されていました。
まずは強みを見つけるため、エンカレッジでオフィスワークや講座、実習などいろいろと経験していただきました。
経験する中で「最後まであきらめずに責任感をもって取り組める」という強みをご自身で見つけ、少しずつですが挑戦することが大切であると気づきを得ることができました。

そこから一般雇用での就職活動に挑戦し続けました。不採用通知を受け、自信を無くされることもありましたが、ご自身の夢をあきらめずに応募を頑張って続けた結果、見事に内定をいただきました。

面接練習を重ね、失敗を恐れずに応募をし続けたEさんのひたむきな姿勢は忘れられません。これからもしっかりと目標を持ちながら、無理せずに心身ともに健康で、いきいきと活躍していただけるように応援していきたいです!
(エンカレッジ大阪 スタッフM)
 
いかがでしたか?「発達障害のある大人の就職事例」はシリーズとして今後も定期的に発信していきます。乞うご期待ください!